身宮とは?
目次
身宮(しんきゅう)とは、紫微斗数の命盤で「生きるほどに力を注いでいく場所」を表す位置のことで、13番目の宮ではなく、12の宮のどれかひとつに貼られるラベルです。命盤の命宮が生まれつきの最初の反応を表すのに対して、身宮は一生をかけて何度も力を注ぎに戻ってくるテーマを表します。命盤を作ると、「身」の字がついたマスが身宮です。無料で命盤を作ればすぐに確かめられます。
まず要点:
- 公式:身宮=生まれ月のマスを子の刻として、時計回りに生まれた時辰まで数えたマス。命宮は同じ出発点から反時計回りに数えます。
- 時辰だけで決まる:身宮がどの宮に入るかは時辰だけで決まり、生まれ月には関係しません。
- 位置は6つだけ:命宮・福徳宮・官禄宮・遷移宮・財帛宮・夫妻宮。子の刻と午の刻の生まれは命身同宮です。
- 読み方:命宮は生まれつきの下地、身宮は後天的に力を注いでいく方向。2つのマスの主星を並べて比べます。
身宮の出し方
身宮と命宮は同じ出発点を使い、向きだけが逆です。『紫微斗数全書』巻二の「安身命例」にはこうあります。
おおよそ人の命は、寅から正月を起こして生まれ月まで順に数え、さらに生まれ月から子の刻を起こして生まれた時刻まで逆に数えて命宮を置き、順に数えて身宮を置く。
やさしく言うと、寅のマスを1月として、時計回りに旧暦の生まれ月まで数えます。そのマスを子の刻として、反時計回りに生まれた時辰まで数えたところが命宮、時計回りに数えたところが身宮です。
片方は反時計回り、片方は時計回りなので、命宮と身宮の距離は時辰だけで決まり、生まれ月には関係しません。実際に数えてみましょう。旧暦4月、酉の刻生まれの場合、寅から4月まで数えると巳です。巳を子の刻として反時計回りに酉の刻まで数えると申で止まるので、命宮は申の宮です。時計回りに酉の刻まで数えると寅で止まるので、身宮は寅の宮です。申の命宮から宮の名前を数えると寅はちょうど遷移宮で、下の表の「酉の刻は遷移宮」と一致します。
| 手順 | 向き | 4月・酉の刻の結果 |
|---|---|---|
| 寅を1月として生まれ月まで | 時計回り | 巳で止まる |
| 生まれ月から子の刻を起こして時辰まで | 反時計回り | 申、命宮 |
| 生まれ月から子の刻を起こして時辰まで | 時計回り | 寅、身宮 |
時辰と身宮の対照表
12の時辰は2つずつ組になるので、身宮が入る場所は6つしかなく、時辰と一対一で対応しています。
| 生まれた時辰 | 時刻 | 身宮が入る宮 | 命宮からの距離 |
|---|---|---|---|
| 子の刻・午の刻 | 23〜1時、11〜13時 | 命宮(命身同宮) | 同じマス |
| 丑の刻・未の刻 | 1〜3時、13〜15時 | 福徳宮 | 時計回りに2マス |
| 寅の刻・申の刻 | 3〜5時、15〜17時 | 官禄宮 | 時計回りに4マス |
| 卯の刻・酉の刻 | 5〜7時、17〜19時 | 遷移宮 | 真向かい |
| 辰の刻・戌の刻 | 7〜9時、19〜21時 | 財帛宮 | 反時計回りに4マス |
| 巳の刻・亥の刻 | 9〜11時、21〜23時 | 夫妻宮 | 反時計回りに2マス |
「命宮からの距離」は、命宮から十二支を数えたものです。表からわかることがあります。身宮が入る6つの宮は、命宮そのもの、命宮の三方四正(遷移宮・財帛宮・官禄宮)、それに福徳宮と夫妻宮です。昔の人が命盤で重く見たマスに、身宮はかならず入っています。時辰の境目や夜子時の扱いは時辰のページを見てください。
この対応表は便利です。生まれた時辰がはっきりしない人は、逆に「自分がいちばん力を注いできたのは何か」を考えて、どの時辰が近いかを見比べることもできます。命宮と身宮の関係は、命宮と身宮の講座に例をたくさん挙げています。
身宮が各宮に入ったときの読み方
紫微斗数でよく見られる読み方は次のとおりです。どれも傾向で、決まりではありません。
| 身宮の位置 | よくある傾向 | 読むときに見るところ |
|---|---|---|
| 命宮 | 考えと行動が一致 | 命宮の主星そのもの |
| 福徳宮 | 心の満足を大切に | 趣味、心の生活 |
| 官禄宮 | 仕事が自分らしさ | 働き方、手ごたえ |
| 遷移宮 | 環境を変えて育つ | 外出、人前の場 |
| 財帛宮 | お金と資源に敏感 | 稼ぎ方、使い方 |
| 夫妻宮 | 関係の影響が深い | パートナー、協力相手 |
- 命身同宮:考えることとやることがよく一致し、個性がはっきりしていて、ずっと自分らしく歩んでいきます。ただ、ちがう角度から物事を見ることは少なめです。
- 身宮が福徳宮:年を重ねるほど、心が満たされているかを大切にします。収入が安定すると、趣味や心の生活に時間をかけることが多くなります。
- 身宮が官禄宮:仕事の成果と自分らしさが結びついています。この人にとって転職は、別の自分になることです。
- 身宮が遷移宮:環境を変えること、広い世界を見ることが栄養になります。同じ場所に長くいると息がつまります。
- 身宮が財帛宮:お金や資源の使い方に敏感で、お金の計算をはっきりさせておきたいタイプです。
- 身宮が夫妻宮:親しい関係からの影響が大きく、関係を育てることにも熱心です。パートナーのひとことで決断が変わることもよくあります。
読むときは、身宮のマスにある主星と、命宮の主星を並べて比べてみてください。2つの星の性格が近ければ、その人は前半と後半で比較的一貫しています。大きくちがえば、ある時期にはっきり方向が変わることがよくあります。
実際に読んでみる
旧暦3月、寅の刻生まれとします。寅から3月まで数えると辰です。辰を子の刻として反時計回りに寅の刻まで数えると寅なので、命宮は寅の宮。時計回りに数えると午なので、身宮は午の宮、つまり官禄宮です。さらにこの命盤で紫微星が寅にあるとします。
- 命宮は寅、紫微星と天府星:生まれつき落ち着いていて自分の考えがあり、場を支えることに慣れています。
- 身宮は午の官禄宮、廉貞星と天相星:年を重ねるほど仕事に力を注ぎ、仕組みやけじめ、自分なりの仕事の作法を大切にします。
2つのマスの星はどちらも落ち着いて責任感が強いので、この人は前後でかなり一貫しています。若いころから頼れる人で、年を重ねるほど「物事をきちんとやる」ことが自分らしさになっていきます。もし命宮が活発で変化の多い星で、身宮が同じく廉貞星と天相星なら、「若いころはいろいろ試し、のちに仕事で落ち着く」という読み方になります。
身宮で時辰を確かめる
生まれた時刻がちょうど2つの時辰の境目で、どちらかはっきりしない人には、身宮がよい手がかりになります。となり合う2つの時辰では、命宮がひとマスずれ、身宮は反対向きにひとマスずれるので、身宮が入る宮の名前はかならず変わります。たとえば旧暦1月の午前11時前後に生まれた人は、巳の刻かもしれないし、午の刻かもしれません。
| 候補の時辰 | 命宮 | 身宮 | 自分に聞いてみること |
|---|---|---|---|
| 巳の刻 | 酉 | 未、夫妻宮 | 人生がパートナー中心に回る? |
| 午の刻 | 申 | 申、命身同宮 | ずっと自分らしい? |
2つの命盤を作って、命宮の主星と身宮の読み方を自分の経験と照らし合わせると、たいていどちらかがはっきり近く感じられます。これはあくまで補助で、いちばん確かなのは出生証明や家族の記録です。時辰の境目のくわしい扱いは時辰を見てください。
身宮・命宮・身主のちがい
名前は似ていますが、3つは別のものです。
| 命宮 | 身宮 | 身主 | |
|---|---|---|---|
| 何か | 命盤の1マス | あるマスに貼るラベル | 1つの星 |
| 出し方 | 生まれ月+時辰、逆に数える | 生まれ月+時辰、順に数える | 生年の十二支の表 |
| 見ること | 生まれつきの下地 | 後天的に力を注ぐ方向 | 後天を代表する星 |
| 入る場所 | 12マスのどれでも | 6つの宮だけ | 位置ではない |
身主は、生まれ年の十二支で決まる1つの星です。身宮は命盤の1つのマスです。片方は星、片方は部屋で、名前が似ているだけです。「談星要論」の「次に身主を見る」は、その星のことで、身宮のことではありません。
古書の記述と今の読み方
「太微賦」は冒頭で身宮と命宮を並べています。
おおよそ身宮と命宮を福徳の本とし、さらに根源を加えて、行き詰まるか通じるかの資とする。
巻三にも、2つを並べて比べる一句があります。身宮と命宮がどちらも吉なら、富と名声の両方がそろう、という内容です。昔の人は命宮だけを見ることはせず、身宮もかならずいっしょに見ていました。
「身宮は中年以降にはっきりしてくる」と言う先生は多いですが、これは『全書』の原文ではなく、後の人の経験にもとづく言い方です。わかりやすく言えば、若いうちは生まれつきの反応のままに過ごすことが多く、選択を重ねるうちに、その選択が少しずつ身宮のマスへと押し出していく、ということです。だから20歳で身宮を読んでもぴんとこなくても、40歳でふり返ると、よく似ていると感じることがよくあります。
身宮のマスが空宮なら、いつもどおり対宮の主星を借りて読み、そのマスの三方四正もいっしょに見ます。
よくある質問
身宮はどうやって出しますか?
寅のマスを1月として、時計回りに旧暦の生まれ月まで数えます。そのマスを子の刻として、時計回りに生まれた時辰まで数えて止まったマスが身宮です。命宮は同じ出発点から反時計回りに数えます。対照表で引くなら、子と午の刻は命宮、丑と未は福徳宮、寅と申は官禄宮、卯と酉は遷移宮、辰と戌は財帛宮、巳と亥は夫妻宮です。
身宮と命宮は何がちがいますか?
命宮は生まれつきの性格と最初の反応を、身宮は後天的にますます力を注いでいく方向を表します。2つは同じ出発点から求め、片方は反時計回り、片方は時計回りに生まれた時辰まで数えるので、2つの距離は時辰だけで決まります。
身宮はなぜ6つの宮にしか入らないのですか?
身宮と命宮の距離は時辰だけで決まり、12の時辰が2つずつ組になって、命宮・福徳宮・官禄宮・遷移宮・財帛宮・夫妻宮の6つに対応するからです。子の刻と午の刻に生まれた人は、身宮と命宮が同じマスになり、これを命身同宮と呼びます。
命身同宮とはどういう意味ですか?
子の刻か午の刻に生まれた人は、命宮と身宮が同じマスに入ります。紫微斗数では、考えることとやることがよく一致し、個性がはっきりしていて、ずっと自分らしく歩んでいく人と読むことが多いです。気をつけたいのは、ちがう角度から物事を見ることが少なめな点です。
身宮が官禄宮にあるとどういう意味ですか?
寅の刻か申の刻に生まれた人は、身宮が官禄宮に入ります。よくある読み方は、仕事の成果と自分らしさが結びついていて、転職が別の自分になるように感じられる、というものです。官禄宮の主星と命宮の主星を並べて、一致しているか、ずれているかを見てください。
身宮と身主は同じものですか?
ちがいます。身宮は命盤の1つのマスで、生まれ月と時辰から求めます。身主は1つの星で、生まれ年の十二支から表で引きます。名前は似ていますが、片方は部屋、片方は星です。
身宮は中年以降にしか当たらないのですか?
「中年以降にはっきりする」というのは後の人の経験にもとづく言い方で、『全書』の原文ではありません。身宮は後天の選択が少しずつ積み重なる方向を表すので、若いうちは実感が薄く、ふり返るとよく似ている、と考えるのがよいでしょう。昔の人は年齢に関係なく、命宮と身宮をいっしょに見ていました。
ほかの基本用語
ここに書いたのは一般的な読み方です。あなた自身の命盤では、星の明るさ、三方四正、流年によって変わってきます。
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