六煞星:三組の試験官
難題を出されるから、力が伸びる・4分
あの手ごわい先生を思い出して
とても手を焼いた先生や上司をひとり思い出してみてください。そのときはただ面倒なだけでしたが、何年かたって振り返ると、あのころに鍛えられた力があることに気づくことがよくあります。六煞星が命盤で演じるのは、たいていこういう役です。
擎羊星・陀羅星:正面突破と粘り
擎羊星(けいようせい)は勢いがあってまっすぐで、競争を恐れず、問題を正面から片づけたがります。陀羅星(だらせい)は長引き、回り道をし、行ったり来たりして、何度も粘ってやっと通ることが多い星です。ひとつは決断力を、ひとつは忍耐を試します。
火星・鈴星:爆発とくすぶり
火星(かせい)は惑星ではなく紫微斗数の星で、来るのも去るのも速く、感情も行動も一気に噴き出します。鈴星(れいせい)はくすぶるように燃え、後を引きます。不満を長く胸にしまっておくタイプです。ひとつは反応を、ひとつは言葉にすることを鍛えます。
地空星・地劫星:台本どおりにいかない
地空星(ちくうせい)は自由な発想をもたらしますが、夢は大きくても中身が空になりがちです。書によっては天空星とも呼ばれます。地劫星(ちごうせい)は骨折り損になることも多い一方、だれも歩いたことのない道を切り開くこともあります。どちらも試すのは、形にする力です。
うまく使った煞星
廟に入れば性剛にして果決、機謀ありて勇を好み、権貴を主る。
やさしく言うと擎羊星が力を出しやすい位置にあるとき、昔の人は、剛くて決断が早く、知略があって勇敢な人で、かえって権力を握ると言いました。煞星も使いどころが合えば、実力になります。
あなたの六人の試験官
六つの煞星がどのマスにあるかを見てください。その部屋のことにあなたは特に敏感で、特に力も鍛えられます。
擎羊星は田宅宮に、陀羅星は父母宮にあります。
- 擎羊
- 田宅宮(戌の宮)・廟
- 陀羅
- 父母宮(申の宮)・陥
- 火星
- 遷移宮(丑の宮)・得
- 鈴星
- 父母宮(申の宮)・陥
- 地空
- 遷移宮(丑の宮)
- 地劫
- 福徳宮(酉の宮)
これはサンプルの命盤です。生年月日を入力すると、このカードがあなたの命盤に切り替わります。 命盤を出す ›
教授に差し戻されて、レポートを10回も書き直した。近いのはどの星の味わい?
- 陀羅
- 火星
- 天魁
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陀羅
陀羅星の味わいは、繰り返しと粘りです。時間はかかりますが、粘った分だけ細やかな仕事ができあがります。
いちばん手ごわいマスこそ、 あなたが力を伸ばす場所であることが多いのです。
深掘り
三組の試験官の並べ方
- 擎羊星・陀羅星は禄存星についていく。 『全書』の口訣は「禄の前は擎羊、後は陀羅」です。擎羊星は禄存星の時計回りでひとつ前のマス、陀羅星はひとつ後ろのマスに来ます。だから羊陀はいつもひとマスへだてていて、真ん中に禄存星をはさんでいます。
- 火星・鈴星は生まれ年の十二支と時辰で見る。 口訣は「寅午戌の人は丑卯の方、申子辰の人は寅戌に揚がり、巳酉丑の人は卯戌の位、亥卯未の人は酉戌の房」です。まず年支で火星・鈴星の起点を見つけ、そこから時辰の分だけ数えます。
- 地空星・地劫星は時辰で見る。 口訣は「亥の上に子を起こし、順に劫を安んじ、逆に向かえば便ち是れ天空の郷」です。亥の宮を子の刻として、地劫星は先へ、地空星は逆に数えます。子の刻生まれならどちらも亥、午の刻生まれならどちらも巳に来ます。『全書』は地空星をすべて「天空」と書いていますが、星格は現代の慣例どおり地空と呼びます。
刑と忌:二種類のプレッシャー
「羊陀二星総論」には「羊は化気を刑と曰い、陀は化気を忌と曰う」とあります。刑は刃を向け合うことで、擎羊星のプレッシャーは正面から来ます。競争、衝突、その場で決めることを迫られる場面です。忌はからみつくことで、陀羅星のプレッシャーは慢性的です。先延ばし、繰り返し、ひとつのことを何度も直す、といった形です。
仕事でのプレッシャーも、だいたいこの二種類に分かれます。ひとつは成績を競う相手がすぐ隣に座っている状態、もうひとつは案件がどこかの決裁で止まったまま動かない状態です。前者は突き進む勇気を、後者は持ちこたえる力を試します。
火星と鈴星も、ひとつは急、ひとつは緩です。火星はその場で机をたたき、言い合いが終わればそれで終わり。鈴星は不満を引き出しにしまい、半年後にまとめて出します。
煞星のよい使い方
- 擎羊星:『全書』は「廟に入れば性剛にして果決、機謀ありて勇を好み、権貴を主る」としています。営業、スポーツ、起業のように人と競う場面では、擎羊星は元手になります。
- 陀羅星:何度も磨き直すことは、まさに細やかな仕事の条件です。エンジニアリング、手仕事、研究には、どれもこの粘りが必要です。
- 火星・鈴星:貪狼星に出会うと、『全書』の「定貴局」は「貪火相逢う」を挙げ、「二星命を守り同居して廟旺なるを謂うなり」と注をつけています。後世はこれを火貪格・鈴貪格と呼び、一気に花開くタイプのチャンスと読みます。
- 地空星・地劫星:『全書』は二つの星について「吉に遇えば吉、凶に遇えば凶」と書いていて、星そのものは方向を決めません。台本どおりに進まない人によく見られます。デザインや研究をする人、珍しい専門分野に進む人、自分で道を切り開く人です。
よくある三つの誤解
- 擎羊星はけんか好き。 擎羊星はストレートなのであって、けんかを探しているわけではありません。擎羊星のあるマスでは、正面から片づけるのが習慣で、先延ばしが嫌いです。
- 空劫はお金が出ていく。 古書はたしかに空劫と出費をよく結びつけています。現代の読み方では多くの場合、そのマスのことは計画どおりに進まないことが多く、使ったお金や力が期待どおりのものに変わるとは限らない、だからこそ予備費や代わりの案を用意しておく、と広く捉えます。
- 煞星は命宮にあるのが最悪。 煞星が命宮にあると、性格に少し角が出ます。主星が廟旺なら、その角は人から見ると頼もしさになることがよくあります。
煞星を読む三つの問い
- どのマスにあるか。 その部屋は摩擦が起きやすく、同時に力も鍛えられやすい場所です。
- 主星が支えきれるか。 主星が廟旺なら、煞星は味つけのようなものです。主星が落陥なら、煞星の影響が目立ちます。
- 吉星も一緒にいるか。 吉星と煞星が同宮していれば、「プレッシャーはあるけれど、一緒に背負ってくれる人がいる」と読むことが多いです。
煞星は罰ではありません。示しているのは「ここに試験問題がある」ということです。問題がどこにあるかわかれば、早めに準備できます。
この回の用語
- 擎羊
- 擎羊星は勢いの星。正面からぶつかる迫力があり、向きが合えば競争力になります。
- 陀羅
- 陀羅星は粘りの星。行きつ戻りつ、つかえやすい星ですが、じっくり取り組めば丁寧な仕事になります。
- 火星
- 火星は爆発の星。速く、急で、勢いよくやってきます。チャンスも気性も同じです。
- 鈴星
- 鈴星はくすぶる星。じっと耐え、あとから力を出します。気持ちには出口が必要です。
- 地空
- 地空星はひらめきの星。発想は型破りですが、空回りもしやすい星です。
- 地劫
- 地劫星は常道を行かない星。骨折り損になりやすい一方、新しい道を切り開くこともあります。
- 十二支
- 子・丑・寅・卯から亥までの十二で一巡りするもの。命盤の十二の座席にあたります。
