離卦
火は薪に付いてはじめて燃えます。離(り)は付くこと、そして明るさの卦です。人もふさわしい人や事に付き、正しさを守り、柔らかく慎重であれば吉になります。
一つのことを心に、筮竹で一卦立てる付くことと明るさの卦です。どれだけ力を発揮できるかは、何に付くかで変わります。ふさわしい人、ふさわしい場、ふさわしい原則に。柔らかく正しさを守り、牝牛を養うように穏やかで辛抱強くいることを、卦辞は吉としています。
よいこと
- ふさわしい人や場に付く
- 穏やかに辛抱強く
- 毎日続けて積み重ねる
- 中心の問題だけを扱う
避けたいこと
- いきなり突き進む
- 目立ちすぎる
- 一社だけに頼りきる
- 峠を過ぎても無理をする
仕事とお金
- 就職・転職
- 大きな組織や影響力のある上司のもとで働くのに向き、離はまさに付くことを語ります。仕事選びは肩書より、付くチームがまっとうかを先に。六二は「黃離」、ほどよい位置がいちばんよいとします。
- 起業・商売
- 販路やプラットフォーム、大口の取引先に引っぱってもらう形の商いです。組む前に相手の信用を調べましょう。彖伝は「柔麗乎中正」。一社に預けきらないことも大事で、薪が一本なら火はすぐ燃え尽きます。
- お金
- 収入は、付いている仕事や取引先と結びついています。相手が安定しているか、まっとうかを先に確かめましょう。堅実な運び方が向き、一時の熱に乗って高値を追うのには向きません。
恋愛と人間関係
- シングル
- 魅力が人の目に届きやすい時期で、出かけたりイベントに参加したりして知り合うのに向きます。惹かれるのは相手の華やかな面かもしれません。何度か会って、ふだんの姿を見てから決めましょう。
- パートナーがいる
- 二人は重なった二つの火のようで、熱い分、燃え尽きやすい時です。卦辞は「畜牝牛吉」。牝牛のような穏やかさと辛抱で接し、張り合いを減らし、暮らしの軸を相手だけに置かないように。
- 復縁
- 九四は「突如其來如」。いきなり相手の前に現れて強く追うのが、いちばん燃え尽きやすい形です。まず普通の友人としてのやり取りに戻り、落ち着いた自分を少しずつ見てもらうほうが、見込みは上がりやすくなります。
- 人間関係・協力
- 互いを照らし合える人と組む時で、自分の光も周りを通して広がります。初九は「履錯然、敬之无咎」。組み始めは用事が入り乱れやすいので、人には丁寧に、分担をはっきり言葉にしておきましょう。
暮らし
- 試験・学業
- 面接、口頭試問、ポートフォリオなど、表現して見せる試験に向く時です。離が二つ重なるのは大象の「繼明」。学んだことを毎日続けて復習すれば、明かりが途切れにくくなります。
- 引っ越し・旅行
- 明るい所、にぎやかな所、南の方角への引っ越しや旅が合いやすい時です。離は火でもあるので、夏の外出は日焼けと水分補給に気をつけて。引っ越しでは家電や火の元をもう一度確かめましょう。
- 心身の状態
- いらいらや目の使いすぎ、夜になっても頭が冴えて止まらない、となりやすい時期です。六五は「出涕沱若」。気持ちがあふれたら泣いてもよく、それから誰かに話しましょう。目や体の不調は医師に診てもらって。
昔ながらの占的
- 待っていること
- 知らせは多く人づてに来ます。頼っている人や部署が動くかどうか次第です。九三は「日昃之離」。ピークを過ぎてから届くものには期待しすぎず、次の準備を進めておきましょう。
- 争い・訴訟
- 上九は「王用出征」。もめごとに向き合うなら、中心人物と決め手の証拠だけに絞り、関わった人を全員巻き込まないことです。筋の通った側に立ち、事実を明るみに出すほうが有利に運びやすくなります。
- 失せ物・尋ね人
- 見つかる見込みは高めです。離は火と明るさ、中が空いている形。明るい窓辺、照明の下、台所のコンロのそば、箱や袋など中の空いた入れ物を。目立つ所で別のものに隠れていることが多いものです。
決断するとき
頼ろうとしている人や条件が確かで正当かを、先に見ましょう。確かなら進めてかまいません。進める間は謙虚に、手柄を急がないことです。
たとえばこんな人なら
離は付く卦で、付く先が正しければ明るくなります。まず本部の財務状況と加盟店の実際の収入を調べ、既存の店を何軒か訪ねて話を聞きましょう。決めても自分の予備資金は別に残し、すべてを本部に預けないことです。
離は付くことですが、二人がくっつきすぎてそれぞれの場所がなくなると、光も燃え尽きやすくなります。自分の友人、仕事、趣味は手放さずに。重さを全部相手にかけると、相手は疲れ、自分も不安になりやすいものです。
これは変爻がないときの読み方です。変爻があれば朱熹の考変占法で読むべき爻を見ます。卦を立てると結果ページで直接わかります。
利貞。亨。畜牝牛,吉。
貞しきに利ろし。亨る。牝牛を畜えば吉。
正しさを守るのによく、通じます。牝牛を養えば吉です。
離為火(りいか)は、上卦も下卦も離(火)です。離は火であり、明るさであり、付くことでもあります。火には決まった形がなく、何かに付いてはじめて燃えます。離が二つ重なり、明るさが次々と絶えず続く形です。
初九
履錯然,敬之无咎。
履むこと錯然たり。之を敬すれば咎なし。
足どりが入り乱れます。敬い慎めば咎はありません。
始めたばかりで用事が多く、足を踏み違えやすい時です。一歩ずつ速度を落とし、人には丁寧に。順序を先に整えておけば、面倒は避けやすくなります。
小象:履錯之敬,以辟咎也。
六二
黃離,元吉。
黄に離く。元吉。
黄色に付きます(黄は中を表す正しい色)。大いに吉です。
ほどよく正しい位置に立ち、頼る人もしていることも的を外していない形です。偏らないこのやり方を保ちましょう。よい時機です。
小象:黃離元吉,得中道也。
九三
日昃之離,不鼓缶而歌,則大耋之嗟,凶。
日昃くの離なり。缶を鼓して歌わざれば、則ち大耋の嗟あり。凶。
日が西に傾いた時の付き方です。缶を打ち鳴らして歌い、常の道に安んじて楽しまなければ、八十歳の老人のような嘆きがあります。凶です。
ピークを過ぎて下り坂に入った形です。キャリアの一区切りやプロジェクトの終盤などがそれです。手放せずに嘆くばかりなのが危ういところで、次の時期の軸と楽しみを先に用意しましょう。
小象:日昃之離,何可久也。
九四
突如其來如,焚如,死如,棄如。
突如として其れ来如たり。焚如たり。死如たり。棄如たり。
突然やって来るさま。燃え上がるように、死んだように、捨てられたようになります。
急で激しすぎる動きです。いきなり強引に口を出す、一気に広げすぎるなど、燃えるのが早ければ消えるのも早く、居場所がなくなりやすいもの。ゆっくり進め、割り込まないことです。
小象:突如其來如,无所容也。
六五
出涕沱若,戚嗟若,吉。
涕を出すこと沱若たり。戚えて嗟若たり。吉。
涙が大雨のように流れ、憂えて嘆きます。吉です。
強い人たちの間に挟まれ、泣きたくなるほどの重圧の中にいます。それでも憂いから目をそらさず慎重に動き、上の人を頼れるので、爻辞はかえって吉とします。
小象:六五之吉,離王公也。
上九
王用出征,有嘉折首,獲匪其醜,无咎。
王用て出でて征す。嘉有りて首を折る。獲ること其の醜に匪ず。咎なし。
王がこの人を遣わして出征させ、見事な戦功を立てます。敵の首領を討ち、捕らえるのは従っていた者たちではありません。咎はありません。
立て直すべき時は迷わず手を打ち、中心人物と問題の根に向き合いましょう。ついてきただけの人まで巻き込まないこと。要だけを扱い、範囲を広げなければ、過ちになりにくい形です。
小象:王用出征,以正邦也。
離,麗也;日月麗乎天,百穀草木麗乎土,重明以麗乎正,乃化成天下。柔麗乎中正,故亨;是以畜牝牛吉也。
離とは付くことです。日と月は天に付き、穀物や草木は土に付きます。重なる明るさが正しさに付けば、天下を教え導いて成し遂げます。柔爻が中正の位に付いているので通じます。だから柔順な牝牛を養えば吉なのです。
大象明兩作,離;大人以繼明照于四方。
明両たび作るは離なり。大人以て明を継ぎ、四方を照らす。
明るさが二度起こるのが離です。大人はこれを見て、明るさを絶えず継ぎ、四方を照らします。
序卦伝:なぜこの順番なのか陷必有所麗,故受之以離;離者麗也。
前の卦の坎は落ち込むことです。人は険に落ちれば、何かに付かなければ抜け出せません。そこで坎の後に離が続きます。離とは付くことです。
雑卦伝離上,而坎下也。
離は上へ、坎は下へ。韓康伯の注では、火の性は燃え上がり、水の性は低い所を潤すと読みます。離の火は上の明るい方へ、坎の水は低い方へ流れ、一方は昇り一方は降ります。
関連する卦よくある質問
離卦が出たら、恋愛はどう読む?
魅力が人の目に届きやすい時期で、出かけたりイベントに参加したりして知り合うのに向きます。惹かれるのは相手の華やかな面かもしれません。何度か会って、ふだんの姿を見てから決めましょう。 二人は重なった二つの火のようで、熱い分、燃え尽きやすい時です。卦辞は「畜牝牛吉」。牝牛のような穏やかさと辛抱で接し、張り合いを減らし、暮らしの軸を相手だけに置かないように。
離卦が出たら、仕事はどう読む?
大きな組織や影響力のある上司のもとで働くのに向き、離はまさに付くことを語ります。仕事選びは肩書より、付くチームがまっとうかを先に。六二は「黃離」、ほどよい位置がいちばんよいとします。 よい会社やチーム、上司の力を借りて力を出しやすい時です。人の目に届く位置に身を置きましょう。一人で無理に頑張るより、ふさわしい人について正しいことをするほうが実りやすく、目立ちすぎないことも大切です。
離卦が出たら、待っていることは来る?
知らせは多く人づてに来ます。頼っている人や部署が動くかどうか次第です。九三は「日昃之離」。ピークを過ぎてから届くものには期待しすぎず、次の準備を進めておきましょう。
離卦が出たら、失せ物は見つかる?
見つかる見込みは高めです。離は火と明るさ、中が空いている形。明るい窓辺、照明の下、台所のコンロのそば、箱や袋など中の空いた入れ物を。目立つ所で別のものに隠れていることが多いものです。
一卦は一つの問いに答え、命盤はあなた自身とこの一年の全体を映します。
経文は『周易』の通行本によります。現代語訳と読み方は星格が書いた参考で、定説ではありません。