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上 艮(山)・下 巽(風)
蠱山風蠱
第18卦 · 山風蠱

蠱卦

放っておいた物には虫がわき、先送りした物事は傷んでいきます。引き継いだ厄介ごとの原因を突き止め、手を入れて立て直す卦です。

一つのことを心に、筮竹で一卦立てる

目の前に傷んだものがあります。長く放っておいた問題や、たまった古い借りかもしれません。この卦はあきらめろとは言わず、今手を入れれば結果はよいと語ります。鍵は、まずどうして傷んだのかを突き止め、直した後にもう一度確かめることです。

よいこと

  • 傷んだ原因を突き止める
  • 古い問題に手を入れる
  • 直した後に確かめる
  • 前の人の顔を立てる

避けたいこと

  • 先送りして放っておく
  • 表面だけ整える
  • 全部を一度に否定する
  • 直しっぱなしにする

仕事とお金

就職・転職
人の残した厄介な仕事を引き受けると、立て直した分だけ評価されやすい時です。新しい職場では、まず問題の経緯をつかむのが卦辞の「先甲三日」、直した後に経過を追うのが「後甲三日」です。
起業・商売
古い店の改装や、赤字部門の立て直しに向きます。卦辞は「利渉大川」。まず古い勘定や無駄な出費を洗い出し、出血を止めてから広げることを考えると、足元が固まりやすくなります。
お金
古い支払いや未回収のお金を整理し、知らないうちに出ていくお金がないか見直す時です。まず出血を止めてから、増やすことを考えましょう。

恋愛と人間関係

シングル
相手がなかなか見つからない背景には、いつも同じタイプを選ぶ、断られるのが怖いなど、固まった癖があることが多いものです。それを一度整理してから出会いの場に行くと、流れが変わりやすくなります。
パートナーがいる
山の下の風のように、こもらせると関係は傷みます。たまったわだかまりを率直に話すのに向く時です。ただ九二は「幹母之蠱、不可貞」。口調はやわらかくしたほうが伝わりやすくなります。
復縁
まず、前回どうして壊れたのかを突き止めること。その原因が直っていなければ、戻っても同じことになりがちです。直せるなら会いに行く価値はあり、九三の「小有悔、无大咎」に近い見込みです。
人間関係・協力
チームに長く放置された問題があるなら、手を出す価値があります。九二と九三が語るのは加減で、直すべきは直しつつ先輩の顔は立て、全部を一度に否定しないほうが受け入れられやすくなります。

暮らし

試験・学業
成績が伸びないのは、昔の弱点が埋まっていないからかもしれません。新しい問題を解き続けるより、間違えた問題やわからなかった章を一度洗い直すほうが、手応えを得やすくなります。
引っ越し・旅行
長く住んで物があふれた部屋を出るのに向いています。出発前に思いきって片づけ、要らない物は手放しましょう。そのほうが新しい住まいを身軽に始めやすくなります。
心身の状態
山の下で吹き抜けられない風のように、ストレスを長く抱え込んでいるかもしれません。人に話し、先送りしていることを一つずつ片づけましょう。生活リズムを戻し、不調が続くなら医療機関へ。

昔ながらの占的

待っていること
自然には来にくく、話は古い問題で止まっています。こちらから障害を取り除き、原因も後始末も済ませてから動き出す形なので、遅めの見込みです。
争い・訴訟
このもめごとは古いことの積み重ねから来ています。手をつけてよく、結果も悪くない見込みです。経緯と証拠を先に整理しましょう。六四の「裕父之蠱、往見吝」のとおり、大目に見て放っておくと気まずくなりやすいものです。
失せ物・尋ね人
見つかる見込みはありますが、手間はかかります。長く片づけていない場所、収納の奥、木の家具の裏、部屋の隅が候補です。大掃除のつもりで探すと出てきやすくなります。

決断するとき

進めてよく、むしろ手をつけるべき時です。ただ先に問題の出どころをはっきりさせ、やった後に確かめること。直しっぱなしにしないことが条件です。

たとえばこんな人なら

父の工務店を継いだ二代目

九三や六五の「幹父之蠱」は、前の代が残した問題を引き受ける形です。まず帳簿と仕事の流れをつかみ、どこで損が出ていて何が古いかを見ます。直す時は古くからの職人の顔を立てると、六五の「用誉」に近づきやすくなります。

ルームシェア相手と数か月口をきいていない人

長引くほど片づけにくくなりますが、蠱は今手を入れるのはよいことだと語ります。もめた元が何かを先に考え、時間を取って話しましょう。決めたことは数日後にもう一度確かめると、元に戻りにくくなります。

これは変爻がないときの読み方です。変爻があれば朱熹の考変占法で読むべき爻を見ます。卦を立てると結果ページで直接わかります。

元亨。利涉大川。先甲三日,後甲三日。

元いに亨る。大川を渉るに利ろし。甲に先だつこと三日、甲に後るること三日。

大いに通じます。大きな川を渡るのによろしい。甲の日の前に三日、甲の日の後に三日。手をつける前にどうして傷んだのかをよく考え、手をつけた後にも繰り返し念を押して確かめます。

山風蠱(さんぷうこ)は、上卦が艮(山)、下卦が巽(風)です。山の下に風があり、山にさえぎられて吹き抜けられません。こもった空気が淀んで物が傷み、虫がわくので「蠱(こ)」といいます。

初六

幹父之蠱,有子,考无咎,厲終吉。

父の蠱を幹す。子有れば、考も咎なし。厲うけれども終に吉。

父の残した傷みを立て直します。このような子がいれば、亡き父も咎がありません。途中は危うくても、最後は吉です。

前任者の残した帳簿の乱れや、家の古い借金など、前の人の問題を引き受けた形です。今ならまだ片づけられます。簡単だと思わず、慎重に進めれば、きれいに収まりやすくなります。

小象:幹父之蠱,意承考也。

九二

幹母之蠱,不可貞。

母の蠱を幹す。貞にすべからず。

母の残した傷みを立て直します。かたくなに正しさを押し通してはいけません。

扱う問題に、年長の家族や古くからの同僚の面子など、やわらかく繊細な人間関係が絡んでいます。理屈がこちらにあっても強引にせず、遠回しに少しずつ正すほうが通りやすくなります。

小象:幹母之蠱,得中道也。

九三

幹父之蠱,小有悔,无大咎。

父の蠱を幹す。小しく悔有り。大いなる咎なし。

父の残した傷みを立て直します。少し悔いはありますが、大きな咎はありません。

少し急ぎすぎて人の気分を害し、自分でも後から悔やむかもしれません。それでも方向は合っています。直すべきところを直しきれば大きな失敗にはなりにくく、次は手つきを少しやわらげるとよさそうです。

小象:幹父之蠱,終无咎也。

六四

裕父之蠱,往見吝。

父の蠱を裕にす。往けば吝を見る。

父の残した傷みを大目に見て放っておきます。このまま進めば恥をかきます。

問題だとわかっていながら先送りし、見逃し続けていると、問題は大きくなりがちです。まず直すことを書き出し、期限を決めるだけでも、後で困ることは減りやすくなります。

小象:裕父之蠱,往未得也。

六五

幹父之蠱,用譽。

父の蠱を幹す。用て誉れあり。

父の残した傷みを立て直し、それによって誉れを得ます。

立場も支えてくれる人もあるので、古い問題を立て直す働きは人の目に留まり、認められやすい時です。一人で全部抱えず、力のある人と一緒に進めましょう。

小象:幹父用譽,承以德也。

上九

不事王侯,高尚其事。

王侯に事えず。其の事を高尚にす。

王や諸侯に仕えず、自分の志を高く保ちます。

この件にはもう手を出さないほうがよい、あるいはやるべきことはやり終えた段階です。身を引いて自分の筋を守るほうが、権力の輪にとどまるより意味を持ちやすくなります。

小象:不事王侯,志可則也。

彖伝

蠱,剛上而柔下,巽而止,蠱。蠱,元亨,而天下治也。利涉大川,往有事也。先甲三日,後甲三日,終則有始,天行也。

蠱は、剛が上にあって柔が下にあり、下はただ従うばかり、上は止まって動かないので、物事が傷んでいきます。蠱が大いに通じるのは、傷んだことを立て直せば天下が治まるからです。大きな川を渡るのによろしいのは、自分から出向いて事に当たるということです。甲の日の前に三日、後に三日というのは、一つのことが終われば新しい始まりがあるという、天の運行の決まりです。

大象

山下有風,蠱;君子以振民育德。

山の下に風有るは蠱なり。君子以て民を振るい徳を育う。

山の下に風があるのが蠱です。君子はこれを見て、民を奮い立たせ、自分の徳を育てます。

序卦伝:なぜこの順番なのか

以喜隨人者,必有事,故受之以蠱;蠱者事也。

前の卦は随です。喜んで人についていくと、長くたつうちに必ず何か問題が起きます。そこで随の後に蠱が続きます。蠱とは、事、つまり片づけるべき問題のことです。

雑卦伝

隨无故也,蠱則飭也。

蠱は古いものが傷んだので立て直し整えることです。対になる随は、古いものにこだわらず時の流れについていくことです。一方は古いものを手放し、もう一方は古いものを直す、という対比です。

関連する卦

よくある質問

蠱卦が出たら、恋愛はどう読む?

相手がなかなか見つからない背景には、いつも同じタイプを選ぶ、断られるのが怖いなど、固まった癖があることが多いものです。それを一度整理してから出会いの場に行くと、流れが変わりやすくなります。 山の下の風のように、こもらせると関係は傷みます。たまったわだかまりを率直に話すのに向く時です。ただ九二は「幹母之蠱、不可貞」。口調はやわらかくしたほうが伝わりやすくなります。

蠱卦が出たら、仕事はどう読む?

人の残した厄介な仕事を引き受けると、立て直した分だけ評価されやすい時です。新しい職場では、まず問題の経緯をつかむのが卦辞の「先甲三日」、直した後に経過を追うのが「後甲三日」です。 厄介な案件の引き継ぎ、手順の見直し、たまった懸案の片づけに向く時期です。手をつける前に根本の原因を探し、直した後も経過を追いましょう。表面だけ整えて終わりにしないことです。

蠱卦が出たら、待っていることは来る?

自然には来にくく、話は古い問題で止まっています。こちらから障害を取り除き、原因も後始末も済ませてから動き出す形なので、遅めの見込みです。

蠱卦が出たら、失せ物は見つかる?

見つかる見込みはありますが、手間はかかります。長く片づけていない場所、収納の奥、木の家具の裏、部屋の隅が候補です。大掃除のつもりで探すと出てきやすくなります。

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