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上 巽(風)・下 艮(山)
漸風山漸
第53卦 · 風山漸

漸卦

鴻(おおとり)が水辺から少しずつ高みへ飛んでいくように、一歩ずつ進む卦です。手順を踏み、正しい道に沿って進むほど、足元が安定しやすくなります。

一つのことを心に、筮竹で一卦立てる

物事は実を結ぶ方向にありますが、一歩ずつ、決められた手順を踏むことが前提です。段階を飛ばしたり近道を選んだりすると、かえってつまずきやすくなります。

よいこと

  • 手順を踏んで進む
  • 決まった手続きに従う
  • 足場を固めてから上へ
  • 結婚は礼を尽くして話す

避けたいこと

  • 段階を飛ばして急ぐ
  • 勢いで結婚や退職をする
  • 話すべきことを省く
  • 一度に手を広げすぎる

仕事とお金

就職・転職
彖伝の「進得位、往有功」のとおり、昇進や転職は段階を踏めば実りやすい時です。今の席で実績を作り、経歴を一段ずつ積みましょう。一度に何段も飛ぶと、足場が不安定になりやすくなります。
起業・商売
彖伝は「止而巽、動不窮」と言います。まず今の店や商品を固め、市場の流れに沿って少しずつ広げましょう。計画どおりに拡大するほうが、長く続きやすくなります。
お金
毎月決まった額を積み立てるなど、長い目で積み上げる管理に向きます。短期で大きく賭けるのは向きません。貯金も運用も、計画どおり少しずつ進めましょう。

恋愛と人間関係

シングル
出会いの見込みはあります。知り合ってから親しくなるまで、一段ずつ進むのに向く時です。友人の紹介や続けている集まりで少しずつ育つ縁が向いていて、初対面で決めようとすると相手が引きやすくなります。
パートナーがいる
先へ進むのに向く時です。互いの家族に会う、お金の話、一緒に住む場所の話を一つずつ。順に話せば結婚へも進みやすいでしょう。飛ばした段階は、あとで埋め直すことになりやすいものです。
復縁
話はできますが、ゆっくりと。九五は長く隔てられても「終莫之勝」と言います。まずは日常的なやりとりから戻し、最初から元どおりを求めないほうが、つながりは戻りやすくなります。
人間関係・協力
初六の「小子厲、有言」のとおり、新しく加わった人はあれこれ言われやすいものです。やり方が正しければ急いで弁解せず、きちんと仕事をするほうが、うわさは自然に減りやすくなります。

暮らし

試験・学業
大象は「居賢徳」と言います。まじめに学ぶ人のそばにいると、その空気に少しずつ染まりやすいものです。資格試験は章ごとに進め、直前の詰め込みに頼らないようにしましょう。
引っ越し・旅行
引っ越しや移住は段階に分けるのに向きます。まず短く住んでみて、次に長めに借り、最後に腰を据える。六四の「或得其桷」のとおり、理想的でなくても足場があれば、まず住んでみましょう。
心身の状態
心身はゆっくり整えるのに向く時です。一度に大きく変えるより、週ごとに睡眠を30分ずつ増やすほうが続きやすいものです。体の不調は先延ばしにせず、受診の予定を入れてください。

昔ながらの占的

待っていること
遅めですが、着実に進んでいます。山の木が日々伸びるのは見えなくても、実は上へ伸び続けているのと同じです。こちらの書類を先にそろえ、催促しすぎないほうが滞りにくくなります。
争い・訴訟
手続きどおり一歩ずつ進めるほうが有利になりやすい時です。九三の「利禦寇」のとおり、立場と証拠を守ることに徹しましょう。自分から攻めたり手順を飛ばしたりすると、損をしやすくなります。
失せ物・尋ね人
見つかる見込みは中くらいで、時間をかけて探す必要があります。艮は山や隅、巽は木や細長い物を表します。木の棚や本棚の裏、壁の隅を探してみましょう。方角は南東寄りです。

決断するとき

段階に分けて進めましょう。各段階の確認点を先に決め、一歩固めてから次へ進むのが、この卦の進め方です。

たとえばこんな人なら

式の準備で両家の意見が割れている二人

漸の卦辞は「女帰吉、利貞」で、結婚そのものは喜ばしいことです。会場、結納、招待客の名簿などは順番を決め、一つずつ話し合いましょう。まず日取りと予算を決め、細かいことはあとから詰めるほうが、まとまりやすくなります。

免許を取ったばかりで高速道路が怖い人

鴻が水辺から一段ずつ高みへ飛ぶように、運転も段階を踏みたいところです。慣れた一般道で落ち着いて走れるようになってから、空いた時間帯に短い区間へ。初めての高速は誰かに同乗してもらいましょう。いきなり夜の長距離に出ると、危うさが増しやすくなります。

これは変爻がないときの読み方です。変爻があれば朱熹の考変占法で読むべき爻を見ます。卦を立てると結果ページで直接わかります。

女歸吉,利貞。

女の帰ぐは吉なり。貞しきに利ろし。

女性が嫁ぐのは吉です。正しさを守るのがよいです。

風山漸(ふうざんぜん)は、上卦が巽(風、木)、下卦が艮(山)です。山の上に木が育ちますが、木は一日で高くはならず、少しずつ伸びていきます。そこから「漸」、だんだんと進むという名がつきました。

初六

鴻漸于干,小子厲,有言,无咎。

鴻干に漸む。小子厲うし。言有れども、咎なし。

鴻が水辺へと次第に進みます。若者は危うく、人に噂されますが、咎はありません。

始めたばかりで経験が浅く、疑われたり陰で言われたりしやすい時期です。やり方が間違っていなければ、批判は書き留めて直す材料にし、急いで言い返さないほうが落ち着きやすくなります。

小象:小子之厲,義无咎也。

六二

鴻漸于磐,飲食衎衎,吉。

鴻磐に漸む。飲食衎衎たり。吉。

鴻が大きな岩へと次第に進み、和やかに飲み食いします。吉です。

安定した居場所を見つけた形です。新しい仕事に慣れた、関係が落ち着いてきた、などがそうです。安心して楽しみつつ、果たすべき役目もきちんと果たしましょう。安定にただ乗りしないことです。

小象:飲食衎衎,不素飽也。

九三

鴻漸于陸,夫征不復,婦孕不育,凶;利禦寇。

鴻陸に漸む。夫征きて復らず、婦孕みて育わず。凶。寇を御ぐに利ろし。

鴻が高く平らな陸へと次第に進みます。夫は出征して戻らず、妻は身ごもっても産み育てられません。凶です。盗賊を防ぐのにはよいです。

場所を誤ったか先を急ぎすぎて、出たきり戻れない、途中で投げ出すことになりやすい形です。勢いで辞めて起業する、チームを離れて一人で動く、などがそうです。今は守りを固め、リスクに備えましょう。

小象:夫征不復,離群醜也。婦孕不育,失其道也。利用禦寇,順相保也。

六四

鴻漸于木,或得其桷,无咎。

鴻木に漸む。或いは其の桷を得。咎なし。

鴻が木へと次第に進みます。平らでまっすぐな枝を得られるかもしれず、咎はありません。

水鳥が木に止まるように、今の環境は自分に合っていないかもしれません。それでも、つなぎの役職や短期の住まいなど、ひとまず足場になる所があるなら、そこに落ち着いてかまいません。

小象:或得其桷,順以巽也。

九五

鴻漸于陵,婦三歲不孕,終莫之勝,吉。

鴻陵に漸む。婦三歳まで孕まず。終に之に勝つ莫し。吉。

鴻が丘へと次第に進みます。妻は3年身ごもりませんが、最後には誰も妨げられません。吉です。

望む結果が、間に入る人や事情に長く阻まれている形です。昇進、関係の修復、案件の承認などがそうです。方向が正しければ、時間はかかっても最後には通りやすくなります。

小象:終莫之勝,吉;得所願也。

上九

鴻漸于陸,其羽可用為儀,吉。

鴻みちに漸む。其の羽用て儀と為すべし。吉。

鴻が空の通い路へと次第に進みます(通行本は「陸」、朱熹は胡氏・程氏に従い「逵」と読みます)。その羽は儀式の飾りに用いることができます。吉です。

すでに高い所まで来ていて、これ以上何かを争う必要はないかもしれません。あなたの仕事の進め方や人柄そのものが、周りの手本になりやすい時です。

小象:其羽可用為儀,吉;不可亂也。

彖伝

漸之進也,女歸吉也。進得位,往有功也。進以正,可以正邦也。其位剛,得中也。止而巽,動不窮也。

漸の進み方は、女性が嫁ぐときのように吉です(礼に従って一歩ずつ進むことです)。進んで正しい位を得れば、行って功があります。正しい道で進めば、国を正すことができます。その位は、剛が中を得ています(九五のことです)。下卦の艮は止まること、上卦の巽は従うことで、落ち着きながら素直に入っていくので、動いても行き詰まりません。

大象

山上有木,漸;君子以居賢德,善俗。

山の上に木有るは漸なり。君子以て賢徳に居りて俗を善くす。

山の上に木があるのが漸です。君子はこれを見て、賢い徳に身を置き、少しずつ世の風俗をよくしていきます。

序卦伝:なぜこの順番なのか

物不可以終止,故受之以漸;漸者進也。

物事はいつまでも止まったままではいられません。前の艮で止まったあとは、また前へ進む時が来ます。そこで艮の後に漸が続きます。漸とは進むこと、それも一歩ずつ進むことです。

雑卦伝

漸女歸待男行也,頤養正也,既濟定也。

雑卦伝は、漸は女性が嫁ぐのに相手の迎えを待って動くことだと言います。だから進み方がゆっくりで、順序があります。同じ一文で、頤は正しく養うこと、既済は落ち着き定まることと並べています。

関連する卦

よくある質問

漸卦が出たら、恋愛はどう読む?

出会いの見込みはあります。知り合ってから親しくなるまで、一段ずつ進むのに向く時です。友人の紹介や続けている集まりで少しずつ育つ縁が向いていて、初対面で決めようとすると相手が引きやすくなります。 先へ進むのに向く時です。互いの家族に会う、お金の話、一緒に住む場所の話を一つずつ。順に話せば結婚へも進みやすいでしょう。飛ばした段階は、あとで埋め直すことになりやすいものです。

漸卦が出たら、仕事はどう読む?

彖伝の「進得位、往有功」のとおり、昇進や転職は段階を踏めば実りやすい時です。今の席で実績を作り、経歴を一段ずつ積みましょう。一度に何段も飛ぶと、足場が不安定になりやすくなります。 昇進や転職はふつうのペースで進め、各段階をしっかり固めましょう。新しい役職では、まず足場を固めてから成果を見せるほうが安定しやすくなります。

漸卦が出たら、待っていることは来る?

遅めですが、着実に進んでいます。山の木が日々伸びるのは見えなくても、実は上へ伸び続けているのと同じです。こちらの書類を先にそろえ、催促しすぎないほうが滞りにくくなります。

漸卦が出たら、失せ物は見つかる?

見つかる見込みは中くらいで、時間をかけて探す必要があります。艮は山や隅、巽は木や細長い物を表します。木の棚や本棚の裏、壁の隅を探してみましょう。方角は南東寄りです。

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