紫微斗数の副星・六煞星
地劫星とは?
地劫星は常道を行かない星。骨折り損になりやすい一方、新しい道を切り開くこともあります。
地劫星(ちごうせい)の名前には「劫」、つまり奪うという字が入っていて、何かを持っていかれそうに聞こえます。古書もたしかにこの星を目減りとして読みました。力を注いだのに、思わぬことで一部を持っていかれる、ということです。けれども地劫星にはもうひとつの面があります。人と違う道を歩ませることが多いのです。もとの道を奪われたからこそ、新しい歩き方が生まれる。地劫星を読むときは、まず目減りの分の余白を取っておき、それからこの星があなたをどこへ押し出そうとしているかを見ます。自分の地劫星がどの宮にあるかを知るには、まず命盤を作ってみてください。
地劫星はどんな星か
地劫星は六煞星(ろくさつせい)に属し、星格ではその持ち味を「劫耗の星」としています。思わぬ目減り、骨折り損、そして型にはまらない道です。かみくだいて言えば、地劫星は型にはまらない星で、骨折り損もしやすい一方、新しい道を切り開くこともよくあります。
地劫星の配置:亥の宮を子の刻として順に数える
地劫星と地空星(ちくうせい)は対になる星で、位置は生まれた時辰だけで決まります。『紫微斗数全書』巻二の「天空地劫訣」は「亥の上より子を起こし、順に劫を安ず。逆に向かえば便ち是れ天空の郷なり」と述べ、例も挙げています。
如し子の時の生まれならば、劫空倶に亥の宮に在り。若し丑の時の生まれならば、劫は順に子の宮に在り、空は逆に戌の宮に在り。若し午の時の生まれならば、劫空倶に巳の上に之を安ず。
亥の宮を子の刻として、生まれた時辰まで順に数えたところが地劫星の位置で、逆に数えたところが地空星です。子の刻生まれなら2つとも亥に、午の刻生まれなら2つとも巳に入り、それ以外の時辰では片方は順、片方は逆に分かれます。ですから同じ時辰に生まれた人の地劫星は、みな同じ十二支に入ります。地劫星にも地空星にも、廟・旺・利・陥のような輝度はありません。
『全書』が「天空」と書いているのが今の地空星で、古書は2つを合わせて「天空地劫」と呼びます。
古書の言葉と、今の読み方
『全書』巻二には、地劫星と天空が一緒に大限や流年に入る場合の歌があり、こう始まります。
極、卯酉に居りて劫空臨めば、僧と為り道と為りて福興隆す。
「極」は紫微星のことです。紫微星(しびせい)が卯か酉の宮にあり、さらに地劫星と地空星に出会うと、昔の人はそれを世俗を離れた道に向き、しかもその道でうまくいく形と読みました。巻三にも似た言葉があり、紫微星が卯酉にあって地劫星・地空星や四煞が多いと、世俗にとらわれない人になる、とされています。
今の暮らしに置き換えると、この句の要点は出家ではなく、「世間の決まった道を歩かないほうが、かえってうまくいく」ということです。地劫星の強い人は、誰もが歩く道を無理に進もうとすると、あちこちで持っていかれる感覚を味わいがちです。自分の道に切り替えると、かえって楽になります。
地劫星が命宮にある場合
地劫星が命宮にある人は、「計画が変化に追いつかない」経験をよくします。途中で中断される、貯めている途中で思わぬ出費が出る、決めていた道が急に曲がる。長く続くうちに、とても臨機応変になる人もいれば、疲れを感じる人もいます。
この性格にも良いところがあります。一からやり直すのを恐れず、ルールや常識にまず「本当にこうでなきゃいけないの?」と問いかけ、誰も思いつかないところに抜け道を見つけることがよくあります。フリーランス、起業、マイナーなテーマの研究、分野をまたぐ仕事では、地劫星の人は人より自然体でいられます。
地劫星が命宮にある人へのアドバイスはひとつです。暮らしの中に「想定外の予算」を取っておくこと。時間にもお金にも、です。目減りを先に見込んでおけば、起きても慌てません。起きなければ、それはそのまま余りになります。
十二宮での地劫星
地劫星のある宮では、その分野のことが中断されたり、思わぬ目減りがあったりしやすく、そのぶん人と違うやり方も生まれやすくなります。
- 命宮:型にはまらず、計画が曲がることが多い。上で話したとおりです。
- 夫妻宮:恋の展開が台本どおりに進まないことが多く、付き合い方もあまり型にはまりません。人の基準に合わせるより、2人だけのルールを決めるほうがうまくいきます。
- 財帛宮:思わぬ出費が出やすいので、先に貯めてから使い、予備のお金は簡単に手をつけられない場所に置いておくのが合っています。
- 官禄宮:仕事では途中で方向が変わったり、一からやり直したりすることがよくあり、柔軟で自分でルールを決められるポジションに向いています。
- 遷移宮:外のことは急に変わりやすいので、代わりの案をひとつ多めに用意しておきましょう。
- 福徳宮:「骨折り損だった」と感じることがよくあるので、過程そのものの価値に目を向ける練習が役に立ちます。
- 疾厄宮:ここで見るのはストレスの出方です。地劫星がここにある人は、突然リズムを乱されることがストレスの元になりやすいので、回復の時間を自分のために取っておきましょう。
地劫星を読むときは、同宮する主星と三方四正(さんぽうしせい)を見ます。主星が安定していて吉星もあれば、目減りは小さくなります。煞星が多ければ、備えがいっそう必要です。読む順番は六煞星の回にまとめています。
地劫星と合わせて見る星
- 地空星:片方は順、片方は逆で、子の刻と午の刻では同宮します。2つがある宮を両側からはさむ形は空劫夾と呼ばれ、その宮のことは両方向から空振りしやすくなります。見方は夾宮の回で扱っています。
- 禄存星・化禄:禄存星(ろくぞんせい)や化禄が地空星・地劫星と出会う形は禄逢空劫と呼ばれ、恵みは速く来て、速く去っていきます。
- 天府星:天府星は財の倉庫の星で、地空星・地劫星と出会う形を後世は空庫と呼びました。
- 紫微星:紫微星が卯酉で地劫星・地空星と出会う形が、上の古書の句が語る世俗を離れた道です。
昔の人が、運が地劫星・地空星にさしかかる時期をどう見たかについては、全書に登場する古人・下でいくつかの例をまとめています。
よくある質問
地劫星は何を表しますか?
地劫星は六煞星のひとつで、持ち味は劫耗、つまり思わぬ目減りや骨折り損です。同時に、型にはまらない道も表していて、もとの道が途切れたことで新しいやり方が生まれることがよくあります。地劫星を読むときのポイントは、想定外のための余白を取っておき、それからこの星があなたをどの方向へ押し出しているかを見ることです。
地劫星と地空星の違いは何ですか?
どちらも生まれた時辰だけで決まり、亥の宮を子の刻として、順に数えると地劫星、逆に数えると地空星になります。子の刻と午の刻では同宮します。地空星は考えが空振りしやすく、現実離れしがちな方向に寄り、地劫星は実際の目減りや中断に寄っています。2つはよく一緒に読まれ、合わせて空劫と呼ばれます。
地劫星が命宮にあると、お金がずっと出ていきますか?
ずっと、ではありません。ただ、思わぬ出費や計画の乱れは起きやすくなります。地劫星が命宮にある人は、時間にもお金にも想定外の予算を先に取っておけば、変化があっても落ち着いて対応できます。地劫星が命宮にある人の多くは、むしろ臨機応変で、一からやり直すのを恐れません。
紫微星が地劫星・地空星と出会うのは良いことですか?
『全書』は、紫微星が卯か酉にあって地劫星・地空星と出会うと「僧と為り道と為りて福興隆す」としていて、昔の人はそれを世俗を離れ、世間の物差しに従わない道に向く形と読みました。今の暮らしに置き換えると、誰もが歩く道を歩かないほうがかえってうまくいく、ということに近く、研究、創作、フリーランスの仕事などがよく合います。
ほかの六煞星
ここに書いたのは一般的な読み方です。あなた自身の命盤では、星の明るさ、三方四正、流年によって変わってきます。
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