よその土地にいるような時で、自分の足場がなく、成果は小さめになりがちです。目立たず、決まりを守り、人に丁寧に接していれば、この時期を無事に過ごしやすくなります。
よいこと
- 謙虚に決まりを守る
- 助けてくれる人を大事にする
- 小さく試す
- 早めに区切りをつける
避けたいこと
- 細かいことで張り合う
- 来てすぐ大きく変える
- 人をあごで使う
- お金や身分証を雑に扱う
仕事とお金
- 就職・転職
- 新しい職場や赴任、契約の仕事はまだ自分の持ち場ではなく、通じるのは小さな範囲です。九四の「得其資斧、我心不快」のように、条件はあっても落ち着かないのは自然なこと。目の前の仕事をこなしながら、合う席を探しましょう。
- 起業・商売
- 彖伝の「柔得中乎外」は、外で柔らかく中を得る姿です。よその土地や新しい市場では、その土地の決まりに従い、いきなり大きく出店するより小さく試すほうがなじみやすくなります。
- お金
- 出費は慎重にし、手元のお金や身分証をしっかり管理しましょう。大きな投資には向かず、少額でいつでも手を引けるものにとどめるほうが安心です。
恋愛と人間関係
- シングル
- 新しい人と出会いやすい時ですが、縁は旅先の出会いのように、来るのも去るのも早めです。本気なら何度か会い、相手の暮らしの輪と自分がつながるかを確かめましょう。
- パートナーがいる
- どちらかが外に出ていることが多い、または離れて暮らしていて、関係が浮きがちな時期です。互いに謙虚に接し、たまの大きなサプライズより、決まった連絡の時間のほうが頼りになりやすいものです。
- 復縁
- 見込みは低めで、相手の心はもう別の場所に落ち着いているかもしれません。試すなら腰を低くし、連絡を戻すことだけを目指しましょう。上九の「先笑後号咷」のように、充実ぶりを見せつけるのは逆効果になりやすいものです。
- 人間関係・協力
- 新しい環境では、おおらかな付き合いが大事です。初六の「旅瑣瑣」は、こせこせと細かい姿。小銭やささいなことで張り合うほど人は離れやすいので、助けてくれる人には気前よく接しましょう。
暮らし
- 試験・学業
- 留学や転校では、旅人のようにまず慣れることを優先しましょう。彖伝の「止而麗乎明」のとおり、心を落ち着け、説明のわかりやすい先生一人についていくこと。一学期で巻き返そうとせず、少しずつの伸びで十分です。
- 引っ越し・旅行
- 旅行や出張に向きますが、宿と身分証の管理が大事です。六二の「旅即次、懐其資」のように、泊まる場所を先に押さえ、お金を分けて持っておくと、行き当たりばったりより安心です。
- 心身の状態
- 移動が多く生活のリズムが定まらず、いら立ったり眠りが浅くなったりしやすい時期です。日程に休みの日を入れ、使い慣れた小物を持っていくと眠りやすくなります。体調を崩したら我慢せず、現地の医療機関にかかってください。
昔ながらの占的
- 待っていること
- 返事は突然来て、すぐに過ぎていきやすい形です。山の上の火が燃え移って去るように、知らせが届いたらその場で動くこと。逃すと二度目を待てるとは限りません。
- 争い・訴訟
- この件では自分はよそ者で、地の利がありません。大象の「明慎用刑、而不留獄」のとおり、状況が見えたら早めに区切りをつけましょう。放っておくほど不利になりやすいものです。
- 失せ物・尋ね人
- 見つかる見込みは低めです。艮は山や門口、離は火や明るい場所を表します。立ち寄った場所の出入り口、玄関、受付のそば、明るく照らされた隅を振り返ってみましょう。方角は北東寄りです。
決断するとき
小さなことは進めてかまいません。大きなことは足場が固まるまで待ちましょう。動く前に、地元の人や詳しい人の意見を聞いておくと安心です。
たとえばこんな人なら
ここは相手の持ち場です。九三は、下の人に強く当たると宿も助け手も一度に失うと語ります。地元の社員に本社の口調で話さず、まずその土地のやり方を学びましょう。改革の話は、成果が出てからのほうが受け入れられやすくなります。
旅は客として身を置く卦です。住まわせてもらう間は家主の生活リズムに合わせ、光熱費や家事を自分から分担し、荷物は自分の一角にまとめておきましょう。これはあくまで仮の宿です。部屋探しの期限を自分で決めておくほうが、長居で気まずくなるのを避けやすくなります。
これは変爻がないときの読み方です。変爻があれば朱熹の考変占法で読むべき爻を見ます。卦を立てると結果ページで直接わかります。
小亨,旅貞吉。
小しく亨る。旅は貞しければ吉。
少し通じます。旅の身で正しさを守れば吉です。
火山旅(かざんりょ)は、上卦が離(火)、下卦が艮(山)です。山の上で火が燃え、燃え移りながら一か所にとどまらない姿が、よその土地を渡り歩く旅人に重なります。そこから「旅」、旅住まいという意味になりました。
初六
旅瑣瑣,斯其所取災。
旅して瑣瑣たり。斯れ其の災いを取る所なり。
旅先でこせこせと小さなことにこだわります。これこそ自ら災いを招くもとです。
新しい土地や環境で小銭や細かいことにこだわり、人を警戒してばかりいると、かえって周りが離れやすくなります。器を少し大きくし、ささいなことで衝突しないほうが居心地はよくなりやすいものです。
小象:旅瑣瑣,志窮災也。
六二
旅即次,懷其資,得童僕,貞。
旅して次に即き、其の資を懐き、童僕の貞を得。
旅人が宿に落ち着き、懐に旅の資金を抱え、忠実で信頼できる童僕を得ます。
出先に落ち着く場所があり、予算もあり、頼れる人の手助けもある、いちばんよい状態です。助けてくれる人を大事にすれば、旅も新しい仕事も順調に進みやすくなります。
小象:得童僕貞,終无尤也。
九三
旅焚其次,喪其童僕,貞厲。
旅して其の次を焚かれ、其の童僕の貞を喪う。厲うし。
旅人の泊まる宿が焼け、童僕の忠実さも失います(朱熹は貞の字を前の句に続けて読みます)。危ういです。
よその場で偉ぶり、周りの人に強く当たると、居場所と助け手を一度に失いやすくなります。手を貸してくれる人には丁寧に接し、主人のような態度をとらないことです。
小象:旅焚其次,亦以傷矣。以旅與下,其義喪也。
九四
旅于處,得其資斧,我心不快。
旅して処る。其の資斧を得れども、我が心快からず。
旅人が仮の落ち着き先を見つけ、資金と身を守る斧を得ます。けれども私の心は晴れません。
暮らしの条件はそろった形です。赴任先に住まいと手当がある、といった状態ですが、望んだ立場ではなく落ち着きません。ひとまず受け入れ、合う機会に目を配っておくほうが無理がありません。
小象:旅于處,未得位也。得其資斧,心未快也。
六五
射雉一矢亡,終以譽命。
雉を射て一矢亡う。終に以て誉命あり。
雉を射て、矢を一本失います。最後には誉れと位を得ます。
目標のために、先に少し代価を払う形です。講座にお金をかける、作品を出して何度か落とされる、といったことです。損は大きくなく、最後は評価と信頼につながりやすくなります。
小象:終以譽命,上逮也。
上九
鳥焚其巢,旅人先笑後號咷。喪牛于易,凶。
鳥其の巣を焚かる。旅人先には笑い後には号咷す。牛を易きに喪う。凶。
鳥が巣を焼かれます。旅人は初めは笑い、後には泣き叫びます。油断のうちに牛を失います(易を朱熹はたやすい、軽々しいと解します。地名の「有易」とする説もあります)。凶です。
出先で得意になり、人を見下していると、身を置く場所と元手を失いやすくなります。順調な時ほど腰を低くし、うっかり大事なものをなくさないよう気をつけましょう。
小象:以旅在上,其義焚也。喪牛于易,終莫之聞也。
旅,小亨,柔得中乎外,而順乎剛,止而麗乎明,是以小亨,旅貞吉也。旅之時義大矣哉!
旅は少し通じるというのは、柔爻が外卦で中の位を得て、上下の剛爻に従っているからです。下卦の艮は止まること、それが上卦の離の明るさに寄り添っています。だから少し通じ、旅の身で正しさを守れば吉なのです。旅という時の意味は、まことに大きいものです。
大象山上有火,旅;君子以明慎用刑,而不留獄。
山の上に火有るは旅なり。君子以て明らかに慎みて刑を用い、獄を留めず。
山の上に火があるのが旅です。君子はこれを見て、刑を用いるのに明らかに見て慎重にし、訴えを留め置きません。
序卦伝:なぜこの順番なのか窮大者必失其居,故受之以旅。
前の豊は盛大なことでした。大きさを極めた者は、必ずその住まいを失います。そこで豊の後に旅が続き、家を離れてよその土地に身を寄せることになります。
雑卦伝豐多故也,親寡旅也。
雑卦伝は、旅を「親寡」、親しい人が少ない状態とします。一人でよその土地にいて、頼れる人や近しい人がわずかです。対になる豊はその逆で、盛大な時は関わる人も事も多くなります。
関連する卦よくある質問
旅卦が出たら、恋愛はどう読む?
新しい人と出会いやすい時ですが、縁は旅先の出会いのように、来るのも去るのも早めです。本気なら何度か会い、相手の暮らしの輪と自分がつながるかを確かめましょう。 どちらかが外に出ていることが多い、または離れて暮らしていて、関係が浮きがちな時期です。互いに謙虚に接し、たまの大きなサプライズより、決まった連絡の時間のほうが頼りになりやすいものです。
旅卦が出たら、仕事はどう読む?
新しい職場や赴任、契約の仕事はまだ自分の持ち場ではなく、通じるのは小さな範囲です。九四の「得其資斧、我心不快」のように、条件はあっても落ち着かないのは自然なこと。目の前の仕事をこなしながら、合う席を探しましょう。 新しい職場、赴任、期間限定の立場などでは、まずその場のやり方を覚えて信頼を築きましょう。来てすぐ大きく変えようとしたり、主導権を争ったりするのは控えたほうがよい時です。
旅卦が出たら、待っていることは来る?
返事は突然来て、すぐに過ぎていきやすい形です。山の上の火が燃え移って去るように、知らせが届いたらその場で動くこと。逃すと二度目を待てるとは限りません。
旅卦が出たら、失せ物は見つかる?
見つかる見込みは低めです。艮は山や門口、離は火や明るい場所を表します。立ち寄った場所の出入り口、玄関、受付のそば、明るく照らされた隅を振り返ってみましょう。方角は北東寄りです。
一卦は一つの問いに答え、命盤はあなた自身とこの一年の全体を映します。
経文は『周易』の通行本によります。現代語訳と読み方は星格が書いた参考で、定説ではありません。