紫微斗数の副星・禄存星と天馬星

天馬星とは?

天馬星は駅馬の星。動き回ることや変化を表し、動いてこそチャンスが来ます。

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天馬星(てんませい)は紫微斗数(しびとすう)の「駅馬」です。昔、公文書を運び、駅ごとに乗り継いでいった馬のことです。天馬星のある宮では、物事が移動、変化、遠出とかかわることがよくあります。天馬星は六吉星にも六煞星にも属さず、良し悪しは誰と一緒にいるかで決まります。財の星と出会えば動くほど実りがあり、空亡と出会えば、くたくたになるまで走っても目的地にたどり着けません。自分の天馬星がどの宮にあるかを知るには、まず命盤を作ってみてください。

天馬星はどんな星か

天馬星の持ち味は「駅馬」です。奔走、変化、移動で、動いてこそチャンスが生まれます。かみくだいて言えば、天馬星は動きたい星です。同じ場所にとどまっているとあまり力を出せず、環境を変える、外に出る、地域をまたぐことこそが、この星の舞台です。

天馬星は禄存星(ろくぞんせい)と一緒に語られることがよくあります。一方は移動を、一方は財を受け持ちます。禄存星と天馬星の回は、まさにこの2つを扱っています。

天馬星の配置:生まれ年の十二支だけで決まる

天馬星の位置は、生まれ年の十二支だけで決まります。『紫微斗数全書』巻二の「安天馬星訣」にはこうあります。

寅午戌の人は馬、申に居り、申子辰の人は馬、寅に居る。巳酉丑の人は馬、亥に居り、亥卯未の人は馬、巳に居る。

ウィキソースの翻刻では、最初の句の「戌」が形の似た「戍」になっていますが、ここでは正しい字に従っています。ですから天馬星が入るのは寅・申・巳・亥の4つの宮だけで、昔の人はこの4つの位置を「四生」または「四馬」の地と呼びました。同じ組の年に生まれた人、たとえば寅年・午年・戌年生まれの人の天馬星は、みな申の宮にあります。生まれ年の十二支は旧暦の年で数えるので、旧正月より前に生まれた人は前の年として扱います。天馬星には、廟・旺・利・陥のような輝度はありません。

古書の言葉と、今の読み方

『全書』巻二は天馬星を紹介する最初の一文で、この星の好むものと嫌うものを言い尽くしています。

天馬は火、最も禄存に会うを喜び、極めて截路空亡を忌む。

いちばん好むのは禄存星と出会うこと、いちばん嫌うのは截路空亡と出会うことです。「太微賦」にも「禄馬は最も交馳を喜ぶ」とあります。財の星と駅馬が出会えば、動くほどお金が生まれる、という意味です。逆に、天馬星が截空や旬空のような空亡と出会うと、馬が道のない場所に駆け込んだようなもので、奔走は多く、実りは少なくなります。

巻二の配置の歌のあとには、夫妻宮の天馬星についての記述もあります。命宮が辰・戌・丑・未にあり、夫妻宮が寅・申・巳・亥にあって天馬星が入り、さらに吉星が同宮するか三方から照らすと、昔の人はパートナーが出世する形と読みました。禄馬交馳になる場合も良い形とされています。今の暮らしに置き換えると、パートナーが行動力があって外へ伸びていく人で、2人で一緒に動くと、そろって上向きやすい、ということに近いでしょう。

天馬星が命宮にある場合

天馬星が命宮にある人は、なかなかじっとしていられません。新しい環境が好きで、あちこち動き回るのが好きで、同じ場所に長くいると息が詰まります。仕事では勤務地やプロジェクトがよく変わり、人生でも引っ越し、留学、海外赴任のような大きな移動がよくあります。

この性格は、移動が求められる場面で強みになります。営業、貿易、旅行、海外赴任、国や地域をまたぐ仕事。つまずきやすいのは動きっぱなしです。ずっと動いているのに積み上がらない。いろいろな場所に行ったのに、どこにも少ししかいなかった、ということになりがちです。

天馬星が命宮にある人へのアドバイスはひとつです。動く前に、何を持っていくかを決めておくこと。人脈、作品、スキルのように、移動のたびに積み上がるものを少しずつ残していけば、動くほど実りが増えます。

十二宮での天馬星

天馬星のある宮では、その分野のことが移動や変化とかかわります。

  • 命宮:じっとしていられず、外へ出ていくのが好き。上で話したとおりです。
  • 夫妻宮:パートナーが行動力のある人だったり、移動がきっかけで出会ったりしやすく、離れて暮らす時期があることもよくあります。
  • 財帛宮:お金は移動についてきます。外に出る、営業で回る、地域をまたぐ収入がとくに有利で、動くことで稼ぐタイプです。
  • 官禄宮:仕事では勤務地がよく変わり、出張も多く、外回り、海外赴任、あちこち動き回るポジションに向いています。
  • 遷移宮:生まれつき外に出るのに向いていて、故郷を離れたほうがかえって力を出せます。
  • 福徳宮:心もじっとしていられないので、旅行と新しい体験がいちばんの充電方法です。
  • 疾厄宮:ここで見るのはストレスの出方です。天馬星がここにある人は、動き続けるうちに疲れがたまりやすいので、予定を詰めたら休みの余白も忘れずに入れておきましょう。

天馬星と合わせて見る星

  • 禄存星・化禄:天馬星が禄存星と同宮するか、化禄と出会う形が、有名な禄馬交馳です。動くほど実りが増えます。巻三には「武曲、禄馬交馳すれば遠郡に財を発す」ともあり、武曲星(ぶきょくせい)が禄と馬に出会うと、昔の人は遠い地でお金を生む形と読みました。
  • 截空・旬空:天馬星が命宮か身宮で截空や旬空に入る形は、馬逢截空・馬逢旬空と呼ばれ、奔走は多く実りは少なくなります。動く前に、目的をはっきりさせておきましょう。旬空については小さな星の回で扱っています。
  • 火星:天馬星と火星(かせい)が同宮する形を、『全書』は戦馬と呼んでいます。動きが速く、激しくなります。
  • ほかの馬:『全書』は、天馬星のそばに誰がいるかによって、扶轝馬、雌雄馬、折足馬……とずらりとあだ名をつけています。原文と解説は格局大賞・下にあります。
  • 流年の天馬星:年ごとに流年について動く天馬星もあり、その年にどの宮が動きやすいかを見ます。流年を読むときに使います。

よくある質問

天馬星は何を表しますか?

天馬星は紫微斗数の駅馬で、奔走、変化、移動を表します。天馬星のある宮では、物事が移動や変化とかかわることが多く、動いてこそチャンスが生まれます。天馬星は六吉星にも六煞星にも属さず、良し悪しは誰と一緒にいるかで決まり、いちばん好むのは禄存星と出会うことです。

天馬星はなぜ寅申巳亥にしか入らないのですか?

天馬星は生まれ年の十二支だけで決まるからです。寅・午・戌の年は申、申・子・辰の年は寅、巳・酉・丑の年は亥、亥・卯・未の年は巳。ですから天馬星が入るのは寅・申・巳・亥の4つの宮だけで、昔の人はこの4つを四生、または四馬の地と呼びました。

禄馬交馳とはどういう意味ですか?

禄馬交馳は、天馬星が禄存星か化禄と出会う形です。『紫微斗数全書』は天馬星について「最も禄存に会うを喜ぶ」とし、「太微賦」も「禄馬は最も交馳を喜ぶ」と言っています。財の星と駅馬が出会うと、動くほど実りがあり、外に出ること、営業で回ること、地域をまたぐことがとくに有利になる、という意味です。

天馬星が命宮にある人は、どんな仕事に向いていますか?

営業、貿易、旅行、海外赴任、国や地域をまたぐポジションのように、移動が求められる仕事に向いています。天馬星が命宮にある人は同じ場所にとどまると息が詰まりやすく、環境を変えたほうが力を出せます。気をつけたいのは、ただ動き続けるだけにしないことです。移動のたびに、積み上がる人脈やスキルを残していきましょう。

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ここに書いたのは一般的な読み方です。あなた自身の命盤では、星の明るさ、三方四正、流年によって変わってきます。

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