升卦
木が地中から芽を出して少しずつ伸びるように、段階を踏んで上がっていく時を語ります。時機に従って小さく積めば、上へ向かう道は開けやすいものです。
一つのことを心に、筮竹で一卦立てる上へ向かう時機です。木のように少しずつ背を伸ばしていく局面で、引き上げてくれる人を訪ねるのに向いています。心配しすぎず着実に進めば、小さな積み重ねが大きな成果になりやすいでしょう。
よいこと
- 引き上げてくれる人を訪ねる
- 一歩ずつ積み重ねる
- 手順を踏んで昇格する
- 本業を磨き続ける
避けたいこと
- 一足飛びを狙う
- 贈り物で道をつける
- 順調さに気を抜く
- 頂上でなお急ぐ
仕事とお金
- 就職・転職
- 昇進や、よりよいポストへ移る機会は本物です。卦辞の「用見大人」のとおり、担当したい仕事を上司に伝え、先輩に推薦を頼むのに向きます。経験が浅くても「勿恤」、遠慮しすぎないほうが道は開けやすくなります。
- 起業・商売
- 常連を一人ずつ増やし、客層を一段ずつ広げるように、着実に育てる商売に向きます。大象の「積小以高大」のとおり、一気に話題になるより、毎月少しずつ伸びるほうが根づきやすいものです。
- お金
- 毎月の積み立てのように、長く少しずつ積む方法に向きます。収入が上向く機会もありますが、順調だからといって一度に大きく賭けないことです。
恋愛と人間関係
- シングル
- 出会いが少しずつ増え、関係もゆっくり温まりやすい時期です。木が土から伸びるには時間がかかります。友人として何度か会い、気持ちが育ってから伝えると、受け止めてもらいやすくなります。
- パートナーがいる
- 関係が上向いていて、同居や家族への紹介、結婚の準備など次の段階を話すのに向きます。無理のない歩調で一つずつ進め、お金と住まいのことを先に話しておくと、進みやすくなります。
- 復縁
- 少しずつ戻れる見込みはあります。条件は、こちらが本当に変わったこと。九二の「孚乃利用禴」のとおり、誠があれば簡素な礼で足ります。大きな贈り物より、近況を気にかけるほうが届きやすいものです。
- 人間関係・協力
- 自分より経験のある人と組むのに向きます。初六の「允升」は、上の人が引き上げ、こちらも素直に合わせる形です。よく聞いてよく動けば、成果は自然と認められやすくなります。
暮らし
- 試験・学業
- 試験や進学は順調に進みやすい時です。彖伝の「柔以時升」のとおり、計画どおり一章ずつ。六五の「升階」のように一段固めてから次へ進むと、積み上げた土台が点数に表れやすくなります。
- 引っ越し・旅行
- 旅行も引っ越しも進めやすい時です。九三の「升虛邑」は、さえぎる者のない邑に入る形です。ただ順調な時ほど身分証の忘れや日付の勘違いが起きやすく、出発前に確かめると取りこぼしが減りやすくなります。
- 心身の状態
- 調子が上向く時期で、新しい生活リズムや運動の習慣を作り、少しずつ量を増やすのに向きます。勢いに任せた夜ふかしは控えめに。体の不調が続くなら、一度医師に相談すると安心です。
昔ながらの占的
- 待っていること
- 知らせは何度かに分けて近づき、小さなものが先、大きなものが後に来やすい形です。上六の「冥升」は止まることを知らない上り方。何度も問い合わせるより、手元の仕事に力を戻すほうが疲れにくくなります。
- 争い・訴訟
- 立場はこちらに有利で、手続きに沿って申し立てる、調停や弁護士に頼むのに向きます。六四の「王用亨于岐山」のように礼を守れば上の支持を得やすく、勢いで相手を追い詰めないほうがまとまりやすくなります。
- 失せ物・尋ね人
- 見つかる見込みは高めです。巽は木や細長い物、坤は地や布です。東南にある木の家具の下、床の上、布類の山の中など、低い場所を探してみましょう。
決断するとき
安心して前へ進んでよい時です。ふさわしい人に助けを求め、一歩ずつ進めましょう。
たとえばこんな人なら
両立は大変ですが、升は木が少しずつ伸びる卦で、この道は上へ向かっています。単位を一つ取るごとに卒業に近づき、身についた時間の使い方は就職後にも生きます。疲れた時は歩みをゆるめても、止めずに続けるほうが届きやすくなります。
字は一画ずつ積み上がるもので、3年の土台は無駄になりません。大象の「積小以高大」のとおり、いつもの調子で出品作を書き、先生に見てもらって直しましょう。初めての出品は落ち着いて仕上げることを大事にすると、次につながりやすくなります。
これは変爻がないときの読み方です。変爻があれば朱熹の考変占法で読むべき爻を見ます。卦を立てると結果ページで直接わかります。
元亨,用見大人,勿恤,南征吉。
元いに亨る。用て大人を見る。恤うるなかれ。南征すれば吉。
大いに通じます。徳と地位のある大人に会うのによく、憂えることはありません。南へ進めば吉です。
地風升(ちふうしょう)は、上卦が坤(地)、下卦が巽(風、木)です。木が地の中から生え出て、日ごとに背を伸ばしていく姿で、「升」、のぼるという意味です。
初六
允升,大吉。
允に升る。大吉。
まことに升ります(允は「まこと」の意)。大いに吉です。
上の人が引き上げようとしてくれていて、こちらも素直に合わせられる形で、爻辞は大吉とします。上へ行く機会は本物で、ついて学び、ついて動くほど道は開けやすくなります。
小象:允升大吉,上合志也。
九二
孚乃利用禴,无咎。
孚あれば乃ち禴を用うるに利ろし。咎なし。
誠があれば、簡素な禴の祭り(夏の質素な祭り)を行うのがよく、咎はありません。
頼りになるのは中身と誠意で、贈り物や見栄えで自分を飾る必要はありません。仕事をきちんとこなしていれば、上の人の目にも届きやすくなります。
小象:九二之孚,有喜也。
九三
升虛邑。
虚邑に升る。
人のいない邑に升っていきます(さえぎるものがありません)。
前がひらけていて、止める人もほとんどいない状態です。安心して進めますが、順調な時ほど細かい確認が抜けやすいので、要所だけは見直しておくと安心です。
小象:升虛邑,无所疑也。
六四
王用亨于岐山,吉无咎。
王用て岐山に亨す。吉にして咎なし。
王が岐山で祭りを行います(亨は「享」、まつる意)。吉で、咎はありません。
上に立つ人のそばで、その人の仕事を滞りなく整える役回りです。礼を尽くして分をわきまえれば、この位置で成果を出しやすくなります。
小象:王用亨于岐山,順事也。
六五
貞吉,升階。
貞しければ吉。階に升る。
正しさを守れば吉です。階段を一段ずつ升ります。
昇進や昇格の時が来ています。決まった手順を一段ずつ踏んで足場を固めるほうが、近道を探すより地に足がつきやすいものです。
小象:貞吉升階,大得志也。
上六
冥升,利于不息之貞。
冥くして升る。息まざるの貞に利ろし。
暗いまま升り続けます。そのやまない力は、たゆまず正しさを守ることに向けるのがよいです。
上まで来たのに、なお上へと急ぐ形で、自分の姿が見えにくくなりやすい時です。肩書きや規模を追うより、その力を本業を磨くことに回すほうが、崩れにくくなります。
小象:冥升在上,消不富也。
柔以時升,巽而順,剛中而應,是以大亨。用見大人,勿恤;有慶也。南征吉,志行也。
柔が時機に従って升っていきます。下は巽で従い、上は坤で順い、剛が中にあって応じる相手がいます。だから大いに通じるのです。大人に会うのによく、憂えることがないのは、喜びごとがあるからです。南へ進めば吉なのは、志が行われるからです。
大象地中生木,升;君子以順德,積小以高大。
地中に木を生ずるは升なり。君子以て徳をつつしみ、小を積みて以て高大にす。
地の中に木が生えるのが升です。君子はこれを見て、徳を慎んで修め(「順」は朱熹によれば「慎」に通じます)、小さなことを積み重ねて高く大きなものにします。
序卦伝:なぜこの順番なのか聚而上者,謂之升,故受之以升。
前の萃は集まることです。集まったものがさらに上へ積み重なっていくのを升といいます。そこで萃の後に升が続きます。
雑卦伝萃聚,而升不來也。
雑卦伝は、萃は集まること、升は来ないこと、と対にします。萃は人や物をここへ寄せ集めること、升は自ら上へ伸びていき、戻ってこないことです。集まる動きと、離れて上る動きの対比です。
関連する卦よくある質問
升卦が出たら、恋愛はどう読む?
出会いが少しずつ増え、関係もゆっくり温まりやすい時期です。木が土から伸びるには時間がかかります。友人として何度か会い、気持ちが育ってから伝えると、受け止めてもらいやすくなります。 関係が上向いていて、同居や家族への紹介、結婚の準備など次の段階を話すのに向きます。無理のない歩調で一つずつ進め、お金と住まいのことを先に話しておくと、進みやすくなります。
升卦が出たら、仕事はどう読む?
昇進や、よりよいポストへ移る機会は本物です。卦辞の「用見大人」のとおり、担当したい仕事を上司に伝え、先輩に推薦を頼むのに向きます。経験が浅くても「勿恤」、遠慮しすぎないほうが道は開けやすくなります。 昇進を目指す、上司に企画を出す、先輩に教えを請うのに向く時です。一度に飛び級を狙うより、毎日少しずつ伸びるほうが安定しやすくなります。
升卦が出たら、待っていることは来る?
知らせは何度かに分けて近づき、小さなものが先、大きなものが後に来やすい形です。上六の「冥升」は止まることを知らない上り方。何度も問い合わせるより、手元の仕事に力を戻すほうが疲れにくくなります。
升卦が出たら、失せ物は見つかる?
見つかる見込みは高めです。巽は木や細長い物、坤は地や布です。東南にある木の家具の下、床の上、布類の山の中など、低い場所を探してみましょう。
一卦は一つの問いに答え、命盤はあなた自身とこの一年の全体を映します。
経文は『周易』の通行本によります。現代語訳と読み方は星格が書いた参考で、定説ではありません。