太陰星の性情

〈太陰星性情〉

『紫微斗数全書』巻二・安星起例と十二宮・原文と現代語訳

はじめに

太陰星は水に属し、南斗と北斗の両方に属し、化気は富で、母宿であり、妻星でもあり、田宅の主です。全書は、太陰星が坐命する人は顔が四角く丸みがあり、気性は温和で、清らかで実直で聡明、「花酒文章」を好み、博学で功名を立てられると言います。

この篇の流れは次のとおりです。

  • 身宮と陥地(第3〜4段):太陰星が身宮にあれば、母に従って再嫁先に行くか、他家の養子になります。陥地なら化科・化権・化禄があってもかえって凶と論じ、故郷を離れて外に出てはじめて吉です。さらに羊陀火鈴に遇えば、原文ははっきり「酒色邪淫,下賤夭折」と言います。
  • 年干(第5〜6段):六壬・戊年生まれが亥卯未に命宮を立てるのを最も喜び、乙・庚・戊年生まれが亥の宮にあれば上格です。
  • 女命(第7段):太陽星に会って入廟すれば夫人に封じられ、陥地なら夫を傷つけ子を剋し、妾や妓女の類だとします。
  • 宮ごと(第8〜11段)と三組の吉凶訣。

この篇が宮ごとに書く輝度は、巻二の廟旺表と何か所か違います。表では寅の宮は旺、午・未は不得地、酉・戌は旺ですが、ここでは入廟・陥・利益と書いています。星格の輝度は表に従っています。「丁庚甲入生人」の「入」は「人」とすべきです。

1太陰水,南北斗化富,為母宿,又為妻星,為田宅主。

書き下し太陰は水、南北斗、化して富、母宿たり、又妻星たり、田宅の主たり。

現代語訳太陰星は五行で水に属し、南斗と北斗の両方に属し、化気は富で、母の星であり、妻の星でもあり、田宅の主です。

母宿
母を表す星。
妻星
妻を表す星。
解説

太陰星には四つの身分があります。化気の「富」、母宿、妻星、田宅の主です。富は太陽星の貴と対になり、片方は財を、片方は名をつかさどります。母宿・妻星であるのは、男命で母と妻を見るときに太陰星を参考にするということで、田宅の主であるのは、不動産と家業を受け持つということです。

〈太陰星の主るところは〉は太陰星が「與日為配」と言い、さらに「以卯辰巳午未為陷地,以酉戌亥子丑為得垣」と言います(太陰星の主るところは)。太陰星の廟陥は太陽星と逆で、太陽星は昼の宮を、太陰星は夜の宮を喜びます。

✎ メモ

2太陰居命面方圓,心性溫和,清秀耿直聰明,花酒文章,博學橫立功名。

書き下し太陰命に居れば面方円、心性温和、清秀耿直聡明、花酒文章、博学にして横に功名を立つ。

現代語訳太陰星が坐命する人は、顔が四角く丸みがあり、気性は温和で、清らかで実直、聡明です。花と酒と詩文を好み、博学で、型にはまらない道で功名を立てます。

解説

太陰星坐命の性情は、顔が四角く丸みがあり、温和で、清らかで実直、聡明です。「花酒文章」は少し立ち止まって見たい言葉で、太陰星の人には風雅な面があり、詩や酒、文芸を好む、ということです。「博學橫立功名」の「橫」には常の道によらないという意味があり、才と学で別の道を切り開くことを言います。

今、太陰星を細やかで内に秘め、感じ方を大事にする星と読むのは、全書のこの段の描写と同じ方向です。星格の盤では、太陰星の輝度の小さな字を見てください。亥・子・丑は廟、卯・辰・巳は陥で、違いはとても大きいです。

✎ メモ

3身若逢之則隨娘繼拜,陷地化吉科權祿,反以凶論,出外離祖則吉。

書き下し身若しこれに逢えば娘に随いて継拝す。陥地にて吉の科権禄に化すれば、反って凶を以て論じ、外に出でて祖を離るればすなわち吉。

現代語訳太陰星が身宮にあれば、母に従って再嫁先に行くか、他家の養子になります。陥地にあれば、化科・化権・化禄があってもかえって凶として論じ、祖先の家業を離れて外に出れば吉です。

隨娘繼拜
母に従って再嫁先に行くこと、あるいは他家の養子になって人を親として拝すること。
解説

前半は、太陰星が身宮にあれば「隨娘繼拜」をつかさどると言います。母について再嫁先に行く、あるいは養子に出たり他人を親として拝したりすることです。太陰星は母宿なので、身宮にあると母とのつながりがとりわけ深いと読まれました。〈太陰星の主るところは〉も「身若居之,則有隨娘繼拜,或離祖過房」と言います(太陰星の主るところは)。

後半は、陥地なら化科・化権・化禄があってもかえって凶と論じ、故郷を離れて外に出てはじめて吉だと言います。〈太陽星の性情〉の「陷地雖化權祿也凶」(太陽星の性情)と同じ原則で、日月が輝きを失えば、化吉でも救えません。

✎ メモ

4更遇羊陀火鈴,酒色邪淫,下賤夭折。

書き下し更に羊陀火鈴に遇えば、酒色邪淫、下賤夭折。

現代語訳(落陥して)さらに擎羊星・陀羅星・火星・鈴星に遇えば、酒色におぼれ、邪淫で、卑しく、若死にします。

解説

条件は、太陰星が落陥し、さらに四煞に遇うことです。断定は原文どおりで、酒色におぼれ、邪淫で、卑しく、若死にすると言います。全書が太陰星に下す最も重い断定で、条件は陥地と四煞の二つで、どちらが欠けても成り立ちません。

太陰星が落陥するのは卯・辰・巳の三宮です(午・未は不得地)。〈太陰星の主るところは〉は「身命若見惡殺交沖,必作傷殘之論。除非僧道,反獲禎祥」と言い(太陰星の主るところは)、口ぶりはやや軽めです。今の盤で、陥地の太陰星に煞星が見えるときによく表れるのは、気持ちの不調、昼夜の逆転、恋愛や物に慰めを求めること、といった形です。

✎ メモ

5最喜六壬戊生人,在亥卯未宮立命合局,乙庚戊生人居亥宮立命上格,

書き下し最も六壬戊の生人を喜び、亥卯未の宮に在りて命を立つれば合局、乙庚戊の生人亥の宮に居りて命を立つれば上格、

現代語訳六壬・戊年生まれが亥・卯・未の宮に命宮を立てるのを最も喜び、格に合います。乙・庚・戊年生まれが亥の宮に命宮を立てれば、上等の格局です。

解説

前半は、壬・戊年生まれが亥卯未に命宮を立てれば格に合うと言います。壬年は禄存星が亥にあり、天梁星化禄が三合に入ります。戊年は太陰星化権です。後半は、乙・庚・戊年生まれが亥の宮に命宮を立てれば上格だと言い、亥の宮の太陰星は入廟で、月朗天門にあたります。庚年は太陰星化科、戊年は太陰星化権です。

乙年は太陰星化忌が坐命するのに上格に入っていて、矛盾して見えます。答えは〈四化の性情〉にあり、「太陰在酉戌亥子化忌為福論」と言います(四化の性情)。亥の太陰星の化忌は凶と論じず、さらに乙年は天機星化禄が対宮にあり、禄存星が卯にあって三合に入るので、やはり上格なのです。

✎ メモ

6六丁生人次之,六乙生人合格,六丁六戊生人,化科權祿吉。

書き下し六丁の生人これに次ぎ、六乙の生人は合格、六丁六戊の生人は科権禄に化して吉。

現代語訳六丁年生まれはそれに次ぎ、六乙年生まれは格に合います。六丁・六戊年生まれは、化科・化権・化禄があって吉です。

解説

前の段を受けて、六丁はそれに次ぎ、六乙は格に合い、丁・戊は科権禄に化して吉だと言います。丁年は太陰星化禄、戊年は太陰星化権で、四化がそのまま太陰星に付くので吉です。

この段は宮を示していないので、命盤との照合が示すのは太陰星の坐命と年干の一致だけです。前後の文脈からすると、原文が言っているのは亥卯未か亥の宮の太陰星でしょう。太陰星が落陥していれば、第3段に従い、化吉はかえって凶と論じます。

✎ メモ

7女命會太陽入廟,封贈夫人,若陷地傷夫剋子,妾妓之流。

書き下し女命太陽に会いて入廟すれば、夫人に封贈せらる。若し陥地なれば夫を傷つけ子を剋し、妾妓の流。

現代語訳女命の太陰星が太陽星に会い、しかも入廟していれば、夫人として封贈を受けます。もし落陥していれば、夫を傷つけ子を剋し、妾や妓女の類です。

解説

女命の太陰星は二通りに分かれます。太陽星に会ってしかも入廟なら夫人に封じられ、落陥なら夫を傷つけ子を剋し、妾や妓女の類で、これは原文どおりに訳しています。太陰星は女命では本人で、太陽星はよく夫星と読まれるので、「會太陽」は女命にとってよいことです。

日月の位置には決まった関係があります。太陰星が卯・酉・辰・戌にあれば太陽星は三方四正の中にあり、太陰星が亥にあるときも太陽星は三合にあります。ですから「會太陽入廟」の最も典型的な形は、亥の宮の月朗天門です。陥地の断定は昔の貞節観のもとでの判断で、今は恋愛や結婚で苦労が多めになる、と読めば足ります。

✎ メモ

8子丑寅宮入廟,丁戊生人財官格。

書き下し子丑寅の宮は入廟、丁戊の生人は財官格。

現代語訳太陰星は子・丑・寅の宮で入廟し、丁・戊年生まれは財官格です。

星格のやり方ここでは寅の宮の太陰星を入廟としていますが、巻二の廟旺表では寅の宮の太陰星は旺です。星格の輝度は表に従っています。

解説

子・丑・寅の三宮の太陰星は、子の宮では天同星と、丑の宮では太陽星と、寅の宮では天機星と同宮します。丁年は太陰星化禄、戊年は太陰星化権なので財官格です。子の宮の太陰星は水澄桂萼と呼ばれ、〈諸星同垣:太陰星〉は「太陰居子丙丁富貴忠良」と言います(諸星同垣:太陰星)。

寅の宮の輝度については、上の「星格のやり方」で触れたとおり、表では旺で廟ではありません。〈諸星同垣:太陰星〉も「旺寅酉戌」と書いていて、廟旺表と一致しています。

✎ メモ

9卯辰巳宮陷地,乙壬戊生人孤寡不耐久。

書き下し卯辰巳の宮は陥地、乙壬戊の生人は孤寡にして久しきに耐えず。

現代語訳太陰星は卯・辰・巳の宮では陥地で、乙・壬・戊年生まれは孤独で、長続きしません。

解説

卯・辰・巳の三宮の太陰星は落陥し、乙・壬・戊年生まれは孤独で長続きしないと言います。乙年は陥地の太陰星化忌で、まさに〈四化の性情〉の言う「若日月陷地化忌,主大凶」の形です。戊年は陥地の太陰星化権で、第3段の「陷地化吉科權祿,反以凶論」に当たります。

第5段と比べるとはっきりします。同じ乙年の太陰星化忌、戊年の太陰星化権でも、亥の宮なら上格、卯・辰・巳なら孤独です。全書が太陰星の化を見るとき、廟陥が前提の条件なのです。

✎ メモ

10午宮陷未申宮利益,丁庚甲入生人財官格。

書き下し午の宮は陥、未申の宮は利益、丁庚甲入の生人は財官格。

現代語訳太陰星は午の宮で落陥し、未・申の宮で利益で、丁・庚・甲年生まれは財官格です。

校勘 底本の「丁庚甲入生人」の「入」は「人」とすべきです。

星格のやり方ここでは午の宮を陥、未の宮を利益としていますが、巻二の廟旺表では午・未の宮の太陰星はどちらも不得地で、申の宮が利益です。星格の輝度は表に従っています。

解説

午の宮の太陰星は天同星と、未の宮では太陽星と、申の宮では天機星と同宮します。丁年は太陰星化禄、庚年は太陰星化科なので財官格です。甲年の根拠はあまりはっきりしません。

輝度の点では、ここは午を陥、未・申を利益としていますが、上の「星格のやり方」で触れたとおり、表では午・未はどちらも不得地です。〈太陰星の主るところは〉は「卯辰巳午未」をすべて陥地としていて(太陰星の主るところは)、全書の三か所の言い分がそろっていません。星格は表に従っています。

✎ メモ

11酉戌亥宮入廟,丙丁生人財官格,吉星眾大貴。

書き下し酉戌亥の宮は入廟、丙丁の生人は財官格、吉星衆ければ大貴。

現代語訳太陰星は酉・戌・亥の宮で入廟し、丙・丁年生まれは財官格で、吉星が多ければ大貴です。

星格のやり方ここでは酉・戌・亥の三宮を入廟としていますが、巻二の廟旺表では亥の宮が廟、酉・戌は旺です。星格の輝度は表に従っています。

解説

酉・戌・亥の三宮の太陰星は夜の位置にあり、酉・戌は旺、亥は廟です。丙年は天同星化禄で、太陰星が酉にあれば天同星は対宮にあります。丁年は太陰星化禄がそのまま坐命するので財官格で、吉星が多ければ大貴です。

戌の宮の太陰星と辰の宮の太陽星の組み合わせは「日辰月戌並爭耀」で(諸星同垣:太陰星)、日月がそれぞれ所を得て、太陰星の最も理想的な格局の一つです。

✎ メモ

太陰入男命吉凶訣:

13太陰原是水之精,身命逢之福自生,酉戌亥垣為得地,光輝揚顯姓名亨。

書き下し太陰は原是れ水の精、身命これに逢えば福自ずから生ず。酉戌亥の垣を得地と為し、光輝揚顕して姓名亨る。

現代語訳太陰星はもともと水の精で、身宮・命宮がこれに逢えば、福はおのずと生まれます。酉・戌・亥の宮を得地とし、光が輝き広まって、名がよく通ります。

解説

男命の太陰星が身命にあれば福はおのずと生まれ、酉・戌・亥を得地とし、光が輝き広まると言います。この首は太陰星の「水之精」という姿を描いていて、夜の月がいちばん明るいので、夜の位置がいちばんよいのです。

「酉戌亥垣為得地」は第11段と一致し、〈太陰星の主るところは〉の「以酉戌亥子丑為得垣」と比べると子・丑が抜けています。星格の盤では、太陰星はこれらの宮で廟か旺と表示されます。

✎ メモ

14太陰入廟化權星,清秀聰明貴無倫,稟性溫良恭儉讓,為官清顯列朝綱。

書き下し太陰入廟して権星に化すれば、清秀聡明にして貴きこと倫無し。稟性温良恭倹譲、官と為りて清顕、朝綱に列す。

現代語訳太陰星が入廟して化権すれば、清らかで秀で、聡明で、比べるもののない貴さです。生まれつき温和で善良、恭しく慎ましく譲り深く、官となれば清廉で名高く、朝廷の重臣に列します。

解説

条件は、男命で太陰星が入廟し、さらに化権することで、化権は戊年だけです。太陰星が入廟するのは子・丑・亥の三宮です。断定は、清らかで聡明、温良恭倹譲、官として清廉で名高い、というものです。

「溫良恭儉讓」は儒家の君子の徳目で、全書はそれで太陰星の化権の人を形容しています。太陰星にとっての権柄は温和な権で、武曲星や巨門星のような硬い権ではない、ということです。命盤との照合は、入廟と化権の両方が成り立ってはじめて示します。

✎ メモ

15寅上機昌曲月逢,縱然吉拱不豐隆,男為僕從女為妓,加殺沖殺到老窮。

書き下し寅上に機昌曲月逢えば、縦然吉拱すとも豊隆ならず。男は僕従と為り女は妓と為り、殺を加え沖殺すれば老に到るまで窮す。

現代語訳寅の宮で天機星・文昌星・文曲星・太陰星が出会えば、吉星が拱照しても豊かに栄えません。男性なら下僕や従者になり、女性なら妓女になります。さらに殺星が加わって沖破すれば、老いるまで貧しいです。

校勘 「加殺沖殺到老窮」の「沖殺」は「沖破」とすべきと思われ、それに従って訳しています。

解説

条件は、太陰星が寅の宮で天機星と同宮し、さらに文昌星・文曲星がある形です。吉星が拱照しても豊かにならず、男は下僕、女は妓女、殺星が加われば老いるまで貧しいと言います。〈十二宮諸星失陥破格訣〉にほとんど同じ句があり、「寅上機昌曲月逢,雖然吉拱不豐隆,男為伴僕女娼婢」です(十二宮諸星失陥破格訣)。

寅の宮の太陰星は旺、天機星は得地で、輝度は悪くありません。凶は組み合わせにあります。機月は変化を、昌曲は文才をつかさどるので、昔の人は頭はよいが本業に身を入れないと読みました。これは全書の一つの見方で、今は才能が多いぶん一つに絞りきれない、と受け取れば足ります。

✎ メモ

16太陰陷地惡星中,陀火相逢定困窮,此命只宜僧與道,空門出入得從容。

書き下し太陰陥地にして悪星の中、陀火相逢えば定めて困窮す。此の命只僧と道とに宜し、空門に出入して従容を得。

現代語訳太陰星が落陥して悪い星に囲まれ、陀羅星・火星に逢えば、必ず困窮します。この命は僧や道士になるのに向くだけで、出家の門を出入りしてはじめてゆったりできます。

解説

条件は、太陰星が落陥して悪い星の中にあり、陀羅星・火星に逢うことで、必ず困窮し、僧道に向くだけだと言います。この首は第4段と同じ条件の歌訣版ですが、口ぶりは軽めです。第4段は若死にと言い、ここは困窮と出家を勧めるだけです。

〈諸星同垣:太陰星〉は「太陰羊陀必主人離財散」と言い(諸星同垣:太陰星)、やはり財の面が損なわれるとしています。

✎ メモ

太陰入女命吉凶訣:

18月會同陽在命宮,三方吉拱必盈豐,不見凶殺來沖會,富貴雙全保到終。

書き下し月同陽に会いて命宮に在り、三方吉拱すれば必ず盈豊。凶殺の来たりて沖会するを見ずんば、富貴双全にして終わりに到るまで保つ。

現代語訳太陰星が天同星・太陽星と会って命宮にあり、三方から吉星が拱照すれば、必ず豊かになります。凶殺が来て沖会するのが見えなければ、富貴を兼ね備え、最後まで保ちます。

解説

条件は、女命の太陰星が天同星・太陽星に会い、三方から吉星が拱照し、凶殺が見えないことで、富貴を兼ねて老いるまで保つと言います。太陰星が天同星と太陽星に同時に会えるのは、太陰星が卯・辰・酉・戌に座るときだけです。卯・酉なら天同星が対宮、太陽星が三合にあり、辰・戌なら太陽星が対宮、天同星が三合にあります。

命盤との照合は、二つの星にどちらも会うときにだけ示します。これは全書が太陰星の女命に向けた最もよい一首で、日(夫)・月(自分)・同(福)の三つがそろう形です。

✎ メモ

19太陰陷在命和身,不喜三方惡殺侵,剋害夫君又夭壽,更虛血氣少精神。

書き下し太陰陥ちて命と身とに在れば、三方に悪殺の侵すを喜ばず。夫君を剋害し又夭寿、更に血気虚しく精神少なし。

現代語訳太陰星が落陥して命宮や身宮にあれば、三方に悪殺が侵すのを嫌います。夫を剋し害し、また短命で、さらに血気が虚して、元気が少ないです。

解説

女命の太陰星が命宮か身宮で落陥していれば、三方の悪殺を嫌い、夫を剋し、短命で、血気が虚すと言います。太陰星は陰の血をつかさどるので、落陥すれば体が虚しがちと読まれました。全書が星で体質を論じる例です。

今ならこの首は健康上の目安として扱えます。太陰星が落陥する女性は、血の巡り・婦人科・生活のリズムに気を配る、ということです。夫を剋すという説は昔の結婚観で、夫妻宮を見てはじめて論じられます。

✎ メモ

太陰入限吉凶訣:

21太陰星曜限中逢,財祿豐盈百事通,嫁娶迎親添嗣續,常人得此旺門風。

書き下し太陰の星曜限中に逢えば、財禄豊盈にして百事通ず。嫁娶迎親して嗣続を添え、常人此を得れば門風を旺んにす。

現代語訳運限の中で太陰星に逢えば、財禄は豊かで、何事もうまく通じます。嫁を迎え、跡継ぎが生まれ、普通の人がこれを得れば家風が盛んになります。

解説

入限の訣です。太陰星が運限に入れば、財禄が豊かで、何事も通じ、結婚して子が生まれ、家風が盛んになると言います。太陰星は富・田宅・妻をつかさどるので、太陰星の運は、財産を整え、家庭を持ち、家族が増える時期です。

この首は廟陥に触れていませんが、第23段と合わせて読むと、太陰星が廟旺のときの運のことです。星格の盤では、太陰星のある宮の大限の年齢と、輝度の小さな字を見てください。

✎ メモ

22二限偏宜見太陰,添屋進財福非輕,火鈴若也來相湊,未免官災病患臨。

書き下し二限偏に太陰を見るに宜し、屋を添え財を進め福軽きに非ず。火鈴若しまた来たりて相湊れば、未だ官災病患の臨むを免れず。

現代語訳大限・小限は何よりも太陰星を見るのがよく、家屋が増え、財が入り、福は軽くありません。もし火星・鈴星も来て集まれば、官の災いや病が来るのを免れません。

解説

太陰星が二限に入れば家屋が増え財が入り、火鈴が集まれば官の災いや病があると言います。この首は火鈴だけを取り出しています。太陰星は水に属し、火鈴は火に属し、水と火が剋し合うので、財の中から災いが生じると読まれました。

〈太陰星の主るところは〉も、太陰星が疾厄宮にあって「遇火鈴為災」と言い(太陰星の主るところは)、同じ相剋の組み合わせです。

✎ メモ

23限至太陰居反背,不喜羊陀三方會,火鈴二限最為凶,若不官災多破悔。

書き下し限至りて太陰反背に居れば、羊陀の三方に会するを喜ばず。火鈴は二限に最も凶と為す、若し官災ならずんば破悔多し。

現代語訳運限が来て、太陰星が反背の地にあれば、擎羊星・陀羅星が三方で会照するのを嫌います。火星・鈴星は大限・小限で最も凶で、官の災いでなければ、財を失って悔やむことが多いです。

解説

条件は、運限が反背の地にある太陰星に巡ること、つまり太陰星が落陥して輝きを失っている(卯・辰・巳)ことです。羊陀の三方での会照を嫌い、火鈴が最も凶で、官の災いでなければ財を失って悔やむと言います。

「反背」はもともと日月の位置が逆さになることで、太陰星が辰、太陽星が戌にあるのが典型です。〈諸星同垣:太陰星〉は「日月最嫌反背」と言いますが(諸星同垣:太陰星)、「若出外離宗成家也吉。勿概以反背論」とも補っていて、反背にも出口を残しています。

✎ メモ
底本原文(ウィキソース、一部簡体字)
太阴水,南北斗化富,为母宿,又为妻星,为田宅主。 太阴居命面方圆,心性温和,清秀耿直聪明,花酒文章,博学横立功名。 身若逢之则随娘继拜,陷地化吉科权禄,反以凶论,出外离祖则吉。 更遇羊陀火铃,酒色邪淫,下贱夭折。 最喜六壬戊生人,在亥卯未宫立命合局,乙庚戊生人居亥宫立命上格, 六丁生人次之,六乙生人合格,六丁六戊生人,化科权禄吉。 女命会太阳入庙,封赠夫人,若陷地伤夫克子,妾妓之流。 子丑寅宫入庙,丁戊生人财官格。 卯辰巳宫陷地,乙壬戊生人孤寡不耐久。 午宫陷未申宫利益,丁庚甲入生人财官格。 酉戌亥宫入庙,丙丁生人财官格,吉星众大贵。 太阴入男命吉凶诀: 太阴原是水之精,身命逢之福自生,酉戌亥垣为得地,光辉扬显姓名亨。 太阴入庙化权星,清秀聪明贵无伦,禀性温良恭俭让,为官清显列朝纲。 寅上机昌曲月逢,纵然吉拱不丰隆,男为仆从女为妓,加杀冲杀到老穷。 太阴陷地恶星中,陀火相逢定困穷,此命只宜僧与道,空门出入得从容。 太阴入女命吉凶诀: 月会同阳在命宫,三方吉拱必盈丰,不见凶杀来冲会,富贵双全保到终。 太阴陷在命和身,不喜三方恶杀侵,克害夫君又夭寿,更虚血气少精神。 太阴入限吉凶诀: 太阴星曜限中逢,财禄丰盈百事通,嫁娶迎亲添嗣续,常人得此旺门风。 二限偏宜见太阴,添屋进财福非轻,火铃若也来相凑,未免官灾病患临。 限至太阴居反背,不喜羊陀三方会,火铃二限最为凶,若不官灾多破悔。

よくある質問

太陰星が命宮にある人はどんな性格ですか?

全書は、太陰星が坐命する人は顔が四角く丸みがあり、気性は温和で、清らかで実直、聡明で、花と酒と詩文を好み、博学で功名を立てられるとしています。太陰星は母宿・妻星であり、田宅の主でもあります。

太陰星はどの宮がいちばんよいのですか?

全書は、太陰星は酉・戌・亥の宮で入廟し、丙・丁年生まれは財官格で、吉星が多ければ大貴だとします。子・丑・寅の宮でも入廟し、丁・戊年生まれは財官格です。男命の吉凶訣は「酉戌亥垣為得地,光輝揚顯姓名亨」と言います。卯・辰・巳の宮は陥地で、孤独で長続きしないとします。

太陰星の落陥について全書は何と言っていますか?

全書は、太陰星が陥地にあれば、化科・化権・化禄があってもかえって凶と論じ、祖業を離れて外に出てはじめて吉だとします。さらに擎羊星・陀羅星・火星・鈴星に遇えば、酒色におぼれて邪淫、卑しく、若死にすると言います。女命の陥地は夫を傷つけ子を剋し、妾や妓女の類だとします。男命の吉凶訣は、落陥した太陰星が悪星に囲まれれば僧道にしか向かないとも言います。

太陰星が身宮にあると何を表しますか?

原文は「身若逢之則隨娘繼拜」と言います。太陰星が身宮にあれば、母に従って再嫁先に行くか、他家に養子に出る、という意味です。太陰星は母宿なので、母との縁がとくに取り上げられています。

この篇に出てくる主星

太陰星太陽星
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