紫微斗数の副星・六吉星
天鉞星とは?
天鉞星は夜の貴人。目立たないところでの、さりげない助けを表します。
貴人がみな舞台の上に立つわけではありません。こっそりメッセージを1通送ってくれたり、あなたのいない場でひとこと良く言ってくれたりするだけで、物事の向きが変わることがあります。天鉞星(てんえつせい)が表すのは、そういう控えめな助けです。天魁星(てんかいせい)と対になっていて、2つを合わせて「天乙貴人」と呼びます。一方は表、一方は裏です。自分の天鉞星がどの宮にあるかを見るには、まず命盤を作ってみてください。
天鉞星はどんな星か
天鉞星は六吉星(ろくきちせい)のひとつです。星格では「夜の貴人」と呼んでいます。控えめで、表に出ず、目立たない助けで、異性からの好感も少し帯びています。天魁星は陽の貴人、天鉞星は陰の貴人です。2つを合わせて見ると、あなたの貴人がどんな形で現れるかがわかります。
天鉞星の配置の出し方
天鉞星も天魁星と同じく生まれ年の十干で決まります。歌は『紫微斗数全書』巻二の「安天魁天鉞訣」にあり(「甲戊庚は牛羊、乙己は鼠猴の郷、六辛は虎馬に逢う」)、展開すると次のとおりです。
- 甲・戊・庚の年:天鉞星は未(天魁星は丑)。
- 乙・己の年:天鉞星は申(天魁星は子)。
- 辛の年:天鉞星は寅(天魁星は午)。
- 壬・癸の年:天鉞星は巳(天魁星は卯)。
- 丙・丁の年:天鉞星は酉(天魁星は亥)。
天鉞星が入るのは寅・巳・未・申・酉の5つの十二支だけで、天魁星と同じく辰と戌には決して入りません。同じ年に生まれた人の天鉞星はみな同じ十二支にあるので、それがどの宮になるかは、あなたの命宮がどこにあるかで決まります。
古書の言葉
『全書』巻一は天魁星と天鉞星をまとめて論じています。
魁鉞は斗中、科を司る星なり。命に入れば坐貴向貴、或いは左右の吉聚を得れば、富貴ならざる無し。
同じ段には、2つの星は「上界和合の神為り」とあり、大きな困難に出会ったときには「必ず貴人の成就扶助を得る」ともあります。「和合」という言葉が、ちょうど天鉞星の持ち味です。権威で上から押さえる助けではなく、人と物事を引き合わせるタイプの助けです。
天鉞星が命宮にある場合
天鉞星が命宮にあると、主星に「誰かが陰で気にかけてくれる」という層が加わります。紫微斗数ではこう読みます。
- 人当たりがやわらかいです。 いちばん目立つ人ではなくても、つい手を貸したくなる雰囲気があります。
- チャンスは表に出ないところから来ます。 社内推薦、友人の紹介、個別に届くお誘いのほうが、公募より役に立つことが多いです。
- 異性からの好感を少し帯びています。 異性と自然に付き合えて、異性から助けてもらうことも比較的多いです。
気をつけたいのは、表に出ない助けは表に出ない義理でもある、ということです。受けた恩は、忘れずに返しておきましょう。
十二宮での天鉞星
- 夫妻宮:パートナーとの関係がおだやかだったり、友人の紹介から縁が始まったりしやすいです。巻二の夫妻宮の段には「天魁天鉞は多く夫婦の美麗を主る」とあります。
- 官禄宮:仕事で後ろから背中を押してくれる人がいて、社内異動や表に出ない推薦のチャンスが多いです。
- 財帛宮:お金が人のつながり、紹介、表に出ない協力とかかわりやすいです。巻二の「財帛」には、天魁星と天鉞星は「清高の中に財を生ず」とあります。
- 遷移宮:外で面倒を見てくれる人に出会いやすく、知らない環境でもあまり孤独になりません。
- 奴僕宮(交友宮とも):友人の輪の中に黙って味方してくれる人がいて、大事な場面で表に立ってくれます。
- 福徳宮:心に安心感があり、世の中はそれほど冷たくないと感じられます。
天鉞星の四化
天鉞星は化禄・化権・化科・化忌のどれにもなりません。天魁星と同じく、化科と合わせて見ることがよくあります。天鉞星と化科が同宮するか同じ宮を照らすと、表に出ない良い評判が、表立った評価に変わりやすくなります。化科の意味は化権・化科の回で扱っています。
流派によっては、天魁星と天鉞星を昼夜で分けて読みます。昼に生まれた人は天魁星の働きが、夜に生まれた人は天鉞星の働きが目立つ、という考え方です。『全書』にはこの区別がなく、星格の読み方でも分けずに2つを一緒に見ます。
天鉞星のよくある組み合わせ
- 坐貴向貴:天魁星と天鉞星の一方が命宮に、もう一方が対宮にある形です。甲・戊・庚の年に生まれ、命宮が丑か未にある人だけに起こります。
- 魁鉞夾:天魁星と天鉞星がある宮を両側からはさむ形です。丙・丁・壬・癸の年にだけ起こり、はさまれるのは戌か辰の宮です。
- 天鉞星と左輔星・右弼星、文昌星・文曲星:六吉星がそろうほど、助けは完全な形になります。
全体の読み方は六吉星の回に、夾宮の見方は夾宮の回にまとめています。
よくある質問
天鉞星は何を表しますか?
天鉞星は紫微斗数の六吉星のひとつで、昔は天乙貴人と呼ばれました。控えめで表に出ない助けを表し、異性からの好感も少し帯びています。天鉞星のある宮では、その分野で後ろから背中を押してくれる人が現れやすくなります。
天鉞星と天魁星の違いは何ですか?
天魁星は陽の貴人で、表立った、年長で立場のある人からの引き立てに寄っています。天鉞星は陰の貴人で、控えめで表に出ない、人のつながりによる助けに寄っています。どちらも生まれ年の十干で配置が決まり、よく一緒に見ます。
天鉞星が夫妻宮にあるとどう読みますか?
紫微斗数では、パートナーとの関係がおだやかで、友人や知人の紹介から縁が始まりやすい、と読むのが一般的です。古書は天魁星と天鉞星が夫妻宮にあるとパートナーが際立つとしていて、現代の読み方では2人がお互いを気づかい合えるかどうかに目を向けます。
天鉞星は化科しますか?
しません。天鉞星は化禄・化権・化科・化忌のどれにもなりません。ただ、もともと試験や名声の色合いを持つ星なので、化科と同宮するか同じ宮を照らすと、表に出ない良い評判が表立った評価に変わりやすくなります。
ほかの六吉星
ここに書いたのは一般的な読み方です。あなた自身の命盤では、星の明るさ、三方四正、流年によって変わってきます。
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