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上 巽(風)・下 兌(沢)
中孚風沢中孚
第61卦 · 風沢中孚

中孚卦

心の底から出た誠は、いちばん鈍いものまで動かすと語る卦です。真心は難所を越える力になりますが、信じる相手や守るものを誤ると、かえってつまずきやすくなります。

一つのことを心に、筮竹で一卦立てる

物事が進むかどうかは、本気かどうか、言ったことを守るかどうかにかかっています。誠が足りていれば、少し難しいことも前へ押し出せます。ただ守るのは正しい約束であるべきで、手放すべきこだわりに固執すると、つまずきやすくなります。

よいこと

  • 言ったことを守る
  • 相手をよく見定める
  • 状況を正直に話す
  • 得たものを分け合う

避けたいこと

  • 二股をかける
  • できる以上のことを言う
  • 気分で態度が変わる
  • 口約束をうのみにする

仕事とお金

就職・転職
面接では、実際にやってきたことを飾らずに話すほうが伝わります。初九の「虞吉」のとおり、応募前に会社をよく調べ、決めたら集中を。あちこちに同時に条件を出して回ると、信用を落としやすくなります。
起業・商売
信頼が前提の提携や長期契約に向き、約束は書面に落としておきましょう。彖伝の「乗木舟虚」は中が空の舟で、だから浮かびます。得をしようという思いをいったん置き、条件を正直に並べるほうが話はまとまりやすくなります。
お金
信頼できる相手との協力に向き、やり取りは書面ではっきりさせておきましょう。出どころのわからない話や、口約束だけの儲け話には近づかないほうが安心です。

恋愛と人間関係

シングル
テクニックより真心が効く時で、中孚は心の中が誠実であることです。新しく知り合った人には自分の状況を正直に話し、演じなくてかまいません。気の合う人なら自然に応えてくれやすいものです。
パートナーがいる
九五の「有孚攣如」は、言ったことを守ることで二人が結ばれる姿です。小さな約束ほど大事にしましょう。信頼にひびが入ると、けんかよりも直すのに時間がかかりやすくなります。
復縁
見込みはありますが、真心で応える必要があります。相手が見ているのは言葉が本当かどうかで、まず小さなことで約束を守ることから。六三のように進んだり止まったりを繰り返すと、相手は離れやすくなります。
人間関係・協力
九二の「鳴鶴在陰、其子和之」のとおり、誠実な人は大声を出さなくても、合う仲間が応えてくれます。協力して得たものは分け合いましょう。そのほうが結びつきは強くなりやすいものです。

暮らし

試験・学業
目標を実力より高く掲げすぎないことです。上九は鶏が天に昇ろうとする姿を戒めます。模試の結果がどこであれ、そこから一段ずつ計画を組むほうが、自分に正直なぶん伸びやすくなります。
引っ越し・旅行
卦辞に「利渉大川」とあり、海を越える遠出にも向きます。同行者とは予算と役割を先に決めて守りましょう。宿や切符は、安さより評判の確かな所を選ぶほうが安心です。
心身の状態
思っていることと口にすることが食い違うと、いちばん疲れやすくなります。本当の気持ちを信頼できる一人に話し、生活のリズムを整えましょう。眠れない日や体の重さが続く時は、医師に相談してください。

昔ながらの占的

待っていること
双方の気持ちがかみ合ってはじめて返事が来る形です。六四は月がほぼ満ちる姿で、かなり近くまで来ています。こちらが信頼できると相手が確かめれば、返事は届きやすくなります。
争い・訴訟
大象の「議獄緩死」は、裁きはよく話し合い、急がないということです。言い切って関係を断つ前に、事実を確かめてから誠意をもって話しましょう。確かな証拠があれば、相手も譲りやすくなります。
失せ物・尋ね人
見つかる見込みは中くらいからやや高めです。巽は縄や長い木、兌は口を表します。南東の方角、ひもを掛けている所、細長い木の家具のそば、袋やカップなど口の開いた入れ物の中を見てみましょう。

決断するとき

本心から出た、人に恥じない決断なら、進めてよい時です。多少の難しさがあっても、試してみる価値はあります。

たとえばこんな人なら

子どもとの約束を何度も先延ばしにしてきた親

中孚は、誠は豚や魚にまで届くと語ります。子どもが言葉を信じなくなったのは、先延ばしが重なったからかもしれません。次はできることだけを約束し、週末に公園へ行くと決めたら時間どおりに出かけましょう。それを重ねれば、言葉はまた信じてもらいやすくなります。

新しいマンションで隣近所とよい関係を作りたい人

沢の上を風が渡ると、水面の全体にそれが伝わります。特別な品を用意するより、越してきた時に短くあいさつし、ごみ出しや騒音の決まりを守りましょう。小さな約束を守る姿は、少しずつ近所に伝わりやすいものです。

これは変爻がないときの読み方です。変爻があれば朱熹の考変占法で読むべき爻を見ます。卦を立てると結果ページで直接わかります。

豚魚吉,利涉大川,利貞。

豚魚にして吉。大川を渉るに利ろし。貞しきに利ろし。

誠が豚や魚にまで届いて、吉です。大きな川を渡るのによく、正しさを守るのがよいです。

風沢中孚(ふうたくちゅうふ)は、上卦が巽(風)、下卦が兌(沢)です。風が沢の上を渡り、水面が一面に波立ちます。中の二本が陰で空、上下が陽で満ちた形が、心は虚で誠が満ちる姿に見えるので「中孚」、孚は誠という意味です。

初九

虞吉,有它不燕。

虞れば吉。它有れば燕からず。

信じる相手をよく見定めれば吉です。ほかに心を移せば、安らかではいられません。

組む相手や付き合う相手を、最初によく確かめる段階です。決めたらそこに集中を。並行してほかの候補を探し続けると、どちらとも落ち着かない関係になりやすくなります。

小象:初九虞吉,志未變也。

九二

鳴鶴在陰,其子和之,我有好爵,吾與爾靡之。

鳴鶴陰に在り、其の子之に和す。我に好爵有り、吾爾と之に靡かん。

鶴が木陰で鳴くと、その子が声を合わせて応えます。わたしにはよい酒杯(皆が慕う徳のたとえ)があり、わたしもあなたもそれに心を引かれます。

本心は大声で言わなくても、合う人には届きます。よい機会や手に入れたものを仲間と分け合う気持ちがあれば、その誠意で結びつきは強くなりやすいものです。

小象:其子和之,中心願也。

六三

得敵,或鼓或罷,或泣或歌。

敵を得たり。或いは鼓し或いは罷め、或いは泣き或いは歌う。

相手に出会い、太鼓を打って進んだかと思えば止まり、泣いたかと思えば歌います。

相手の出方に気持ちを振り回され、攻めたり引いたり、沈んだり浮かれたりしている状態です。大事な返事や決定は、気持ちの波がいちばん大きい時を避け、落ち着いてからのほうが後悔しにくくなります。

小象:或鼓或罷,位不當也。

六四

月幾望,馬匹亡,无咎。

月望に幾し。馬匹亡う。咎なし。

月がほぼ満ちようとしています。並んで引く馬の一頭がいなくなります(仲間から離れます)。咎はありません。

上の立場にかなり近づき、選ぶ時が来ています。これまでの仲間内から少し距離を置き、上への責任に専念する形です。寂しさはあっても、その選び方は間違いになりにくいものです。

小象:馬匹亡,絕類上也。

九五

有孚攣如,无咎。

孚有りて攣如たり。咎なし。

誠があって、互いに固く結ばれています。咎はありません。

人をまとめる立場で、頼りになるのは言ったことを守る姿勢です。チームや相手との信頼は少しずつ積み上がるもので、その場の都合で例外を作らないほうが崩れにくくなります。

小象:有孚攣如,位正當也。

上九

翰音登于天,貞凶。

翰音天に登る。貞しけれども凶。

鶏(翰音)が天に昇ろうとします。正しさを守っても凶です。

評判が実力より先に膨らんでいるか、とうに見直すべきことに固執している形です。鶏は空高くは飛べません。言うことを実際にできる範囲に戻し、やり方を変えるほうが落ちる高さは低くすみやすくなります。

小象:翰音登于天,何可長也。

彖伝

中孚,柔在內而剛得中。說而巽,孚乃化邦也。豚魚吉,信及豚魚也。利涉大川,乘木舟虛也。中孚以利貞,乃應乎天也。

中孚は、柔が卦の内にあり、剛が上下卦の中の位を得ています。下は喜び、上は従って入り込むので、誠が国じゅうを感化します。豚や魚にまで吉というのは、誠が豚や魚にまで届くということです。大きな川を渡るのによいのは、木でできた中の空いた舟に乗るようなものだからです。中孚で正しさを守るのがよいのは、それで天に応じるからです。

大象

澤上有風,中孚;君子以議獄緩死。

沢上に風有るは中孚なり。君子以て獄を議し死を緩くす。

沢の上に風があるのが中孚です。君子はこれを見て、裁きをよく話し合い、死刑の判断はゆるやかに慎重にします。

序卦伝:なぜこの順番なのか

節而信之,故受之以中孚。

前の節は、節度を設けて決まりを立てることでした。決まりは、皆が本心から信じて守ってこそ根づきます。そこで節の後に中孚が続きます。中孚とは、心の中の誠です。

雑卦伝

小過過也,中孚信也。

雑卦伝は、中孚は信、小過は過ぎることと対にします。中孚は心の中に満ちた誠を語り、小過はふるまいが普段より少し度を越すことを語ります。二つの卦は陰陽の爻がちょうど反対になっています。

関連する卦

よくある質問

中孚卦が出たら、恋愛はどう読む?

テクニックより真心が効く時で、中孚は心の中が誠実であることです。新しく知り合った人には自分の状況を正直に話し、演じなくてかまいません。気の合う人なら自然に応えてくれやすいものです。 九五の「有孚攣如」は、言ったことを守ることで二人が結ばれる姿です。小さな約束ほど大事にしましょう。信頼にひびが入ると、けんかよりも直すのに時間がかかりやすくなります。

中孚卦が出たら、仕事はどう読む?

面接では、実際にやってきたことを飾らずに話すほうが伝わります。初九の「虞吉」のとおり、応募前に会社をよく調べ、決めたら集中を。あちこちに同時に条件を出して回ると、信用を落としやすくなります。 取引先や同僚との間では、信用がいちばんの財産です。口のうまさより、約束を果たすほうが道は開けやすい時です。互いの信頼が前提になる提携の話を進めるのにも向きます。

中孚卦が出たら、待っていることは来る?

双方の気持ちがかみ合ってはじめて返事が来る形です。六四は月がほぼ満ちる姿で、かなり近くまで来ています。こちらが信頼できると相手が確かめれば、返事は届きやすくなります。

中孚卦が出たら、失せ物は見つかる?

見つかる見込みは中くらいからやや高めです。巽は縄や長い木、兌は口を表します。南東の方角、ひもを掛けている所、細長い木の家具のそば、袋やカップなど口の開いた入れ物の中を見てみましょう。

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