目の前に傷んだものがあります。長く放っておいた問題や、たまった古い借りかもしれません。この卦はあきらめろとは言わず、今手を入れれば結果はよいと語ります。鍵は、まずどうして傷んだのかを突き止め、直した後にもう一度確かめることです。
よいこと
- 傷んだ原因を突き止める
- 古い問題に手を入れる
- 直した後に確かめる
- 前の人の顔を立てる
避けたいこと
- 先送りして放っておく
- 表面だけ整える
- 全部を一度に否定する
- 直しっぱなしにする
仕事とお金
- 就職・転職
- 人の残した厄介な仕事を引き受けると、立て直した分だけ評価されやすい時です。新しい職場では、まず問題の経緯をつかむのが卦辞の「先甲三日」、直した後に経過を追うのが「後甲三日」です。
- 起業・商売
- 古い店の改装や、赤字部門の立て直しに向きます。卦辞は「利渉大川」。まず古い勘定や無駄な出費を洗い出し、出血を止めてから広げることを考えると、足元が固まりやすくなります。
- お金
- 古い支払いや未回収のお金を整理し、知らないうちに出ていくお金がないか見直す時です。まず出血を止めてから、増やすことを考えましょう。
恋愛と人間関係
- シングル
- 相手がなかなか見つからない背景には、いつも同じタイプを選ぶ、断られるのが怖いなど、固まった癖があることが多いものです。それを一度整理してから出会いの場に行くと、流れが変わりやすくなります。
- パートナーがいる
- 山の下の風のように、こもらせると関係は傷みます。たまったわだかまりを率直に話すのに向く時です。ただ九二は「幹母之蠱、不可貞」。口調はやわらかくしたほうが伝わりやすくなります。
- 復縁
- まず、前回どうして壊れたのかを突き止めること。その原因が直っていなければ、戻っても同じことになりがちです。直せるなら会いに行く価値はあり、九三の「小有悔、无大咎」に近い見込みです。
- 人間関係・協力
- チームに長く放置された問題があるなら、手を出す価値があります。九二と九三が語るのは加減で、直すべきは直しつつ先輩の顔は立て、全部を一度に否定しないほうが受け入れられやすくなります。
暮らし
- 試験・学業
- 成績が伸びないのは、昔の弱点が埋まっていないからかもしれません。新しい問題を解き続けるより、間違えた問題やわからなかった章を一度洗い直すほうが、手応えを得やすくなります。
- 引っ越し・旅行
- 長く住んで物があふれた部屋を出るのに向いています。出発前に思いきって片づけ、要らない物は手放しましょう。そのほうが新しい住まいを身軽に始めやすくなります。
- 心身の状態
- 山の下で吹き抜けられない風のように、ストレスを長く抱え込んでいるかもしれません。人に話し、先送りしていることを一つずつ片づけましょう。生活リズムを戻し、不調が続くなら医療機関へ。
昔ながらの占的
- 待っていること
- 自然には来にくく、話は古い問題で止まっています。こちらから障害を取り除き、原因も後始末も済ませてから動き出す形なので、遅めの見込みです。
- 争い・訴訟
- このもめごとは古いことの積み重ねから来ています。手をつけてよく、結果も悪くない見込みです。経緯と証拠を先に整理しましょう。六四の「裕父之蠱、往見吝」のとおり、大目に見て放っておくと気まずくなりやすいものです。
- 失せ物・尋ね人
- 見つかる見込みはありますが、手間はかかります。長く片づけていない場所、収納の奥、木の家具の裏、部屋の隅が候補です。大掃除のつもりで探すと出てきやすくなります。
決断するとき
進めてよく、むしろ手をつけるべき時です。ただ先に問題の出どころをはっきりさせ、やった後に確かめること。直しっぱなしにしないことが条件です。
たとえばこんな人なら
九三や六五の「幹父之蠱」は、前の代が残した問題を引き受ける形です。まず帳簿と仕事の流れをつかみ、どこで損が出ていて何が古いかを見ます。直す時は古くからの職人の顔を立てると、六五の「用誉」に近づきやすくなります。
長引くほど片づけにくくなりますが、蠱は今手を入れるのはよいことだと語ります。もめた元が何かを先に考え、時間を取って話しましょう。決めたことは数日後にもう一度確かめると、元に戻りにくくなります。
これは変爻がないときの読み方です。変爻があれば朱熹の考変占法で読むべき爻を見ます。卦を立てると結果ページで直接わかります。
元亨。利涉大川。先甲三日,後甲三日。
元いに亨る。大川を渉るに利ろし。甲に先だつこと三日、甲に後るること三日。
大いに通じます。大きな川を渡るのによろしい。甲の日の前に三日、甲の日の後に三日。手をつける前にどうして傷んだのかをよく考え、手をつけた後にも繰り返し念を押して確かめます。
山風蠱(さんぷうこ)は、上卦が艮(山)、下卦が巽(風)です。山の下に風があり、山にさえぎられて吹き抜けられません。こもった空気が淀んで物が傷み、虫がわくので「蠱(こ)」といいます。
初六
幹父之蠱,有子,考无咎,厲終吉。
父の蠱を幹す。子有れば、考も咎なし。厲うけれども終に吉。
父の残した傷みを立て直します。このような子がいれば、亡き父も咎がありません。途中は危うくても、最後は吉です。
前任者の残した帳簿の乱れや、家の古い借金など、前の人の問題を引き受けた形です。今ならまだ片づけられます。簡単だと思わず、慎重に進めれば、きれいに収まりやすくなります。
小象:幹父之蠱,意承考也。
九二
幹母之蠱,不可貞。
母の蠱を幹す。貞にすべからず。
母の残した傷みを立て直します。かたくなに正しさを押し通してはいけません。
扱う問題に、年長の家族や古くからの同僚の面子など、やわらかく繊細な人間関係が絡んでいます。理屈がこちらにあっても強引にせず、遠回しに少しずつ正すほうが通りやすくなります。
小象:幹母之蠱,得中道也。
九三
幹父之蠱,小有悔,无大咎。
父の蠱を幹す。小しく悔有り。大いなる咎なし。
父の残した傷みを立て直します。少し悔いはありますが、大きな咎はありません。
少し急ぎすぎて人の気分を害し、自分でも後から悔やむかもしれません。それでも方向は合っています。直すべきところを直しきれば大きな失敗にはなりにくく、次は手つきを少しやわらげるとよさそうです。
小象:幹父之蠱,終无咎也。
六四
裕父之蠱,往見吝。
父の蠱を裕にす。往けば吝を見る。
父の残した傷みを大目に見て放っておきます。このまま進めば恥をかきます。
問題だとわかっていながら先送りし、見逃し続けていると、問題は大きくなりがちです。まず直すことを書き出し、期限を決めるだけでも、後で困ることは減りやすくなります。
小象:裕父之蠱,往未得也。
六五
幹父之蠱,用譽。
父の蠱を幹す。用て誉れあり。
父の残した傷みを立て直し、それによって誉れを得ます。
立場も支えてくれる人もあるので、古い問題を立て直す働きは人の目に留まり、認められやすい時です。一人で全部抱えず、力のある人と一緒に進めましょう。
小象:幹父用譽,承以德也。
上九
不事王侯,高尚其事。
王侯に事えず。其の事を高尚にす。
王や諸侯に仕えず、自分の志を高く保ちます。
この件にはもう手を出さないほうがよい、あるいはやるべきことはやり終えた段階です。身を引いて自分の筋を守るほうが、権力の輪にとどまるより意味を持ちやすくなります。
小象:不事王侯,志可則也。
蠱,剛上而柔下,巽而止,蠱。蠱,元亨,而天下治也。利涉大川,往有事也。先甲三日,後甲三日,終則有始,天行也。
蠱は、剛が上にあって柔が下にあり、下はただ従うばかり、上は止まって動かないので、物事が傷んでいきます。蠱が大いに通じるのは、傷んだことを立て直せば天下が治まるからです。大きな川を渡るのによろしいのは、自分から出向いて事に当たるということです。甲の日の前に三日、後に三日というのは、一つのことが終われば新しい始まりがあるという、天の運行の決まりです。
大象山下有風,蠱;君子以振民育德。
山の下に風有るは蠱なり。君子以て民を振るい徳を育う。
山の下に風があるのが蠱です。君子はこれを見て、民を奮い立たせ、自分の徳を育てます。
序卦伝:なぜこの順番なのか以喜隨人者,必有事,故受之以蠱;蠱者事也。
前の卦は随です。喜んで人についていくと、長くたつうちに必ず何か問題が起きます。そこで随の後に蠱が続きます。蠱とは、事、つまり片づけるべき問題のことです。
雑卦伝隨无故也,蠱則飭也。
蠱は古いものが傷んだので立て直し整えることです。対になる随は、古いものにこだわらず時の流れについていくことです。一方は古いものを手放し、もう一方は古いものを直す、という対比です。
関連する卦よくある質問
蠱卦が出たら、恋愛はどう読む?
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蠱卦が出たら、待っていることは来る?
自然には来にくく、話は古い問題で止まっています。こちらから障害を取り除き、原因も後始末も済ませてから動き出す形なので、遅めの見込みです。
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見つかる見込みはありますが、手間はかかります。長く片づけていない場所、収納の奥、木の家具の裏、部屋の隅が候補です。大掃除のつもりで探すと出てきやすくなります。
一卦は一つの問いに答え、命盤はあなた自身とこの一年の全体を映します。
経文は『周易』の通行本によります。現代語訳と読み方は星格が書いた参考で、定説ではありません。