一時の気持ちの高まりで突き進むと、立場も名分も合わないまま損をしやすい時です。長く続けた先にどうなるかを先に考えてから決めましょう。
よいこと
- 長い先の結末を見る
- 立場をはっきりさせる
- 補佐の役を固める
- ひと呼吸置いて返事する
避けたいこと
- 一時の気分で突き進む
- 出しゃばって主導権を取る
- 口約束だけを信じる
- 思いつきで出かける
仕事とお金
- 就職・転職
- よさそうに見える求人に引かれていても、肩書きや権限が思っていたものと違う可能性があります。辞表を出す前に、仕事の中身と試用期間の条件を確かめるほうが、行き違いは起きにくくなります。
- 起業・商売
- 大象は「永終知敝」と言います。続けた先にどんな問題が出るかを、始める前に考えましょう。共同経営や加盟店なら、抜けるときの条件を先に書面にし、最悪の場合を見てから契約すると安心です。
- お金
- 一時の気分でお金を入れるのは避けたい時です。特に条件をよく確かめていない運用や共同出資には慎重に。起こりうる悪い面を先に書き出しておきましょう。
恋愛と人間関係
- シングル
- 彖伝の「説以動」のとおり、心が動くのが早い時です。ただ二人の立場が対等でないかもしれません。相手が独り身か、関係を周りに話せるかを先に確かめ、熱が冷めても続けたいなら進みましょう。
- パートナーがいる
- 関係の中でどちらか一方がずっと我慢し、合わせ続けていると、いずれ無理が出やすいものです。今のうちに家事やお金、これからの暮らし方を話し合い、勢いだけに頼らないようにしましょう。
- 復縁
- 見込みは低めで、戻っても元の問題は残りやすいでしょう。上六の「承筐无実」は空の籠を捧げる姿です。相手が口約束だけで何も変えていないなら、これ以上つぎ込まないほうが無難です。
- 人間関係・協力
- 協力の中で、こちらは脇役かもしれません。初九の「跛能履」のとおり、立場が高くなくても仕事はやり遂げられます。補佐を固めれば、見てくれる人も出てきやすくなります。主導権は奪いにいかないことです。
暮らし
- 試験・学業
- 九二の「眇能視」のとおり、条件が整っていなくても見えるものはあります。希望どおりでないクラスや学部でも、まず静かに自分の分を学びましょう。勢いで受け直しや休学を決めないことです。
- 引っ越し・旅行
- 思いつきの引っ越しや海外行きには不向きで、卦辞の「征凶」がいちばん表れやすい場面です。住まい、ビザ、仕事を先に確かめましょう。行き当たりばったりで動くと、つまずきやすくなります。
- 心身の状態
- 気分の浮き沈みが大きく、うれしい勢いで引き受けすぎて、あとで疲れ果てやすい時期です。大事な返事は一晩置き、睡眠を先に確保しましょう。体がついてこないと感じたら、無理せず医師に相談してください。
昔ながらの占的
- 待っていること
- 思ったより遅く、日程が何度も延びやすい形で、九四は「帰妹愆期」と言います。悪いことばかりではありません。条件がはっきりするまでは、遅れて届くほうがよい場合もあります。
- 争い・訴訟
- こちらに不利で、この件での立場が十分に固まっていない形です。押し切ろうとすると、かえって受け身に回りやすいでしょう。まず専門家に条件を見てもらい、和解できるなら話し合うのが無難です。
- 失せ物・尋ね人
- 見つかる見込みは低めです。兌は沢や口、震は動くものや大通りを表します。流し台や洗面台、かばんの口のあたり、よく通る交差点や車の中を探してみましょう。方角は西寄りです。
決断するとき
今はやめておきましょう。卦辞は自分から押し進めることを戒めています。名分と条件がはっきりしてから考えるほうが無難です。
たとえばこんな人なら
熱に押されて進んでいますが、二人はまだ大げんかの収め方すら経験していません。卦辞が戒めるのは、立場が定まらないまま突き進むことです。住む場所、お金の管理、子どものことを一通り話し、話が続けられるなら日取りを決めるほうが、あとで揉めにくくなります。
注文が多いのはうれしいものですが、作れる数を超えれば、受けた予約はそのまま重荷になります。まず作れる数と、遅れたときの返金方法を計算しましょう。少なめに受けるほうが、一季の売上より長く続く評判を守りやすくなります。
これは変爻がないときの読み方です。変爻があれば朱熹の考変占法で読むべき爻を見ます。卦を立てると結果ページで直接わかります。
征凶,无攸利。
征けば凶。利ろしき攸なし。
進んでいけば凶です。よいところは何もありません。
雷沢帰妹(らいたくきまい)は、上卦が震(雷)、下卦が兌(沢)です。八卦では兌は末娘、震は長男にあたります。沢の上で雷が鳴り、若い娘が喜んで長男についていく姿から「帰妹」、妹を嫁がせるという名になりました。
初九
歸妹以娣,跛能履,征吉。
妹を帰がしむるに娣を以てす。跛にして能く履む。征けば吉。
妹を嫁がせるのに、娣(正室に付き添って嫁ぐ妹で、正室より位が下)として行かせます。足の不自由な人でも歩けるように、進めば吉です。
主役ではなく、立場も高くない形です。副担当やアシスタントなどがそうです。支える役に力を尽くし、自分の分担を固めれば、前へ進めますし、見てくれる人も出てきやすくなります。
小象:歸妹以娣,以恆也。跛能履吉,相承也。
九二
眇能視,利幽人之貞。
眇にして能く視る。幽人の貞に利ろし。
片目がよく見えない人でも、見ることはできます。ひっそり独りで暮らす人が正しさを守るのによいです。
自分の力は悪くないのに、組む相手や環境が合わず、力を出しきれない形です。今は自分の分をわきまえ、静かに仕事をしましょう。無理に合わせる必要はありません。
小象:利幽人之貞,未變常也。
六三
歸妹以須,反歸以娣。
妹を帰がしむるに須つを以てす。反りて帰ぐに娣を以てす。
妹を嫁がせようとして待ち続け(まだ嫁ぎ先がない。一説に「須」は身分の低い女性)、結局は娣として嫁ぐことになります。
よい立場をひたすら望んだのに得られず、結局は低い条件を受け入れることになりやすい形です。だらだら待ち続けるより、自分に何が足りないのかを見極め、補ってから話を進めましょう。
小象:歸妹以須,未當也。
九四
歸妹愆期,遲歸有時。
妹を帰がしむるに期を愆る。遅く帰ぐは時有り。
妹を嫁がせる時期が遅れます。遅れて嫁ぐのは、ふさわしい時を待っているからです。
結婚の日取り、契約、転職が延びても、悪いこととは限りません。安易にうなずかず、合う相手や条件を待っているのなら、その待ち時間には意味があります。
小象:愆期之志,有待而行也。
六五
帝乙歸妹,其君之袂,不如其娣之袂良,月幾望,吉。
帝乙妹を帰がしむ。其の君の袂は、其の娣の袂の良きに如かず。月望に幾し。吉。
帝乙(殷の王)が妹を嫁がせます。正室であるその人の袖の美しさは、付き添う娣の袖に及びません。月はほぼ満月です。吉です。
立場が高くても、見た目や体裁で押し通さない形です。上の人が部下に手柄を譲る、式を控えめにする、などがそうです。中身と誠意を大事にすれば、最後は満ちた形に収まりやすくなります。
小象:帝乙歸妹,不如其娣之袂良也。其位在中,以貴行也。
上六
女承筐无實,士刲羊无血,无攸利。
女筐を承くるに実なし。士羊を刲くに血なし。利ろしき攸なし。
女性が捧げ持つ籠は空で、男性が羊を割いても血が出ません。よいところは何もありません。
約束や形式はあっても、中身がない形です。口では組もうと言いながら契約しない、婚約したのに気持ちが伴わない、などがそうです。これ以上つぎ込まず、実質があるかをまず確かめましょう。
小象:上六无實,承虛筐也。
歸妹,天地之大義也。天地不交,而萬物不興,歸妹人之終始也。說以動,所歸妹也。征凶,位不當也。无攸利,柔乘剛也。
帰妹(妹を嫁がせること)は、天地の大きな道理です。天地が交わらなければ、万物は興りません。嫁ぐことは人の営みの終わりであり、始まりでもあります。喜んで動く、嫁いでいくのは若い娘です。進めば凶なのは、位が正しくないからです。よいところがないのは、柔が剛の上に乗っているからです。
大象澤上有雷,歸妹;君子以永終知敝。
沢の上に雷有るは帰妹なり。君子以て終わりを永くし敝れを知る。
沢の上に雷があるのが帰妹です。君子はこれを見て、長く続けた最後の結末まで考え、そこに生じる弊害を前もって知ります。
序卦伝:なぜこの順番なのか進必有所歸,故受之以歸妹。
進めば必ず落ち着く先があります。嫁ぐことが女性の落ち着き先とされたように。そこで漸の後に帰妹が続きます。
雑卦伝歸妹女之終也,未濟男之窮也。
雑卦伝は、帰妹は女性の一つの終わり、つまり嫁いで落ち着く先を得ることだとし、同じ一文で未済を男性の行き詰まりとします。通行の解釈では、未済の各爻がどれも正しい位にないことから説明されます。
関連する卦よくある質問
帰妹卦が出たら、恋愛はどう読む?
彖伝の「説以動」のとおり、心が動くのが早い時です。ただ二人の立場が対等でないかもしれません。相手が独り身か、関係を周りに話せるかを先に確かめ、熱が冷めても続けたいなら進みましょう。 関係の中でどちらか一方がずっと我慢し、合わせ続けていると、いずれ無理が出やすいものです。今のうちに家事やお金、これからの暮らし方を話し合い、勢いだけに頼らないようにしましょう。
帰妹卦が出たら、仕事はどう読む?
よさそうに見える求人に引かれていても、肩書きや権限が思っていたものと違う可能性があります。辞表を出す前に、仕事の中身と試用期間の条件を確かめるほうが、行き違いは起きにくくなります。 魅力的に見える話に引かれていても、役職や権限、責任の範囲があいまいなことがあります。すぐに引き受けず、条件と役割を先にはっきりさせましょう。
帰妹卦が出たら、待っていることは来る?
思ったより遅く、日程が何度も延びやすい形で、九四は「帰妹愆期」と言います。悪いことばかりではありません。条件がはっきりするまでは、遅れて届くほうがよい場合もあります。
帰妹卦が出たら、失せ物は見つかる?
見つかる見込みは低めです。兌は沢や口、震は動くものや大通りを表します。流し台や洗面台、かばんの口のあたり、よく通る交差点や車の中を探してみましょう。方角は西寄りです。
一卦は一つの問いに答え、命盤はあなた自身とこの一年の全体を映します。
経文は『周易』の通行本によります。現代語訳と読み方は星格が書いた参考で、定説ではありません。