物事が始まったばかりで、混乱や難しさがあるのは当然です。急いで突き進まず、まず骨組みを作り、負担を分け合える人を見つけましょう。正しさを守れば、この時期を越えやすくなります。
よいこと
- 足場を先に固める
- 人と役割を分ける
- 小さく分けて進める
- 代わりの案を用意する
避けたいこと
- 急いで広げる
- 一人で抱え込む
- 混乱の中で大きな決断
- 案内なしに踏み込む
仕事とお金
- 就職・転職
- 新しい職場の初めは混乱し、ルールも見えにくい時期で、すぐまた転職するのは向きません。卦辞の「利建侯」のように、面倒を見てくれる先輩を見つけ、最初の混乱を越えてから去就を考えましょう。
- 起業・商売
- 創業期がいちばん苦しく、資金も人手も段取りも詰まりがちです。店や商品を増やすのは後回しにして、核になる仲間をそろえ、分担を決めること。雷雨が過ぎてから芽は伸びます。
- お金
- 立ち上げ期は出ていくお金が多く、戻りは遅いものです。むやみに広げたり大きく注ぎ込んだりせず、まず手元の資金繰りを守りましょう。
恋愛と人間関係
- シングル
- 出会いはあっても、リズムが乱れ、タイミングが合いにくい時期です。六二の「乘馬班如」のように行きつ戻りつ。関係を急いで確かめなくても、本気の相手ならゆっくりでも戻ってきやすいでしょう。
- パートナーがいる
- 同居や結婚、子どもの誕生など、関係が新しい段階に入って慣らしている時で、摩擦が多いのは自然です。家事やお金の分け方を言葉にし、混乱の最中に大きな決断はしないこと。
- 復縁
- 可能性はありますが、今取り戻しに動くと行き詰まりやすい時です。六二は「十年乃字」、長い時間をかけて実るとします。まずお互い頭を冷やし、状況が整ってから話しましょう。
- 人間関係・協力
- 協力関係が始まったばかりで、役割があいまいなのがいちばん危ういところです。誰が何を受け持ち、お金をどう分けるかを早めに書き出し、最後に決められる人を一人置きましょう。
暮らし
- 試験・学業
- 新しい科目に触れたばかりで混乱し、進みが遅いのは自然です。六三の「即鹿无虞」のとおり、案内役なしに林へ入れば迷います。先生や勉強会について進めましょう。
- 引っ越し・旅行
- 引っ越しや遠出では、天気、交通、手続きなど急なトラブルが起きやすい時です。出かけてかまいませんが、時間と代わりの案に余裕を持ち、日程を詰め込まないように。
- 心身の状態
- やることが増えると頭が散らかり、眠りも浅くなりがちで、胸に雨雲が垂れこめたような時期です。やることを小さく分け、一度に一つずつ。生活リズムを先に整え、体調がすぐれなければ医療機関へ。
昔ながらの占的
- 待っていること
- 来ますが、一度にはそろわず、止まったり動いたりしながらです。雷雨が過ぎ、人手や資源がそろってから動き出す形で、遅めと見ておきましょう。
- 争い・訴訟
- 状況はまだ混沌として、証拠も立場も整っていません。すぐに争いを始めるのは不利です。まず資料を集め、詳しい人に後ろ盾になってもらい、時が熟してから話を進めましょう。
- 失せ物・尋ね人
- 時間をかけて探せば見つかる見込みがあります。がらくたの下、湿った所や水回り(坎)、玄関や通路などよく人が通る所(震)を、一つずつ崩しながら当たってみてください。
決断するとき
方向は今決めてかまいませんが、大きく動くのはまだです。卦辞は「勿用有攸往」と戒めます。準備をし、支えを集め、条件がそろってから動きましょう。
たとえばこんな人なら
毎日が火消しで、道を間違えたのではと不安になっています。屯は、始めが乱れるのは当たり前で、失敗の印ではないと語ります。二号店の話は置いて、任せられる人を一人迎え、いちばん時間を食う作業を整えましょう。ここを越えれば伸びていきやすくなります。
暮らしも授業も人間関係もゼロから組み直しで、どこへ行ってもつまずく気がします。これは屯の自然な段階です。先輩や同じ寮の人に案内してもらい、まず生活リズムを決めること。全部を一度に片づけなくてかまいません。
これは変爻がないときの読み方です。変爻があれば朱熹の考変占法で読むべき爻を見ます。卦を立てると結果ページで直接わかります。
元亨,利貞。勿用有攸往,利建侯。
元いに亨る。貞しきに利ろし。往く攸有るに用うることなかれ。侯を建つるに利ろし。
大いに通じます。正しさを守るのがよいです。急いでどこかへ進もうとしてはいけません。諸侯を立て、治めることを人と分け合うのがよいです。
水雷屯(すいらいちゅん)は、上卦が坎(水)、下卦が震(雷)です。震は雷で動き、坎は水で険しさ。下で雷が動き、上に雨雲が集まる、険の中でもがきながら頭を出そうとする姿です。そこで「屯」、悩み苦しむことを名にしています。
初九
磐桓,利居貞,利建侯。
磐桓たり。貞に居るに利ろし。侯を建つるに利ろし。
行きつ戻りつして進みにくいです。正しさを守ってとどまるのがよく、諸侯を立てるのがよいです。
始めた途端につまずいています。無理に押さず、まず足場と原則を固めること。同時に腰を低くして、一緒にやってくれる人を探し、土台を組みましょう。
小象:雖磐桓,志行正也。以貴下賤,大得民也。
六二
屯如邅如,乘馬班如,匪寇婚媾,女子貞不字,十年乃字。
屯如たり邅如たり。馬に乗りて班如たり。寇するに匪ず婚媾せんとす。女子貞にして字せず。十年にして乃ち字す。
行き悩み、ぐるぐると回り、馬に乗っても進みあぐねています。来たのは盗賊ではなく、結婚を申し込みに来た者です。娘は正しさを守って承知せず、十年たってようやく承知します。
好意や協力の申し出があっても、すぐには決めきれない時です。急いで返事をせず、自分の判断を守りましょう。筋の通った話なら、時間がかかってもまとまりやすいものです。
小象:六二之難,乘剛也。十年乃字,反常也。
六三
即鹿无虞,惟入于林中,君子幾不如舍,往吝。
鹿に即くに虞なし。惟だ林中に入る。君子は幾をみて舎つるに如かず。往けば吝。
鹿を追うのに山林の番人の案内がなく、ただ林の中へ迷い込むだけです。君子は兆しを見て、やめるに越したことはないと知ります。強いて進めば恥をかきます。
情報も詳しい案内役もないまま、評判だけで副業や転職に飛び込もうとする形です。おかしいと感じたらそこで止まること。追うほど収拾がつきにくくなります。
小象:即鹿无虞,以從禽也。君子舍之,往吝窮也。
六四
乘馬班如,求婚媾,往,吉无不利。
馬に乗りて班如たり。婚媾を求めて往けば、吉にして利ろしからざるなし。
馬に乗って進みあぐねています。結婚の相手を求めて進めば吉で、よくないことは何もありません。
自分だけでは手に負えないことは、ふさわしい仲間や相手に自分から声をかける時です。体面を脇に置いて頼めば、よい結果になりやすいでしょう。
小象:求而往,明也。
九五
屯其膏;小貞吉,大貞凶。
其の膏を屯す。小貞は吉、大貞は凶。
恵みがたまったまま行き渡りません。小さなことで正しさを守れば吉、大きなことで押し通せば凶です。
力も資源もあるのに、詰まって外へ出ていかない状態です。まず小さく確実にできることを。今大きな計画や出費を押し進めるのは危ういので、状況がゆるむのを待って広げましょう。
小象:屯其膏,施未光也。
上六
乘馬班如,泣血漣如。
馬に乗りて班如たり。泣血漣如たり。
馬に乗って進みあぐね、血の涙を流して泣き続けます。
行き詰まりの極みで、進んでも退いてもつらい状態です。小象のとおり長くは続きません。その場で泣き暮らすより現状を認め、人に助けを求めるか、思い切って道を変えましょう。
小象:泣血漣如,何可長也。
屯,剛柔始交而難生,動乎險中,大亨貞。雷雨之動滿盈,天造草昧,宜建侯而不寧。
屯とは、剛と柔が交わり始めたばかりで、困難が生まれる時です。険の中で動きますが、正しさを守れば大いに通じます。雷と雨が動いて天地に満ちあふれ、天が万物を造り始めたばかりで、草が乱れたようにまだ暗く定まりません。このような時は諸侯を立てるのがよく、安んじていてはいけません。
大象雲雷,屯;君子以經綸。
雲雷は屯なり。君子以て経綸す。
雲と雷が交わるのが屯です。君子はこれを見て、もつれた糸を整えるように筋道を立て、治める計画に取りかかります。
序卦伝:なぜこの順番なのか盈天地之間者,唯萬物,故受之以屯;屯者盈也,屯者物之始生也。
天地の間に満ちているのは万物です。そこで乾坤の後に屯が続きます。屯は満ちることであり、物が生まれ出たばかりの姿でもあります。天地が開け、万物がひしめいて芽を出すとき、最初に出会うのが始まりの難しさです。
雑卦伝屯見而不失其居,蒙雜而著。
屯は芽が地上に現れながら、根を張った場所を離れません。蒙は暗さと明るさが入りまじり、やがて明らかになります。屯は頭を出してもその場を守り、蒙は混沌の中で少しずつ見えてくる、という対比です。
関連する卦よくある質問
屯卦が出たら、恋愛はどう読む?
出会いはあっても、リズムが乱れ、タイミングが合いにくい時期です。六二の「乘馬班如」のように行きつ戻りつ。関係を急いで確かめなくても、本気の相手ならゆっくりでも戻ってきやすいでしょう。 同居や結婚、子どもの誕生など、関係が新しい段階に入って慣らしている時で、摩擦が多いのは自然です。家事やお金の分け方を言葉にし、混乱の最中に大きな決断はしないこと。
屯卦が出たら、仕事はどう読む?
新しい職場の初めは混乱し、ルールも見えにくい時期で、すぐまた転職するのは向きません。卦辞の「利建侯」のように、面倒を見てくれる先輩を見つけ、最初の混乱を越えてから去就を考えましょう。 新しい企画や仕事の立ち上げは、初めのうちつまずきやすいものです。役割分担をはっきりさせ、仕組みを作り、頼れる助っ人を見つけるほうが、一人で突っ走るより実を結びます。
屯卦が出たら、待っていることは来る?
来ますが、一度にはそろわず、止まったり動いたりしながらです。雷雨が過ぎ、人手や資源がそろってから動き出す形で、遅めと見ておきましょう。
屯卦が出たら、失せ物は見つかる?
時間をかけて探せば見つかる見込みがあります。がらくたの下、湿った所や水回り(坎)、玄関や通路などよく人が通る所(震)を、一つずつ崩しながら当たってみてください。
一卦は一つの問いに答え、命盤はあなた自身とこの一年の全体を映します。
経文は『周易』の通行本によります。現代語訳と読み方は星格が書いた参考で、定説ではありません。