勢いがよい方へ向かっていて、影響力を広げたり、物事を前へ進めたりする機会があります。自分から動き、人を率いてよい時ですが、正しさは守ること。卦辞はよい時期に終わりがあることも告げているので、順調なうちに下り坂の日の備えをしておきましょう。
よいこと
- 勢いに乗って進める
- 自分で現場に行く
- 後輩の面倒を見る
- 順調なうちに退路を用意
避けたいこと
- 甘い言葉で人を釣る
- 好調が続くと思い込む
- 報告を聞くだけで済ます
仕事とお金
- 就職・転職
- 勢いはこちらにあり、昇進の相談や人を率いるポストに手を挙げるのに向いています。ただ卦辞には「至于八月有凶」とあります。順調なうちに次の一手と退路を用意しておくと安心しやすくなります。
- 起業・商売
- 臨は陽の気が伸びる卦で、商売も数字が伸び始めています。店を増やす、人を増やすのも一案です。ただ繁忙期はいずれ過ぎるので、閑散期を越えられるだけの資金を手元に残しておくと崩れにくくなります。
- お金
- 収入が上向いているかもしれませんが、ずっと続くとは考えないこと。順調なうちに予備のお金を残しておきましょう。
恋愛と人間関係
- シングル
- 下の兌は喜び、上の坤は従うことで、互いに気持ちが通いやすい時です。自分から近づけば機会はあります。初九と九二の「咸臨」のとおり、話術より本心で感じ合うほうが続きやすくなります。
- パートナーがいる
- 気持ちが温まってきていて、大きな計画を一緒に立てるのに向く時です。六三の「甘臨」が戒めるように、耳に心地よいことを言うだけでは足りません。約束したことを守るほど信頼は深まりやすくなります。
- 復縁
- 見込みはあり、互いの気持ちはまだ近づく方へ向いています。六四の「至臨」のとおり、友人づてではなく自分で会って話すこと。口約束だけだと、持ち直しても長続きしにくくなります。
- 人間関係・協力
- 人の面倒を見る立場に押し出されつつあります。大象は「容保民无疆」。性格の違う人も受け入れていくと、協力の輪は広がりやすくなります。
暮らし
- 試験・学業
- 伸びが加速している時期で、今かけた時間がいちばん返ってきます。調子のよいうちに苦手な科目を埋めておくと、調子が落ちた時にも慌てにくくなります。
- 引っ越し・旅行
- 旅行も引っ越しもおおむね順調で、人が集まり発展している街に向かうのに向いています。ただ卦辞の「至于八月有凶」のとおり、よい時期には区切りがあります。契約や予定は長く縛りすぎないほうが動きやすくなります。
- 心身の状態
- 気力が戻ってきていて、つい仕事を引き受けすぎる時期です。調子のよいうちに生活リズムを固め、無理を重ねないこと。体の不調があれば、我慢せず医師に相談しましょう。
昔ながらの占的
- 待っていること
- 来ます。一歩ずつ近づいていて、速さはだんだん上がっていく形です。ただよい時機には期限があるので、知らせが来たら様子見をせず、すぐ受け止めましょう。
- 争い・訴訟
- こちらが優位で、相手も歩み寄りやすい時です。有利なうちに話をまとめましょう。流れが変わるまで引き延ばすと、手持ちの材料は減りやすくなります。
- 失せ物・尋ね人
- 見つかる見込みはあります。低い場所や水のそば、洗面台や流しの周り、床の隅を探してみてください。家の女性や、よく話をする人に聞くと手がかりが得られやすくなります。
決断するとき
進めてよく、今はよい時機です。進めながら引き返す道も考えておき、好調を永遠のものと思わないことです。
たとえばこんな人なら
臨は、上に立つ人が下へ近づいて面倒を見る時です。一人ひとりと話し、どこでつまずいているかを見るほうが、会議で掛け声をかけるより届きます。雰囲気のよいうちに段取りを決めておくと、忙しい時期も回りやすくなります。
下が兌、上が坤で、一方は喜び一方は従う形です。相手も好意を持っている見込みは高めで、自分から動いてよい時です。大げさな約束で飾らず、飾らない言葉で。六三の「甘臨」は長続きしにくい形です。
これは変爻がないときの読み方です。変爻があれば朱熹の考変占法で読むべき爻を見ます。卦を立てると結果ページで直接わかります。
元亨。利貞。至于八月有凶。
元いに亨る。貞しきに利ろし。八月に至りて凶有り。
大いに通じます。正しさを守るのがよろしい。八月になると凶があります。
地沢臨(ちたくりん)は、上卦が坤(地)、下卦が兌(沢)です。沢の上に地があり、岸の土地が高いところから水に臨んでいるので「臨(りん)」といいます。下の二本の陽爻が伸びてきていて、勢いがしだいに強まる形です。
初九
咸臨,貞吉。
咸じて臨む。貞にして吉。
感じ合う心で臨みます。正しさを守って吉です。
影響力を持ち始めたところで、頼りになるのは本心で人を納得させることです。正しいやり方を守り、小手先の駆け引きを急がなければ、ついてくる人は自然と増えやすくなります。
小象:咸臨貞吉,志行正也。
九二
咸臨,吉无不利。
咸じて臨む。吉にして利ろしからざるなし。
感じ合う心で臨みます。吉で、よろしくないことはありません。
状況はとてもよく、誠意も力も受け入れられています。思いきって進めてかまいませんが、支えになっているのは互いの信頼で、上の言うことをうのみにすることではありません。
小象:咸臨,吉无不利;未順命也。
六三
甘臨,无攸利。既憂之,无咎。
甘くして臨む。利ろしき攸なし。既に之を憂うれば、咎なし。
甘い言葉で人に臨みます。よろしいところはありません。すでにそれを憂えているなら、咎はありません。
機嫌取りや大きな約束で人を率いたり、気を引いたりしても長くはもちません。そうしていると気づいたらすぐ改め、ありのままを話しましょう。早く直すほど、問題は長引きにくくなります。
小象:甘臨,位不當也。既憂之,咎不長也。
六四
至臨,无咎。
至りて臨む。咎なし。
自ら下に出向いて臨みます。咎はありません。
自分で見に行き、自分で手を動かす時です。報告を聞くだけ、離れて指示するだけにせず、現場に足を運べば、見誤ることは少なくなりやすいものです。
小象:至臨无咎,位當也。
六五
知臨,大君之宜,吉。
知りて臨む。大君の宜なり。吉。
知恵をもって臨みます。これは偉大な君主にふさわしいやり方で、吉です。
主導する立場にあり、何もかも自分でやる必要はありません。誰に何が向いているかを見きわめて任せ、自分は方向を握っておくほうが、全体はうまく回りやすくなります。
小象:大君之宜,行中之謂也。
上六
敦臨,吉无咎。
敦くして臨む。吉にして咎なし。
厚い真心で臨みます。吉で、咎はありません。
すでに一歩引いた、高い位置にいます。後に続く人の面倒を見る、人を支えるといった、温かく誠実な関わり方が、いちばん持ち味を発揮しやすい時です。
小象:敦臨之吉,志在內也。
臨,剛浸而長。說而順,剛中而應,大亨以正,天之道也。至于八月有凶,消不久也。
臨は、陽の剛い気がしだいに伸びていくことです。下は喜び、上は従い、剛が中にあって上と応じ合っています。大いに通じて正しいのは、天の道です。八月になると凶があるのは、陽の気が退く日が遠くないからです。
大象澤上有地,臨;君子以教思无窮,容保民无疆。
沢の上に地有るは臨なり。君子以て教思窮まりなく、民を容れ保んずること疆なし。
沢の上に地があるのが臨です。君子はこれを見て、民を教え導こうとする思いが尽きることなく、民を包み守ることに限りがありません。
序卦伝:なぜこの順番なのか有事而後可大,故受之以臨;臨者大也。
序卦伝は、事業があってこそ大きくなれるので、蠱の後に臨が続く、臨とは大きいことだ、と言います。蠱で傷んだものを立て直し、取り組むべき事ができてはじめて、勢いが伸びていきます。
雑卦伝臨、觀之義,或與或求。
雑卦伝は、臨と観の意味は、一方は与え、一方は求めることだ、と言います。朱熹の読みでは、臨は自分から近づいて人の面倒を見るので与えること、観は人がこちらを仰ぎ見て求めてくることです。どちらの卦にも与えると求めるの両面があるとする解釈もあります。
関連する卦よくある質問
臨卦が出たら、恋愛はどう読む?
下の兌は喜び、上の坤は従うことで、互いに気持ちが通いやすい時です。自分から近づけば機会はあります。初九と九二の「咸臨」のとおり、話術より本心で感じ合うほうが続きやすくなります。 気持ちが温まってきていて、大きな計画を一緒に立てるのに向く時です。六三の「甘臨」が戒めるように、耳に心地よいことを言うだけでは足りません。約束したことを守るほど信頼は深まりやすくなります。
臨卦が出たら、仕事はどう読む?
勢いはこちらにあり、昇進の相談や人を率いるポストに手を挙げるのに向いています。ただ卦辞には「至于八月有凶」とあります。順調なうちに次の一手と退路を用意しておくと安心しやすくなります。 管理職に手を挙げる、新人を育てる、新しい案件を進めるのに向いています。勢いのあるうちに土台を固めましょう。数字を追うだけにならないことです。
臨卦が出たら、待っていることは来る?
来ます。一歩ずつ近づいていて、速さはだんだん上がっていく形です。ただよい時機には期限があるので、知らせが来たら様子見をせず、すぐ受け止めましょう。
臨卦が出たら、失せ物は見つかる?
見つかる見込みはあります。低い場所や水のそば、洗面台や流しの周り、床の隅を探してみてください。家の女性や、よく話をする人に聞くと手がかりが得られやすくなります。
一卦は一つの問いに答え、命盤はあなた自身とこの一年の全体を映します。
経文は『周易』の通行本によります。現代語訳と読み方は星格が書いた参考で、定説ではありません。