従うことと支えることの卦です。正しい方向についていき、主導する人とうまく合わせて、土台を厚くする。先陣を切るのには向かず、前に出ると迷いやすく、後ろについたほうが得るものがあります。
よいこと
- 合う人について動く
- 着実に積み上げる
- 包み込んで合わせる
- 不満は早めに伝える
避けたいこと
- 先頭を取りにいく
- とことん争う
- ひたすら譲る
- 結果を急ぐ
仕事とお金
- 就職・転職
- 既存の仕組みの中で実務を担う仕事、たとえば運営、サポート、実行役に向きます。卦辞の「先迷後得主」のとおり、目立つ席を急がず、まず入って合う人についていけば、道が見えてきやすくなります。
- 起業・商売
- 自分が先頭で開拓するのには向きません。経験のある相手と組む、フランチャイズや取引先として入るほうが安定します。商談では相手の求めをよく聞き、それを受けとめて形にしましょう。
- お金
- 守りを固め、着実に積み上げる時期です。土を育てるように、ゆっくりで大丈夫。勢いで始めることや、自分が先頭に立って危ない橋を渡ることには向きません。
恋愛と人間関係
- シングル
- ご縁は知り合いの輪からゆっくり近づいてくる形が向いています。卦辞の「西南得朋」のとおり、友人の紹介や人が集まる場のほうが合います。ただ合わせすぎて、自分を見失わないように。
- パートナーがいる
- 包み込み、家の日常を支えるのは強みで、関係はそれで安定しやすくなります。ただ上六の「龍戦于野」は、譲り続けて最後に爆発し、双方が傷つく形です。不満は早めに伝えましょう。
- 復縁
- 強く引き戻そうとするのは向きません。まず自分の暮らしを整え、穏やかなつながりを保って、相手から近づいてくるのを待ちます。卦辞は「安貞吉」。結果を急ぐほど迷いやすくなります。
- 人間関係・協力
- チームを支える役割にとても向いていて、周りから頼られます。主張のある人に方向を任せ、細部を受けとめる。ただ雑用を全部押しつけられないよう、線は引いておきましょう。
暮らし
- 試験・学業
- 厚く積み上げる卦で、範囲が広く、暗記や演習量の多い試験に向きます。先生やカリキュラムの進度に沿って、大地のように一歩ずつ土台を高くしていくのが合っています。
- 引っ越し・旅行
- 引っ越しは、平らな土地で生活環境の整った場所が向きます。旅行はツアーや人が組んだ日程に乗るのがよいでしょう。坤は流れに沿って進む卦で、自分で道を開くより順調です。
- 心身の状態
- 人のことまで背負い込み、疲れても口に出しにくい時期です。六四の「括囊」のように抱える量を減らし、早めに寝て、外を歩く時間を作りましょう。体調がすぐれないときは医療機関へ。
昔ながらの占的
- 待っていること
- 来ますが、ゆっくりです。坤は大地で、季節が一巡してようやく収穫になります。今のペースで動きつつ合う人とのつながりを保ち、相手や決定権のある人が先に動くのを待つ形になりやすいでしょう。
- 争い・訴訟
- 自分から仕掛けたり、とことん争ったりするのは向きません。上六の「其血玄黄」は、争いの末に双方が血を流す形です。重みのある人に間に入ってもらい、根本を損なわない所で譲って和解を探りましょう。
- 失せ物・尋ね人
- 見つかる見込みはありますが、時間をかけて探すことになりそうです。低い所、床、棚の下段、衣類や布、袋と一緒にしまった中を当たってみてください。坤は布や袋を表します。
決断するとき
進めてかまいませんが、経験のある人や、すでに決まった方向について行くのがよく、自分から先に道を切り開こうとしないことです。
たとえばこんな人なら
早く実力を示し、新しいやり方を提案したくなる時期です。坤はまずチームのペースに合わせ、任された仕事を確実にこなし、誰が主導しているかを見きわめるよう促します。「先迷後得主」、信頼されてから変化の話を。
坤は、支えること自体が力だと語ります。家全体を支えているのはあなたです。ただ「履霜、堅冰至」のとおり、小さな我慢も重なれば凍りつきます。限界が来る前に、家族と分担を話し合っておきましょう。
これは変爻がないときの読み方です。変爻があれば朱熹の考変占法で読むべき爻を見ます。卦を立てると結果ページで直接わかります。
元亨,利牝馬之貞。君子有攸往,先迷後得主,利。西南得朋,東北喪朋。安貞吉。
元いに亨る。牝馬の貞に利ろし。君子往く攸有り。先んずれば迷い、後るれば主を得。利ろし。西南には朋を得、東北には朋を喪う。貞に安んずれば吉。
大いに通じる。牝馬のように従順で粘り強く正しさを守るのがよい。君子に行く所があるとき、先に立てば迷い、後ろについて行けば導き手を得て、よい。西南では仲間を得、東北では仲間を失う。正しさに安んじていれば吉。
坤為地(こんいち)は、上卦も下卦も坤(地)で、六本の爻がすべて陰です。坤は大地。地勢はなだらかで何でも載せて支えるので、この卦の象は「順」、素直に従う力とされます。
初六
履霜,堅冰至。
霜を履みて堅氷至る。
霜を踏めば、やがて堅い氷がやって来ることがわかります。
小さな問題がもう兆しを見せています。一度の先延ばし、一言のそっけなさ。今なら手間は最小で済むので、少しずつ積み重なって大ごとになる前に向き合いましょう。
小象:履霜堅冰,陰始凝也。馴致其道,至堅冰也。
六二
直方大,不習无不利。
直方大なり。習わずして利ろしからざるなし。
まっすぐで、きちんとしていて、大きい。わざわざ習わなくても、うまくいかないことはありません。
もともとのやり方で合っています。人の型をまねる必要はなく、自分の誠実なやり方で働き、人と接していれば、物事は自然に運びやすくなります。
小象:六二之動,直以方也。不習无不利,地道光也。
六三
含章,可貞。或從王事,无成有終。
章を含みて貞にすべし。或いは王事に従うも、成すことなくして終わり有り。
才能を内に秘めて、正しさを守ることができます。あるいは王の仕事に従っても、手柄を自分のものとせず、最後までやり遂げます。
力はあっても、今は目立とうとしない時です。上司やチームの仕事を最後まで仕上げ、手柄は譲る。時機が来れば、自然と出番が回ってきやすくなります。
小象:含章可貞,以時發也。或從王事,知光大也。
六四
括囊,无咎无譽。
嚢を括る。咎もなく誉れもなし。
袋の口をしっかり縛ります。咎もなく、誉れもありません。
しばらくは口数を減らし、立場を表明せず、手も出さない。状況が見えないときはなおさらです。拍手はもらえませんが、面倒は避けられます。
小象:括囊无咎,慎不害也。
六五
黃裳,元吉。
黄裳、元吉なり。
黄色の裳(もすそ)を着ます。大いに吉。黄は中央の色、裳は下に着る衣で、中にいて謙虚に従うことを表します。
立場も実力もありながら、腰を低く、人に穏やかに接する。地位にいて偉ぶらないことが今いちばんの方法で、物事も人の心もついてきやすくなります。
小象:黃裳元吉,文在中也。
上六
龍戰于野,其血玄黃。
竜野に戦う。その血玄黄なり。
竜が野で戦い、流れた血は黒と黄が混じり合っています。
譲り続けてきた側が我慢の限界に来て、強い側とぶつかり、双方が傷つく形です。まだ話せるうちに本音を伝え、決裂するまで抱え込まないことです。
小象:龍戰于野,其道窮也。
用六
利永貞。
永く貞しきに利ろし。
永く正しさを守るのがよい。
坤の六爻がすべて変わる場合です。やわらかさは最後に揺るがない強さへ変わります。人に合わせるのはかまいませんが、長い目で見た自分の原則を手放さないことが、よい結果につながります。
小象:用六永貞,以大終也。
至哉坤元,萬物資生,乃順承天。坤厚載物,德合无疆;含弘光大,品物咸亨。牝馬地類,行地无疆,柔順利貞。君子攸行,先迷失道,後順得常。西南得朋,乃與類行,東北喪朋,乃終有慶。安貞之吉,應地无疆。
坤の根源は、なんと極まったものでしょう。万物はこれによって生まれ育ち、坤は素直に天を受けとめます。坤は厚く万物を載せ、その徳は天の果てしなさと一つになります。広く包み、明るく大きく、万物はみな通じます。牝馬は大地に属する動物で、果てしなく大地を駆け、やわらかく従順で、正しさを守るのがよいのです。君子が事を行うとき、先に立てば道を見失い、後ろについて従えば常の道を得ます。西南で仲間を得るのは、同類とともに行くからです。東北で仲間を失っても、最後には喜びがあります。正しさに安んじる吉は、大地の果てしなさに応じるものです。
大象地勢坤,君子以厚德載物。
地勢は坤なり。君子以て徳を厚くして物を載す。
大地の地勢はやわらかく従順で、厚みがあります。君子はこれを見て、厚い徳で人や物事を載せ支えます。
序卦伝:なぜこの順番なのか有天地,然後萬物生焉。
天地があって、はじめて万物が生まれます。坤は大地で、乾とともに万物の始まりとなります。天は上で始め、地は下で受けとめるので、坤は乾のすぐ後に置かれています。
雑卦伝乾剛坤柔,比樂師憂。
乾は剛、坤は柔。坤の性格は柔順そのもので、乾の剛健とちょうど対になります。乾が先に立って始め、坤はそれを受けとめて育てます。
関連する卦よくある質問
坤卦が出たら、恋愛はどう読む?
ご縁は知り合いの輪からゆっくり近づいてくる形が向いています。卦辞の「西南得朋」のとおり、友人の紹介や人が集まる場のほうが合います。ただ合わせすぎて、自分を見失わないように。 包み込み、家の日常を支えるのは強みで、関係はそれで安定しやすくなります。ただ上六の「龍戦于野」は、譲り続けて最後に爆発し、双方が傷つく形です。不満は早めに伝えましょう。
坤卦が出たら、仕事はどう読む?
既存の仕組みの中で実務を担う仕事、たとえば運営、サポート、実行役に向きます。卦辞の「先迷後得主」のとおり、目立つ席を急がず、まず入って合う人についていけば、道が見えてきやすくなります。 実行役やサポート役として、チームの仕事を着実に仕上げるのに向く時期です。主導権を急いで取りにいかず、目立つことより信頼を積むほうが大切です。
坤卦が出たら、待っていることは来る?
来ますが、ゆっくりです。坤は大地で、季節が一巡してようやく収穫になります。今のペースで動きつつ合う人とのつながりを保ち、相手や決定権のある人が先に動くのを待つ形になりやすいでしょう。
坤卦が出たら、失せ物は見つかる?
見つかる見込みはありますが、時間をかけて探すことになりそうです。低い所、床、棚の下段、衣類や布、袋と一緒にしまった中を当たってみてください。坤は布や袋を表します。
一卦は一つの問いに答え、命盤はあなた自身とこの一年の全体を映します。
経文は『周易』の通行本によります。現代語訳と読み方は星格が書いた参考で、定説ではありません。