人を組織し、チームで大きなことに取り組む卦です。理由は正しく、規律ははっきりと、率いる人は経験があって頼れること。そうであれば吉で、咎もありません。
よいこと
- 決まりを作ってから動く
- 経験ある人に任せる
- 権限と責任を分ける
- 名分を立てる
避けたいこと
- 指示役が何人もいる
- 向かない人に任せる
- 理由なく争いを始める
- 規律がゆるむ
仕事とお金
- 就職・転職
- 師は兵を率いる卦で、管理職や取りまとめ役の求人に向いています。面接では熱意を語るより、率いた人数や自分で作った仕組みを具体的に話すほうが伝わります。
- 起業・商売
- 始めてよいのですが、兵を出すときのように名分と規律を先に。勝ち筋を説明でき、分担が書面になっていること。初六の「師出以律」のとおり、仕組みが整う前に開業すると、儲かっても守りにくくなります。
- お金
- お金の動かし方には規律を。計画どおりに進め、思いつきで動かさないことです。共同で出資するなら、信頼できる一人に帳簿を任せ、ルールを書面にしておきましょう。
恋愛と人間関係
- シングル
- 組織と決まりが中心の卦で、恋愛には少し硬めです。一対一で無理に誘うより、友人の集まりやサークルなど、大勢がいる場で知り合うほうが自然です。
- パートナーがいる
- 家の中で、どちらかが指示を出す側になりがちです。大きなことは落ち着いているほうが主導し、もう一方が合わせるのはよいとしても、相手を部下のように扱わないことです。
- 復縁
- 師には内に坎の険があり、無理に取り戻そうとすると攻防戦になりやすいでしょう。見込みは高くありません。二人とも信頼する年長者や友人に間に入ってもらい、一度きちんと話せるなら別です。
- 人間関係・協力
- 協力するなら、みんなが納得する一人に先頭を任せ、権限と責任をはっきりさせること。六五は「長子帥師、弟子輿尸」。指示を出す人が何人もいる状態が、いちばんつまずきやすいところです。
暮らし
- 試験・学業
- 規律で支える長期の準備に向いています。時間割を作り、決まった時間に机に向かうこと。初六の「師出以律」のとおり、定期的に模試で確かめ、緩んだ科目はすぐ立て直しましょう。
- 引っ越し・旅行
- 移動は行軍のように計画が大切です。日程、予算、誰が何を担当するかを先に決めておきましょう。団体旅行は順調に運びやすく、思いつきでルートを変えるとトラブルが出やすくなります。
- 心身の状態
- 責任を背負って気が張り、よく眠れない時期です。仕事を人に振り分け、生活は決めた時間割どおりに。自分がゆるむ時間も少し残しておきましょう。体に不調があれば、早めに受診を。
昔ながらの占的
- 待っていること
- 自然には来ません。水が地の下に隠れているように、誰かが人や資源をまとめて初めて動き出します。遅めで、体制が整い、旗を振る人が現れるのを待つ形です。
- 争い・訴訟
- 筋が通っているなら、根拠をもって主張してかまいません。六五は「利執言」。証拠と言い分を示しましょう。ただ兵を出すのはやむを得ないときだけ。話し合えるなら話し合い、事情を知らない人に代わりに出てもらわないことです。
- 失せ物・尋ね人
- 見つかる見込みは半々です。水が地の中にある象で、低い所、地下、水回りの近く、人の多い雑然とした場所にありそうです。一人で探すより、周りの人に声をかけて一緒に探すほうが見つかりやすいでしょう。
決断するとき
動いてかまいませんが、先に三つ確かめましょう。理由は正当か、決まりは整っているか、任せる人は頼れるか。
たとえばこんな人なら
師の卦辞は「丈人」、経験のある人に率いさせよと言い、今その役は自分です。まずルール、分担、進み具合の目安を決めましょう。メンバーには寛大に、基準は緩めずにいると、人がついてきやすくなります。
住民の意見は多く、立場もさまざまです。大象は「容民畜衆」。まず規約と会議の進め方を整え、会計を公開しましょう。住民には寛大に、決まりは曲げずに。仕事が多ければ係を分け、一人で抱え込まないことです。
これは変爻がないときの読み方です。変爻があれば朱熹の考変占法で読むべき爻を見ます。卦を立てると結果ページで直接わかります。
貞,丈人吉,无咎。
貞なり。丈人なれば吉にして咎なし。
兵を用いるには正しさを守ること。経験を積み威信のある人が率いれば吉で、咎はありません。
地水師(ちすいし)は、上卦が坤(地)、下卦が坎(水)です。水が地の下に隠れているのは、ふだん兵が民の中に潜んでいる姿です。陽爻は九二の一本だけで、下卦の真ん中から五本の陰爻をまとめ、将が大勢を率いる形になります。
初六
師出以律,否臧,凶。
師出づるに律を以てす。否臧なれば凶。
兵を出すには規律によります。規律が乱れていれば凶です。
大勢で取り組むことを始めるなら、最初にすべきは決まりと役割分担を固めることです。出だしで乱れると、後から立て直すのは難しくなります。
小象:師出以律;失律,凶也。
九二
在師中吉,无咎;王三錫命。
師に在りて中なれば吉にして咎なし。王三たび命を錫う。
軍の中にあって中道を守り、吉で咎はありません。王は三度、命を下してほめたたえます。
実際にチームを率いる立場で、上からも信頼されています。加減を心得てメンバーを支えれば、働きは認められ、重く用いられやすくなります。
小象:在師中吉,承天寵也。王三錫命,懷萬邦也。
六三
師或輿尸,凶。
師或いは尸を輿す。凶。
軍が車に屍を載せて帰ることがあります。凶です。
力や立場が足りないのに無理に指揮を執ると、全体が崩れやすい形です。主導権をより向いている人に渡すか、まず範囲を絞りましょう。
小象:師或輿尸,大无功也。
六四
師左次,无咎。
師左き次る。咎なし。
軍が退いて陣を構えます。咎はありません。
形勢が悪いときに退いて守るのは、負けを認めることではありません。人と資源を守り、局面がよくなってから動けばよいのです。
小象:左次无咎,未失常也。
六五
田有禽,利執言,无咎。長子帥師,弟子輿尸,貞凶。
田に禽有り。言を執るに利ろし。咎なし。長子は師を帥い、弟子は尸を輿す。貞なれども凶。
田畑に鳥獣が入り込んだので、捕らえるのがよく、兵を出す名分があり、咎はありません。長子に軍を率いさせるべきで、ほかの者が口を出せば屍を載せて帰ることになり、正しくても凶です。
手を打つのはかまいませんが、理由は正当であること。肝心なのは、責任を負える一人に任せきることです。指示系統が分かれたり素人が口を出したりすれば、正しいことでもうまくいきません。
小象:長子帥師,以中行也。弟子輿尸,使不當也。
上六
大君有命,開國承家,小人勿用。
大君命有り。国を開き家を承く。小人は用うることなかれ。
天子が命を下して手柄を論じ、功の大きい者は国を開き、小さい者は家を継ぎます。小人を用いてはいけません。
一区切りがつき、手柄を分けたり人を昇進させたりする段階です。実際の貢献に応じて報い、立ち回りだけがうまい人を要職に就けないこと。後で乱れのもとになります。
小象:大君有命,以正功也。小人勿用,必亂邦也。
師,眾也。貞,正也。能以眾正,可以王矣。剛中而應,行險而順,以此毒天下,而民從之,吉又何咎矣。
師とは大勢の人のことで、貞とは正しさのことです。大勢を正しい道へ導くことができれば、王となることができます。剛爻の九二が中の位にあり、六五と応じ合っています。険しい所を進みながらも道理に従い、そのやり方で天下の人々を使っても、民はやはり従います。吉であり、どうして咎があるでしょうか。
大象地中有水,師;君子以容民畜眾。
地中に水有るは師なり。君子以て民を容れ衆を畜う。
地の中に水があるのが師です。君子はこれを見て、民を受け入れ、大勢の人を養います。
序卦伝:なぜこの順番なのか訟必有眾起,故受之以師;師者眾也。
争いがあれば、必ず大勢の人が立ち上がります。そこで訟の後に師が続きます。師とは大勢の人のことで、人が増えれば率いる人が必要になります。
雑卦伝乾剛坤柔,比樂師憂。
比と師が対にされます。比は互いに親しみ合うので楽しく、師は大勢を動かして戦いに出るので憂いがあります。同じく人が集まっても、一方は寄り添い、一方は兵を出すのです。
関連する卦よくある質問
師卦が出たら、恋愛はどう読む?
組織と決まりが中心の卦で、恋愛には少し硬めです。一対一で無理に誘うより、友人の集まりやサークルなど、大勢がいる場で知り合うほうが自然です。 家の中で、どちらかが指示を出す側になりがちです。大きなことは落ち着いているほうが主導し、もう一方が合わせるのはよいとしても、相手を部下のように扱わないことです。
師卦が出たら、仕事はどう読む?
師は兵を率いる卦で、管理職や取りまとめ役の求人に向いています。面接では熱意を語るより、率いた人数や自分で作った仕組みを具体的に話すほうが伝わります。 プロジェクトを率いる、チームをまとめるのに向く時期です。ただ先にルールと権限、責任を決めておくこと。経験のある一人が全体を見て、指示を出す人が何人もいる状態は避けましょう。
師卦が出たら、待っていることは来る?
自然には来ません。水が地の下に隠れているように、誰かが人や資源をまとめて初めて動き出します。遅めで、体制が整い、旗を振る人が現れるのを待つ形です。
師卦が出たら、失せ物は見つかる?
見つかる見込みは半々です。水が地の中にある象で、低い所、地下、水回りの近く、人の多い雑然とした場所にありそうです。一人で探すより、周りの人に声をかけて一緒に探すほうが見つかりやすいでしょう。
一卦は一つの問いに答え、命盤はあなた自身とこの一年の全体を映します。
経文は『周易』の通行本によります。現代語訳と読み方は星格が書いた参考で、定説ではありません。