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上 巽(風)・下 巽(風)
巽巽為風
第57卦 · 巽為風

巽卦

風のように柔らかく入り込み、言葉を重ねて事を少しずつ進める卦です。小さなことは通じやすく、ついていく相手と方向を選ぶことが大事になります。

一つのことを心に、筮竹で一卦立てる

力は大きくなく、柔らかいやり方で少しずつしみ込ませていく時です。小さな前進は見込めますが、方向がはっきりしていること、見識のある人についていくことが前提になります。考えや指示は、一度で通じると思わず何度も伝えましょう。

よいこと

  • くり返し丁寧に伝える
  • よい紹介者を見つける
  • 小さく試す
  • 期限を決めて決断する

避けたいこと

  • 譲り続ける
  • 流行に流されて方針を変える
  • 迷い続けて決めない
  • 一度に大きく賭ける

仕事とお金

就職・転職
知人の紹介や社内推薦で、少しずつ入っていくのに向きます。卦辞は「利見大人」。詳しくて口添えしてくれる先輩を探しましょう。面接後に何度か連絡するのも効きますが、いくつもの求人の間で迷い続けないことです。
起業・商売
通じるのは小さな範囲で、小規模に試して市場に少しずつ入るのに向きます。彖伝の「重巽以申命」のとおり、新しい規則や料金は客にも従業員にもくり返し説明しましょう。一度では伝わりにくいものです。
お金
少額で堅実に、一歩ずつ始めるのに向きます。一度に大きく賭けるのは避けましょう。大きなお金の判断は、先に詳しい人に相談すると安心です。

恋愛と人間関係

シングル
巽は風で、相手の暮らしにゆっくり入っていく形です。共通の知り合いや日々の会話から親しくなるほうが、いきなり告白するより向いています。合わせすぎて自分らしさが消えると、印象に残りにくくなります。
パートナーがいる
やさしく合わせるのはよいことですが、上九は床の下に伏して資金と斧まで失う姿を語り、「貞凶」とします。言うべき希望は言い、自分がなくなるまで譲らないようにしましょう。
復縁
見込みはありますが、柔らかく少しずつ進めるしかありません。まず普段のやり取りを戻し、復縁の話は急がないこと。九三の「頻巽、吝」のとおり、無理に合わせ続けて取り戻そうとすると、気まずい思いをしやすくなります。
人間関係・協力
見識のある人について協力するのに向きます。彖伝の「柔皆順乎剛」のように、脇役に回っても得るものはあります。こちらが動き、相手が決める形でもかまいません。役割と取り分は先に決めておきましょう。

暮らし

試験・学業
巽は「入る」こと。重要な所に線を引くだけでなく、一層ずつ読み込んでいきましょう。同じ考え方を形を変えて何度も練習すると、六四の「田獲三品」のように、一度の準備がいくつもの科目に生きやすくなります。
引っ越し・旅行
卦辞は「利有攸往」で、出かけるのに向きます。ただ目的をはっきりさせ、直前の変更は控えましょう。九五の「先庚三日、後庚三日」のように、出発の前後に数日ずつ引き継ぎと片づけの日をとると安心です。
心身の状態
考えすぎたり、人の機嫌を気にしたりして、頭が休まりにくい時期です。何も考えない時間を決め、外を歩く機会を増やしましょう。眠れない日が何週間も続くなら、医師に相談してください。

昔ながらの占的

待っていること
知らせは一度にそろわず、何回かに分けて少しずつ届きやすい形です。間に立って話を伝え、後押ししてくれる人がいると、進み具合は早まりやすくなります。
争い・訴訟
力は小さく、正面からぶつかるのには向きません。九二の「用史巫紛若」のように、調停役や弁護士など何人かに頼り、いきさつを相手が聞き入れるまで説明してもらうのがよい時です。譲れない線は先に決めておきましょう。
失せ物・尋ね人
見つかる見込みは中くらいです。巽は木や縄、細長い物を表します。南東の方角、窓辺、木の棚や引き出しの中、ひもやコードが絡まっている所を探してみましょう。

決断するとき

進んでかまいませんが、小さく試すことを中心にしましょう。迷いが長引く時は、自分で期限を決めて決断することです。

たとえばこんな人なら

コールセンターで同じ客から3回目の電話を受けた人

巽は柔らかく入り込む卦で、同じことを何度も伝えるのはもともと必要なことです。台本を読み直すより、言い方を変え、手順を文章にして送るほうが伝わりやすくなります。自分の権限を超える件は、決められる人に引き継ぎましょう。

職場の共用冷蔵庫のルール作りを任された人

巽の力は小さく、一度の朝礼で決めきるのは難しい形です。まず一か月だけ試しのルールを貼り出し、皆の意見を聞いて少し直しましょう。大象の「申命行事」のとおり、決まりを一つずつ伝えて浸透させるほうが、守ってもらいやすくなります。

これは変爻がないときの読み方です。変爻があれば朱熹の考変占法で読むべき爻を見ます。卦を立てると結果ページで直接わかります。

小亨。利有攸往。利見大人。

小しく亨る。往く攸有るに利ろし。大人を見るに利ろし。

少し通じます。進んでいくのがよいです。徳と地位のある人に会うのがよいです。

巽為風(そんいふう)は、上卦も下卦も八卦の巽(風)です。巽は風であり「入る」ことを表します。風はどんなすき間にも入り込み、二重の風が続いてやって来ます。一本の陰爻が二本の陽爻の下に伏し、へりくだって深く入る姿から「巽」と名づけられました。

初六

進退,利武人之貞。

進み退く。武人の貞に利ろし。

進んだり退いたりして決めかねます。武人のような果断な正しさを守るのがよいです。

考えすぎて、人の機嫌を損ねるのを恐れ、やるかやらないかで止まっている形です。期限と最低ラインを決め、時が来たら決める、少し強気な姿勢を持つほうが動きやすくなります。

小象:進退,志疑也。利武人之貞,志治也。

九二

巽在牀下,用史巫紛若,吉无咎。

巽して床下に在り。史巫を用いること紛若たり。吉にして咎なし。

へりくだって床の下に伏し、祝史や巫を招いて、何度もくり返し(神に)申し上げます。吉で、咎はありません。

腰を低くするのはかまいません。大事なのは、誠意といきさつをはっきり伝えることです。必要なら代わりに話してくれる人を頼みましょう。何度か、詳しく伝えるうちに通じやすくなります。

小象:紛若之吉,得中也。

九三

頻巽,吝。

頻りに巽う。吝。

何度も無理に従っては、そのたびにしくじります。恥ずかしいことです。

内心では納得していないのに、表向きは譲り続け、結局仕事もうまくいかない形です。合わせるなら本気で合わせ、無理ならはっきり言うほうが、こじれにくくなります。

小象:頻巽之吝,志窮也。

六四

悔亡,田獲三品。

悔亡ぶ。田して三品を獲。

悔いは消えます。狩りで三種類の獲物を得ます。

いくつもの強い力に挟まれ、つまずきやすい立場でしたが、持ち場を守って上に従ってきたことで、成果が出始める形です。それも一つではなく、いくつか重なりやすいものです。

小象:田獲三品,有功也。

九五

貞吉悔亡,无不利。无初有終,先庚三日,後庚三日,吉。

貞しければ吉にして悔亡ぶ。利ろしからざるなし。初めなくして終わり有り。庚に先だつこと三日、庚に後るること三日、吉。

正しさを守れば吉で、悔いは消え、よくないことはありません。初めはよくなくても終わりはよくなります。庚の日の三日前(丁の日)、庚の日の三日後(癸の日)に事を行えば、吉です。

制度ややり方を変えると、初めは反発が出やすいものです。変える前の三日でよく考えて周知し、変えた後の三日で見直す。この順で進めると、結果は整いやすくなります。

小象:九五之吉,位正中也。

上九

巽在牀下,喪其資斧,貞凶。

巽して床下に在り。其の資斧を喪う。貞しけれども凶。

へりくだって床の下に伏し、資金と斧を失います。正しさを守っても凶です。

譲り続けて行き着くところまで来て、元手も決断力も手放してしまう形です。取引先やパートナーに譲りすぎ、交渉の材料がなくなるような場合です。ここで最低ラインを取り戻さないと、傷を負いやすくなります。

小象:巽在牀下,上窮也。喪其資斧,正乎凶也。

彖伝

重巽以申命,剛巽乎中正而志行。柔皆順乎剛,是以小亨,利有攸往,利見大人。

上下に巽が重なるのは、命令を重ねて言い渡すためです。剛が従順なやり方で中正の位にいて、志が行われます。柔はどちらも剛に従っています。だから少し通じ、進んでいくのがよく、徳と地位のある人に会うのがよいのです。

大象

隨風,巽;君子以申命行事。

随風は巽なり。君子以て命を申ね事を行う。

風が次々に続いて吹くのが巽です。君子はこれを見て、命令を重ねて言い渡し、そのうえで事を行います。

序卦伝:なぜこの順番なのか

旅而无所容,故受之以巽;巽者入也。

前の卦は旅でした。旅の身で身を置く所がなければ、どこかに入って落ち着く必要があります。そこで旅の後に巽が続きます。巽とは「入る」ことです。

雑卦伝

兌見,而巽伏也。

雑卦伝は、兌は現れること、巽は伏すことと対にします。通行の解釈では、兌は一本の陰爻が二本の陽爻の上にあって喜びが外に表れ、巽は一本の陰爻が二本の陽爻の下に伏して、従順に下に隠れています。表に出ると内に伏すという対比です。

関連する卦

よくある質問

巽卦が出たら、恋愛はどう読む?

巽は風で、相手の暮らしにゆっくり入っていく形です。共通の知り合いや日々の会話から親しくなるほうが、いきなり告白するより向いています。合わせすぎて自分らしさが消えると、印象に残りにくくなります。 やさしく合わせるのはよいことですが、上九は床の下に伏して資金と斧まで失う姿を語り、「貞凶」とします。言うべき希望は言い、自分がなくなるまで譲らないようにしましょう。

巽卦が出たら、仕事はどう読む?

知人の紹介や社内推薦で、少しずつ入っていくのに向きます。卦辞は「利見大人」。詳しくて口添えしてくれる先輩を探しましょう。面接後に何度か連絡するのも効きますが、いくつもの求人の間で迷い続けないことです。 新しいやり方を広めたい時は、一度に大きな号令をかけるより、理由をくり返し説明するほうが届きやすくなります。決定権があり、仕事に詳しい上司や先輩に後押しを頼みましょう。

巽卦が出たら、待っていることは来る?

知らせは一度にそろわず、何回かに分けて少しずつ届きやすい形です。間に立って話を伝え、後押ししてくれる人がいると、進み具合は早まりやすくなります。

巽卦が出たら、失せ物は見つかる?

見つかる見込みは中くらいです。巽は木や縄、細長い物を表します。南東の方角、窓辺、木の棚や引き出しの中、ひもやコードが絡まっている所を探してみましょう。

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