震卦
雷が続けざまに鳴るような、突然の衝撃を語ります。まず恐れて身を引き締めれば、後には笑って話せるようになり、手の中の大事なものも落とさずにすみやすくなります。
一つのことを心に、筮竹で一卦立てる突然の変化や驚きがやってくる局面です。怖くてもかまいません。大事なのは、それを機に気を引き締めて自分を正し、心を落ち着けること。そうすれば手の中の大切なものを落とさず、後で笑って振り返りやすくなります。
よいこと
- 驚いたらまず落ち着く
- 中心の仕事を守る
- 後で振り返って直す
- 備えの余地を残す
避けたいこと
- 慌てたまま決める
- 驚いて立ちすくむ
- うろたえて追い回す
- 過ぎたらすぐ忘れる
仕事とお金
- 就職・転職
- 急な人事、上司の交代、突然の指名があるかもしれません。驚いてもかまいません。卦辞の「不喪匕鬯」のとおり、慌てても手元の中心の仕事は握っておきましょう。そこを守ると、かえって評価されやすくなります。
- 起業・商売
- 市場や取引先が急に動き、しばらく混乱しやすい時です。九四の「震遂泥」、驚いて泥にはまり動けなくなるのがいちばん困ります。まず出血を止めて常連を守り、それから仕組みの穴を探しましょう。
- お金
- 相場や収入が急に揺れるかもしれません。慌てて売ったり、値上がりを追いかけたりせず、まず中心の資産が安全かを確かめましょう。
恋愛と人間関係
- シングル
- 思いがけない出会いで、急に胸が高鳴るかもしれません。雷は動く象なので、待つより自分から声をかけるほうが有利です。ただ熱は早く冷めやすいので、何度か会ってから決めましょう。
- パートナーがいる
- 関係に突然何かが持ち上がり、二人とも驚きやすい時です。動揺した時の言葉は人を傷つけやすいので、まず各自が落ち着きましょう。彖伝の「後有則也」のように、後で二人の決まりを作ると次に生かしやすくなります。
- 復縁
- 急に知らせが届くかもしれませんが、揺さぶられたまま判断しないように。上六は「震索索、視矍矍、征凶」。心が定まらないうちに追うのを戒めています。落ち着いてから戻るかどうか考えましょう。
- 人間関係・協力
- 誰かが抜ける、計画が崩れるなど、協力関係に揺れが出やすい時です。六五は「震往來厲、億无喪、有事」。行くも来るも危ういものの大筋は失われず、手元にやれることが残っていると読めます。
暮らし
- 試験・学業
- 出題形式や試験日が急に変わるかもしれません。六三の「震蘇蘇」、驚いて気が抜けてしまうのがいちばん惜しいところです。いつもどおり進めましょう。「震行无眚」、動き出せば災いは避けやすくなります。
- 引っ越し・旅行
- 便の遅れや予定変更など、移動中に急な変化が起きやすい時です。雷は音が大きくても、驚くだけで済むことが多いもの。時間に余裕を持ち、代わりの手段を用意しておくと出かけやすくなります。
- 心身の状態
- 急な出来事に驚き、なかなか気持ちが落ち着かない時です。大象の「恐懼修省」のとおり、怖さは見直しに使えば十分で、頭の中で何度も再生しないこと。眠れない日が続くなら、医師に相談してください。
昔ながらの占的
- 待っていること
- 知らせは突然届き、驚かされるかもしれません。雷は一つ鳴っては次が鳴ります。先に来た知らせが最終の結果とは限らないので、次の一報を待ってから判断しましょう。
- 争い・訴訟
- 相手が突然仕掛けてきて、一時的に慌てるかもしれません。六二の「躋于九陵、勿逐」のとおり、まず高い所へ退いて足場を固め、取り立てを急がないこと。失ったものも後で取り戻せる見込みがあります。
- 失せ物・尋ね人
- 見つかる見込みは中くらいで、自分で動いて探すことが必要です。玄関、廊下、人の行き来する通り道、竹や木の棚(震)を見てみましょう。方角は東から。
決断するとき
揺れている最中は大きな決断を控えましょう。驚きが過ぎて状況が見えてから、次の一手を決めるほうが無難です。
たとえばこんな人なら
急に指名されて、まず心臓が跳ねるのは自然です。震為雷は驚いた後に笑える卦です。進行表、お二人の名前、主な親族の呼び方だけは確かめ、あとは肩の力を抜いて。小さな言い間違いも、笑って続ければ場は和みやすくなります。
怖いと感じるのは自然なことです。その怖さを備えに変えましょう。防災袋、家具の固定、避難の道筋など、できることを済ませると気持ちは落ち着きやすくなります。眠れない日が長く続くなら、かかりつけ医に話してみてください。
これは変爻がないときの読み方です。変爻があれば朱熹の考変占法で読むべき爻を見ます。卦を立てると結果ページで直接わかります。
亨。震來虩虩,笑言啞啞。震驚百里,不喪匕鬯。
亨る。震の来たるとき虩虩たり。笑言唖唖たり。震、百里を驚かし、匕鬯を喪わず。
通じます。雷が来ると、人はおびえて辺りを見回します(虩虩)が、その後は笑って話せます(唖唖)。雷鳴が百里を驚かせても、祭りを主宰する人は手の匕(鼎の肉をすくうさじ)と鬯(神に供える香り酒)を落としません。
震為雷(しんいらい)は、上卦も下卦も震(雷)です。震は雷であり、動くこと。一本の陽爻が二本の陰爻の下から突き上げ、雷が地の底から鳴り響くようです。それが上下に重なり、雷鳴が途切れずに続くことから「震」と呼ばれます。
初九
震來虩虩,後笑言啞啞,吉。
震の来たるとき虩虩たり。後に笑言唖唖たり。吉。
雷が来るとおびえて見回し、その後は笑って話せます。吉です。
突然のことが起きて、まず驚くのは自然です。本気で受け止めて気を張るからこそ、片づいた後に笑って振り返りやすくなります。
小象:震來虩虩,恐致福也。笑言啞啞,後有則也。
六二
震來厲,億喪貝,躋于九陵,勿逐,七日得。
震の来たること厲うし。億りて貝を喪い、九陵に躋る。逐うことなかれ。七日にして得。
雷の来方が危ういです。推し量ると(億。朱熹は字義不詳とし、ここでは程頤に従います)財貨(貝)を失い、九重の高い丘に登ります。追ってはいけません。七日で取り戻します。
突然の変化で、お金や物を失うかもしれません。まず安全な場所で自分を守り、急いで取り返そうとしないこと。騒ぎが収まれば、戻るべきものは戻りやすくなります。
小象:震來厲,乘剛也。
六三
震蘇蘇,震行无眚。
震いて蘇蘇たり。震いて行けば眚なし。
雷に驚いて心が散り散りになります(蘇蘇)。恐れて動き、改めれば、災い(眚)はありません。
驚いて手も足も出ず、自分の立ち位置がずれていると感じる時です。その驚きを力に変え、間違っていたところをこの機に直すと、立て直しやすくなります。
小象:震蘇蘇,位不當也。
九四
震遂泥。
震いて遂に泥む。
雷の後、そのまま泥にはまって奮い立てません。
衝撃が来たのに、細かな用事や先延ばしに足を取られて動けない状態です。いちばん足を引っぱっている一つを見つけ、まずそれを片づけましょう。
小象:震遂泥,未光也。
六五
震往來厲,億无喪,有事。
震往くも来たるも厲うし。億りて喪うことなく、事有り。
雷が行くにも来るにも危ういです。推し量れば(億)失うものはなく、なすべき事を守れます。
立て続けの衝撃で足元が定まらない時です。中心となる仕事と原則を守り、やるべきことを一つずつ終わらせれば、損失は小さく抑えやすくなります。
小象:震往來厲,危行也。其事在中,大无喪也。
上六
震索索,視矍矍,征凶。震不于其躬,于其鄰,无咎。婚媾有言。
震いて索索たり。視ること矍矍たり。征けば凶。震其の躬に于てせず、其の隣に于てすれば、咎なし。婚媾言有り。
雷に気力が抜け(索索)、目はおびえて辺りを見回します(矍矍)。進めば凶です。雷が自分の身に及ばず、隣に落ちたうちに戒めれば、咎はありません。縁組みの相手方との間では不満の声が出ます。
すでに気持ちが乱れていて、無理に突き進むと失敗しやすい時です。人がつまずくのを見たら、まず自分を見直しましょう。それでも、身近な人からは何か言われやすいものです。
小象:震索索,中未得也。雖凶无咎,畏鄰戒也。
震,亨。震來虩虩,恐致福也。笑言啞啞,後有則也。震驚百里,驚遠而懼邇也。出可以守宗廟社稷,以為祭主也。
震は通じます。雷が来るとおびえて見回すのは、恐れることで福を招くからです。笑って話せるのは、その後に決まりができるからです。雷鳴が百里を驚かすとは、遠くの人を驚かし、近くの人を恐れさせることです。(長男が)出て宗廟と社稷を守り、祭りの主宰者となれるのです。
大象洊雷,震;君子以恐懼修省。
洊雷は震なり。君子以て恐懼して修省す。
雷が重ねて鳴るのが震です。君子はこれを見て、恐れ慎み、身を修めて省みます。
序卦伝:なぜこの順番なのか主器者莫若長子,故受之以震;震者動也。
鼎のような祭器を受け持つのに、長男ほどふさわしい者はいません。そこで鼎の後に震が続きます。震は長男を表し、動くという意味です。
雑卦伝震起也,艮止也。
雑卦伝は、震は起こること、艮は止まることと対にします。震は一本の陽爻がいちばん下から突き上げ、物事が動き出す姿。艮は陽爻が頂上で止まります。二つの卦は形が上下逆さまです。
関連する卦よくある質問
震卦が出たら、恋愛はどう読む?
思いがけない出会いで、急に胸が高鳴るかもしれません。雷は動く象なので、待つより自分から声をかけるほうが有利です。ただ熱は早く冷めやすいので、何度か会ってから決めましょう。 関係に突然何かが持ち上がり、二人とも驚きやすい時です。動揺した時の言葉は人を傷つけやすいので、まず各自が落ち着きましょう。彖伝の「後有則也」のように、後で二人の決まりを作ると次に生かしやすくなります。
震卦が出たら、仕事はどう読む?
急な人事、上司の交代、突然の指名があるかもしれません。驚いてもかまいません。卦辞の「不喪匕鬯」のとおり、慌てても手元の中心の仕事は握っておきましょう。そこを守ると、かえって評価されやすくなります。 急な出来事や組織の変更、突然の指名があるかもしれません。まず落ち着いて最も中心の仕事を片づけ、この機に業務の穴を点検しましょう。
震卦が出たら、待っていることは来る?
知らせは突然届き、驚かされるかもしれません。雷は一つ鳴っては次が鳴ります。先に来た知らせが最終の結果とは限らないので、次の一報を待ってから判断しましょう。
震卦が出たら、失せ物は見つかる?
見つかる見込みは中くらいで、自分で動いて探すことが必要です。玄関、廊下、人の行き来する通り道、竹や木の棚(震)を見てみましょう。方角は東から。
一卦は一つの問いに答え、命盤はあなた自身とこの一年の全体を映します。
経文は『周易』の通行本によります。現代語訳と読み方は星格が書いた参考で、定説ではありません。