本文へ移動
上 艮(山)・下 艮(山)
艮艮為山
第52卦 · 艮為山

艮卦

止まるべき時に止まり、自分のいるべき場所にとどまる卦です。目の前の人や出来事に引っぱられず、静かに立つことを語ります。

一つのことを心に、筮竹で一卦立てる

今は前へ突き進む時ではなく、止まって自分の持ち場を守る時です。何が自分のすべきことで、何が自分の手の届かないことかを見分け、外の雑音にはひとまず応じないでおきましょう。

よいこと

  • 立ち止まって考える
  • 自分の持ち場を守る
  • 順序立てて話す
  • 生活リズムを決める

避けたいこと

  • 人の領分に口を出す
  • 人を無理に引っぱる
  • 結果を急かす
  • 出発後に予定を変える

仕事とお金

就職・転職
転職や昇進争いの時ではありません。大象の「思不出其位」のとおり、まず今の担当を満たしましょう。どうしても替わりたいなら初六の「艮其趾」、足を出す前に止まって考えるほうが迷いにくくなります。
起業・商売
拡大はいったん止め、今のお客さんと手元の資金を守りましょう。彖伝の「時止則止、時行則行」のとおり、止まるのは商品や手順を整えるためです。時が来てから動くほうが、無理がかかりにくくなります。
お金
衝動買いや、値上がりを追いかける買い方はやめておきましょう。今持っているものを守れば十分です。買い増しや、よく知らない新しい商品に手を出すのは、しばらく控えたいところです。

恋愛と人間関係

シングル
しばらくは新しい進展が起きにくく、気持ちも外に向きにくい時期です。彖伝は上下が「敵応」して応じ合わないと言います。互いに自分の場所に立っている時なので、まず自分の暮らしを整えましょう。
パートナーがいる
二人ともそれぞれ意地を張りやすい時です。六二は「其心不快」、相手を引っぱろうとしても動かず心が晴れない形です。無理に説得せず、まず自分の側を整えるほうがこじれにくくなります。
復縁
見込みは低めです。急いで連絡すると、話すほどこじれやすいでしょう。九三は「厲薫心」、感情を押し殺して板ばさみになるのがいちばんつらい形です。まず止まって心を落ち着かせましょう。
人間関係・協力
人のことにはあまり口を出さず、それぞれが持ち場を守るのがよい時です。六四は「艮其身、无咎」。自分の言動を整え、人のうわさに加わらないほうが、協力はかえって進みやすくなります。

暮らし

試験・学業
腰を据えて勉強するのに向き、一度に一科目に集中するとよい時です。彖伝の「止其所」のとおり、机と時間帯を決め、スマホは切って、目の前の一冊だけに向かいましょう。
引っ越し・旅行
引っ越しや遠出はこの時期は向かず、延ばせるなら延ばしましょう。どうしても動くなら決めた予定どおりに。出発してから何度も変えず、止まるも行くもきっぱりと、が艮の流儀です。
心身の状態
卦辞の「艮其背」のように、心を動かない場所に置き、体のこわばりをほどく時です。寝る前はスマホを置いて静かに座ってみましょう。こわばりがずっと抜けないなら、我慢せず受診してください。

昔ながらの占的

待っていること
遅めです。しばらくは動きがなく、短期で大きな変化は起きにくいでしょう。上九の「敦艮、吉」のとおり、最後まで落ち着いていられる人によい結果が来やすい形です。この間は何度も催促しないことです。
争い・訴訟
急いで手を打たないほうがよく、言い合うほど混乱しやすい時です。六五は「言有序、悔亡」。口を慎み、言うべきことを順に整理して伝えれば、後悔は残りにくくなります。
失せ物・尋ね人
見つかる見込みは中くらいで、丁寧に探す必要があります。艮は山や石、門のあたりを表すので、部屋の隅、扉の脇、棚、壁ぎわ、階段の曲がり角を見てみましょう。方角は北東です。

決断するとき

今はやめておきましょう。ここで止まっても失うものはありません。時が来てから動くほうが、迷いは少なくなりやすいものです。

たとえばこんな人なら

長期連載を少し休みたい漫画家

艮は止まることを後押しする卦です。まず編集者と読者に、休む期間と戻る方向をはっきり伝えましょう。休む間は新しい原稿を自分に課さず、出かけたり展示を見たりして、十分たまってから描き始めるほうが、戻ったあとも続きやすくなります。

大型案件を納め終えて気が抜けた会社員

艮は止まるべき所に止まることを語ります。何か月も走り続けたあとに急に止まると、心に穴が空いたようになりがちです。すぐに次の案件や予定で埋めず、まずよく眠り、決まった生活リズムを作り、本当にしたいことを一つ二つ選んでゆっくり始めると、落ち着きやすくなります。

これは変爻がないときの読み方です。変爻があれば朱熹の考変占法で読むべき爻を見ます。卦を立てると結果ページで直接わかります。

艮其背,不獲其身,行其庭,不見其人,无咎。

其の背に艮まりて、其の身を獲ず。其の庭に行きて、其の人を見ず。咎なし。

背中に止まり(背は体の中で動かない所です)、自分の体さえ感じません。人のいる庭を歩いても、その人々が目に入りません。咎はありません。

艮為山(ごんいざん)は、上卦も下卦も艮(山)です。二つの山が重なり、どっしりと動きません。八卦の艮が二つ重なってできた卦なので、名も同じ「艮」、止まるという意味になりました。

初六

艮其趾,无咎,利永貞。

其の趾に艮まる。咎なし。永貞に利ろし。

足の指で止まります。咎はなく、長く正しさを守るのがよいです。

物事が始まったばかりで、踏み出す前に手を止める形です。ここで止まれば、損はいちばん小さくすみやすくなります。気をつけたいのは、数日たってまたうずうずと始め直してしまうことです。

小象:艮其趾,未失正也。

六二

艮其腓,不拯其隨,其心不快。

其の腓に艮まる。其の随うを拯わず。其の心快からず。

ふくらはぎで止まりますが、それが従っている上の腰を救えず、心は晴れません。

自分は止まれても、先頭の人やチームはまだ前へ突き進み、止めようにも止まらない形です。気が晴れないのは自然なこと。意見ははっきり伝えて記録に残し、人の決定まで一人で背負い込まないようにしましょう。

小象:不拯其隨,未退聽也。

九三

艮其限,列其夤,厲薰心。

其の限に艮まる。其の夤を列く。厲うきこと心を薫す。

腰で止まり、背骨に沿った肉が裂けるようです。危うく、焦りが煙のように心をいぶします。

無理に自分を完全に止めようとする形です。急に連絡を全部断つ、何もかも一斉にやめるといったやり方は、心も体も引き裂かれがちです。止めるべきところだけ止め、ほかに少し余裕を残すほうが、焦りは落ち着きやすくなります。

小象:艮其限,危薰心也。

六四

艮其身,无咎。

其の身に艮まる。咎なし。

体を止めます。咎はありません。

自分のふるまいを整えれば十分な時です。勢いでメッセージに返信しない、腹を立てたまま書類に判を押さない、などがそうです。人を動かす力はまだないので、まず自分を落ち着かせましょう。

小象:艮其身,止諸躬也。

六五

艮其輔,言有序,悔亡。

其の輔に艮まる。言うこと序有り。悔亡ぶ。

頬(口)を止めます。話に筋道と順序があり、悔いは消えます。

今は話すほど言い違いが増えやすい時です。考えてから口を開き、話す順番と軽重を整えましょう。感情的な一言を減らせば、あとで片づける面倒も一つ減りやすくなります。

小象:艮其輔,以中正也。

上九

敦艮,吉。

艮まるに敦し。吉。

厚く誠実な態度で止まります。吉です。

最後の局面でも、どっしりと原則を守る形です。交渉の締めくくりで急に譲らない、やめた習慣に戻らない、などがそうです。この厚みが、よい結末につながりやすくなります。

小象:敦艮之吉,以厚終也。

彖伝

艮,止也。時止則止,時行則行,動靜不失其時,其道光明。艮其止,止其所也。上下敵應,不相與也。是以不獲其身,行其庭不見其人,无咎也。

艮とは止まることです。止まるべき時には止まり、行くべき時には行き、動くも静まるも時を外さなければ、その道は明るく輝きます。「其の止に艮まる」(卦辞の背に止まること)とは、止まるべき所に止まることです。上下の爻は互いに対立して応じ合わず、行き来がありません。だから自分の体も感じず、庭を歩いてもその人々が見えず、咎がないのです。

大象

兼山,艮;君子以思不出其位。

兼ねたる山は艮なり。君子以て思うこと其の位を出でず。

山が二つ重なっているのが艮です。君子はこれを見て、考えることが自分の立場を超えないようにします。

序卦伝:なぜこの順番なのか

物不可以終動,止之,故受之以艮;艮者止也。

物事はいつまでも動き続けることはできず、どこかで止めなければなりません。そこで震の後に艮が続きます。艮とは止まることです。

雑卦伝

震起也,艮止也。

雑卦伝は、震は起こること、艮は止まることと対にします。震は動き出し、艮は静まります。山は歩かず、止まるべき所に来たらそこにとどまります。動と静の対比です。

関連する卦

よくある質問

艮卦が出たら、恋愛はどう読む?

しばらくは新しい進展が起きにくく、気持ちも外に向きにくい時期です。彖伝は上下が「敵応」して応じ合わないと言います。互いに自分の場所に立っている時なので、まず自分の暮らしを整えましょう。 二人ともそれぞれ意地を張りやすい時です。六二は「其心不快」、相手を引っぱろうとしても動かず心が晴れない形です。無理に説得せず、まず自分の側を整えるほうがこじれにくくなります。

艮卦が出たら、仕事はどう読む?

転職や昇進争いの時ではありません。大象の「思不出其位」のとおり、まず今の担当を満たしましょう。どうしても替わりたいなら初六の「艮其趾」、足を出す前に止まって考えるほうが迷いにくくなります。 自分の担当の仕事を丁寧に仕上げることに集中しましょう。ほかの部署に口を出したり、目立とうと急いだりしないほうが無難です。新しい企画は少し寝かせ、手元の仕事をまとめる時です。

艮卦が出たら、待っていることは来る?

遅めです。しばらくは動きがなく、短期で大きな変化は起きにくいでしょう。上九の「敦艮、吉」のとおり、最後まで落ち着いていられる人によい結果が来やすい形です。この間は何度も催促しないことです。

艮卦が出たら、失せ物は見つかる?

見つかる見込みは中くらいで、丁寧に探す必要があります。艮は山や石、門のあたりを表すので、部屋の隅、扉の脇、棚、壁ぎわ、階段の曲がり角を見てみましょう。方角は北東です。

一卦は一つの問いに答え、命盤はあなた自身とこの一年の全体を映します。

生年月日
性別
生まれた時間

生まれた時間がわからない方へ

無料ツールで推測できます。入力した生年月日と性別は引き継がれます。

命盤の設定(上級)

流派によって作り方が違うところです。わからなければそのままで大丈夫。ほかのサイトの命盤と合わないときに合わせられます。

経文は『周易』の通行本によります。現代語訳と読み方は星格が書いた参考で、定説ではありません。