学ぶこと、教えを請うことの卦です。わからないのは恥ではなく、本気で尋ねれば答えは返ってきやすいものです。ただ同じことを何度も聞き、聞きたい答えだけを待っていると、得るものはなくなります。
よいこと
- 心から教えを請う
- 学んでから動く
- 一度聞いたら素直に従う
- ルールを先に決める
避けたいこと
- わかったふりをする
- 同じことを何度も聞く
- 条件や見た目に惑う
- こちらから攻める
仕事とお金
- 就職・転職
- 新しい分野にまだ不慣れで、研修のある求人や、先輩について学べる職場が向きます。面接では、できないことは正直に言い、学ぶ意欲を伝えるほうが、わかったふりより伝わります。
- 起業・商売
- 知識が足りないうちは、急いで独立しないこと。まず業界で働いてみる、先輩に話を聞く。商談で読めない条項があれば、必ず確かめてから署名しましょう。
- お金
- よくわからないものには、まだ手を出さないこと。学んでから考えましょう。人に勧められたからといって後を追わないように。
恋愛と人間関係
- シングル
- 自分が何を望んでいるか、まだはっきりしていない時期です。六三の「見金夫,不有躬」のように、相手の条件や見た目に舞い上がらず、一緒に過ごして人柄を見てから決めましょう。
- パートナーがいる
- 二人の間に、話し合えていない誤解があります。推測せず、直接尋ねてよく聞くこと。卦辞の「再三瀆」のとおり、同じことを何度も問い詰めると信頼がすり減ります。
- 復縁
- まず、なぜ別れたのかを理解してから、取り戻すかどうかを決めましょう。メッセージを送り続けたり、気持ちを何度も探ったりすると、相手はかえって距離を置きたくなります。
- 人間関係・協力
- 先輩を師と仰ぐか、自分が新人を導く関係に向きます。初六の「發蒙,利用刑人」のように教える側はルールを先に伝え、学ぶ側は誠意を持つこと。そうすれば関係が長続きしやすくなります。
暮らし
- 試験・学業
- 勉強、弟子入り、資格試験によく向く時期です。最初の授業を大切にし、疑問は一度ではっきり聞くこと。先生や教材をころころ替えないほうが身につきます。
- 引っ越し・旅行
- 慣れない土地へは、下調べをし、地元の人や行ったことのある友人に聞いてから出かけましょう。山の下に泉が湧く道は見通しが悪く、経験者について行くほうが回り道をしにくいでしょう。
- 心身の状態
- 頭に霧がかかったようで、どこから手をつければいいかわからなくなりやすい時期です。考えがまとまらないことは書き出し、信頼できる人に一度話しましょう。夜更かしより規則正しい生活を。不調が続くなら受診を考えて。
昔ながらの占的
- 待っていること
- 答えはまだ霧の中で、自分が状況をはっきりつかんでから物事が動く形です。遅めでしょう。じっと待つより一度尋ねるほうが早く、尋ねたあとは辛抱して待ちましょう。
- 争い・訴訟
- 法律やルールにまだ不慣れで、一人で強行するのは不利です。まず弁護士など詳しい人に相談を。上九は「不利為寇,利禦寇」、自分の権利を守るのはよく、こちらから攻めると損をしやすいとします。
- 失せ物・尋ね人
- 見つかる見込みはありますが、手間がかかります。隅や積み重ねた物の裏(艮は山・石・角)、水回りや暗い所(坎)を探してみてください。子どもが動かしたかもしれないので、家族に一度聞いてみるのも手です。
決断するとき
情報が足りていません。詳しい人に尋ね、はっきりしたらそのとおりに動きましょう。卦辞は「再三瀆」とします。望む答えが出るまで同じことを占い直すと、かえって何も見えなくなります。
たとえばこんな人なら
しばらく独学を続けるうちに、手が止まるようになりました。蒙は、先生を探し、教えてくれる人がいる講座に通うよう勧めます。作品を詳しい人に一度見てもらい、意見どおりに直すほうが、何年も一人で手探りするより伸びやすいでしょう。
蒙は教える側の加減も語ります。ルールと期待は最初にはっきり伝え、相手が本当に聞きに来たときに教えればよく、追いかけて詰め込む必要はありません。同じ失敗をくり返すなら、少し厳しくしましょう。
これは変爻がないときの読み方です。変爻があれば朱熹の考変占法で読むべき爻を見ます。卦を立てると結果ページで直接わかります。
亨。匪我求童蒙,童蒙求我。初筮告,再三瀆,瀆則不告。利貞。
亨る。我童蒙に求むるに匪ず、童蒙我に求む。初筮は告ぐ。再三すれば瀆る。瀆るれば告げず。貞しきに利ろし。
通じます。わたしが幼く暗い者に求めるのではなく、幼く暗い者がわたしに求めて来るのです。初めての占いには告げますが、二度三度とくり返すのは冒涜で、冒涜すれば告げません。正しさを守るのがよいです。
山水蒙(さんすいもう)は、上卦が艮(山)、下卦が坎(水)で、山の下に水があります。艮は山で止まること、坎は水で険しさ。山の下に険があり、険に出会って立ち止まり、どこへ行けばよいかわからない。そこで「蒙」、道理に暗いことを名にしています。
初六
發蒙,利用刑人,用說桎梏,以往吝。
蒙を発く。用て人を刑し、用て桎梏を説くに利ろし。以て往けば吝。
蒙を啓くには、刑罰で戒めを示し、そのあと手かせ足かせを解くのがよいです。そのまま刑罰で押し進めれば恥をかきます。
新人や子どもを導くなら、最初にルールをはっきり伝え、守れなければきちんと注意を。ただルールが根づいたら手を放すこと。締めつけ続けると反発を招きやすくなります。
小象:利用刑人,以正法也。
九二
包蒙吉,納婦吉,子克家。
蒙を包ぬ。吉。婦を納る。吉。子、家を克くす。
蒙を包み込めば吉です。妻を迎えれば吉です。子が家を治めることができます。
人を導く役回りです。理解の度合いがまちまちな人にも辛抱強く、受け入れる姿勢があれば、チームも家庭も支えられます。
小象:子克家,剛柔接也。
六三
勿用取女,見金夫,不有躬,无攸利。
女を取るに用うることなかれ。金夫を見て躬を有たず。利ろしき攸なし。
この女性を娶ってはいけません。金のある男を見ると自分を保てず、利になることは何もありません。
得になる方へすぐ乗り換える人や話には、深入りしないこと。条件しだいでなびく関係は、最後に損をしやすいものです。自分がそうなっていないかの戒めでもあります。
小象:勿用取女,行不順也。
六四
困蒙,吝。
蒙に困しむ。吝。
蒙の中に閉じこめられて苦しみます。恥をかきます。
助言をくれる人がそばにおらず、一人で考え込んでますます行き詰まる形です。詳しい人や先生、先輩に自分から会いに行き、一人で抱えないようにしましょう。
小象:困蒙之吝,獨遠實也。
六五
童蒙,吉。
童蒙なり。吉。
子どものように素直に教えを求めます。吉です。
立場があっても、腰を低くして尋ね、学ぶ姿勢です。わからないと認める人ほど早く身につき、物事も運びやすくなります。
小象:童蒙之吉,順以巽也。
上九
擊蒙,不利為寇,利禦寇。
蒙を撃つ。寇を為すに利ろしからず。寇を御ぐに利ろし。
強い手段で蒙を打ち破ります。盗賊のように人を害するのはよくなく、外からの害を防ぐのがよいです。
厳しく正すべき時は厳しくてかまいません。ただ目的は悪い影響を防ぐことで、うさ晴らしや押さえつけではありません。やりすぎれば傷つけることになるので、加減が大切です。
小象:利用禦寇,上下順也。
蒙,山下有險,險而止,蒙。蒙亨,以亨行,時中也。匪我求童蒙,童蒙求我,志應也。初筮告,以剛中也。再三瀆,瀆則不告,瀆蒙也。蒙以養正,聖功也。
蒙とは、山の下に険があり、険に出会って止まるので、暗いのです。蒙が通じるのは、通じる道によって行い、時と中にかなっているからです。わたしが童蒙に求めるのではなく、童蒙がわたしに求めるのは、互いの志が応じ合うからです。初めての占いに告げるのは、九二が剛で中にあるからです。二度三度とくり返すのは冒涜で、冒涜すれば告げないのは、それが蒙を啓く道を汚すからです。幼く暗いうちに正しさを養うこと、それが聖人の功業です。
大象山下出泉,蒙;君子以果行育德。
山の下に泉出づるは蒙なり。君子以て行いを果たし徳を育う。
山の下から泉が湧き出るのが蒙です。君子はこれを見て、思い切って行い、自分の徳を育てます。
序卦伝:なぜこの順番なのか物生必蒙,故受之以蒙;蒙者蒙也,物之穉也。
物は生まれれば必ず幼く、まだ物事がわかりません。そこで屯の後に蒙が続きます。蒙とは暗いことであり、物がまだ幼く若々しく、導きを必要とする姿です。
雑卦伝屯見而不失其居,蒙雜而著。
蒙は暗さと明るさが入りまじり、やがて明らかになります。通行の解釈では、下の坎が暗く、上の艮が明るいと読みます。屯と対になり、屯は芽を出してもその場を守り、蒙は混沌の中で少しずつ目が開けていきます。
関連する卦よくある質問
蒙卦が出たら、恋愛はどう読む?
自分が何を望んでいるか、まだはっきりしていない時期です。六三の「見金夫,不有躬」のように、相手の条件や見た目に舞い上がらず、一緒に過ごして人柄を見てから決めましょう。 二人の間に、話し合えていない誤解があります。推測せず、直接尋ねてよく聞くこと。卦辞の「再三瀆」のとおり、同じことを何度も問い詰めると信頼がすり減ります。
蒙卦が出たら、仕事はどう読む?
新しい分野にまだ不慣れで、研修のある求人や、先輩について学べる職場が向きます。面接では、できないことは正直に言い、学ぶ意欲を伝えるほうが、わかったふりより伝わります。 研修や講座、師について学ぶこと、先輩に教わること、新人の指導に向く時期です。学ぶときは集中し、教えるときはまずルールを決めておきましょう。
蒙卦が出たら、待っていることは来る?
答えはまだ霧の中で、自分が状況をはっきりつかんでから物事が動く形です。遅めでしょう。じっと待つより一度尋ねるほうが早く、尋ねたあとは辛抱して待ちましょう。
蒙卦が出たら、失せ物は見つかる?
見つかる見込みはありますが、手間がかかります。隅や積み重ねた物の裏(艮は山・石・角)、水回りや暗い所(坎)を探してみてください。子どもが動かしたかもしれないので、家族に一度聞いてみるのも手です。
一卦は一つの問いに答え、命盤はあなた自身とこの一年の全体を映します。
経文は『周易』の通行本によります。現代語訳と読み方は星格が書いた参考で、定説ではありません。