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上 兌(沢)・下 艮(山)
咸沢山咸
第31卦 · 沢山咸

咸卦

咸(かん)は感じ合うこと。人と人が心を動かし合う卦です。誠実に、低い姿勢で、心を空けて向き合えば、相手からも応えが返りやすくなります。

一つのことを心に、筮竹で一卦立てる

感じ合う卦で、人と人が本心で心を動かし合う時が来ています。姿勢を低くし、心を空けて相手の話を聞けば、よい応えが返りやすくなります。いちばん大切なのは正しさを守ること。手段ではなく本心で向き合いましょう。

よいこと

  • 自分から好意を伝える
  • 低い姿勢で耳を傾ける
  • 結婚や家族の話をする
  • 言ったことを実行する

避けたいこと

  • 口先だけで終わる
  • ひとりで熱くなって追う
  • 何でも人に合わせる
  • メッセージで探り続ける

仕事とお金

就職・転職
面接や昇給の交渉は、相手が何を求めているかを読めるかが鍵です。彖伝の「男下女」のように低い姿勢で聞くほうが、売り込むより届きやすく、口先だけで実績がないとすぐ見抜かれます。
起業・商売
提携や顧客開拓に向き、話の合う相手とは早くまとまりやすい時です。彖伝の「止而說」のとおり、内では譲れない線を決めておき、態度は明るく。相手の熱意に押されて条件を全部譲らないことです。
お金
お金の流れは人とのつながりや協力に結びつきやすく、話の合う人が機会を運んできます。気分で出したくなったお金は、よく調べてから動かしましょう。

恋愛と人間関係

シングル
互いに惹かれる相手に出会いやすく、気持ちが通うのも早めです。初六の「咸其拇」はまだ心が動き始めた段階。自分から誘い、聞き役に回り、2、3回会ってから気持ちを伝えるほうが自然です。
パートナーがいる
卦辞は「取女吉」、安定した関係なら同居や家族への紹介、結婚の時期の相談に向きます。九三の「執其隨」には注意を。何でも相手に合わせず、自分の望む暮らしも言葉にしましょう。
復縁
見込みはありますが、相手にも気持ちが残っていることが条件です。九四の「憧憧往來」のようにメッセージで探り続けるより、一度だけ誠実に謝り、何を変えたかを伝えて、時間を置きましょう。
人間関係・協力
大象は「虛受人」、心を空けて人を受け入れよと言います。まず仲間の考えを聞き、それから自分の案を。ただ従うだけで意見を言わない人は、順調に見えて実は通じ合っていないこともあります。

暮らし

試験・学業
心から面白いと思えた内容ほど頭に残りやすい時期です。自分が惹かれる入口を探し、仲間と教え合いましょう。六二の「咸其腓」のように、人が講座に申し込んだからと慌てて追いかけないことです。
引っ越し・旅行
会いたい人を訪ねる外出に向き、移動は順調になりやすい時です。艮は山、兌は沢なので、山や湖の近くへの旅が合います。引っ越しは、先に大家さんや同居する人と会って話してから契約を。
心身の状態
人の言葉に気持ちを揺さぶられやすく、ひと言で一日落ち着かなくなりがちです。艮は止まること。毎日ひとりで静かに過ごす時間を決めましょう。眠れない日や体の不調が続くなら、医師に相談を。

昔ながらの占的

待っていること
早めです。相手の心が動けば返事は来やすいでしょう。条件は、こちらの言葉が本当に届いていること。返事が形式的で温度がないなら、まだ感じ合えていないサインなので、待ち続けなくてかまいません。
争い・訴訟
相手にも歩み寄る余地があり、裁判より話し合いが有利です。彖伝の「柔上而剛下」のとおり、強い側が先に姿勢を低くし、相手が気にしている点をまず言葉にすると、条件がまとまりやすくなります。
失せ物・尋ね人
見つかる見込みはあります。艮は山や門、兌は沢や口を表すので、玄関や門の近く、壁際の石のそば、流し台、口の開いた袋の中を探しましょう。一緒に出かけた人が持っていることもあります。

決断するとき

自分が本心からやりたいことで、相手にも応えがあるなら進めてよいでしょう。自分だけが熱くなって相手の反応がないなら、いったん待つほうが無難です。

たとえばこんな人なら

アプリで知り合い、まだ会っていない人

咸は感じ合う卦で、気持ちはもう通い始めています。画面の中の好意を、そろそろ実際に会う形へ。カフェや展覧会など気軽な約束を自分から持ちかけ、会ったら用意したせりふより、いつもの会話を心がけると打ち解けやすくなります。

新しい取引先に初めて提案するWebディレクター

咸は互いに心を動かし合う卦です。提案の前に、先方がいちばん困っていることを聞き出しておきましょう。冒頭は相手の課題から話し、それから自分の案へ。低い姿勢で反応を見ながら調整すると、資料を読み上げるだけより届きやすくなります。

これは変爻がないときの読み方です。変爻があれば朱熹の考変占法で読むべき爻を見ます。卦を立てると結果ページで直接わかります。

亨。利貞。取女吉。

亨る。貞しきに利ろし。女を取るは吉。

通じます。正しさを守るのがよいです。女を娶るのは吉です。

沢山咸(たくざんかん)は、上卦が兌(沢)、下卦が艮(山)です。山の上に沢があり、山の土と沢の水がしみ通い合います。兌は若い娘、艮は若い息子にあたり、男が女の下にへりくだって感じ合う形から「咸」とされます。

初六

咸其拇。

其の拇に咸ず。

足の親指に感じます。

少し心が動いた、あるいは機会の気配を感じた段階で、感覚はまだ浅いものです。告白や決断を急がず、まず相手の反応を見ましょう。

小象:咸其拇,志在外也。

六二

咸其腓,凶,居吉。

其の腓に咸ず。凶。居れば吉。

ふくらはぎに感じます。凶です。じっとしていれば吉です。

感じたとたんに飛び出したくなる、頭より足が先に動く状態です。ここで手を出すと崩れやすいと爻辞は戒めます。その場にとどまって何度か様子を見て、状況がはっきりしてから動くほうが運びやすくなります。

小象:雖凶,居吉,順不害也。

九三

咸其股,執其隨,往吝。

其の股に咸ず。其の随うを執る。往けば吝。

太ももに感じます。こだわっているのは人について動くことだけで、このまま進めば恥をかきます。

自分の考えがなく、相手のペースにすべて合わせる、人が買うから自分も買う、という形です。このままだと気まずい思いをしやすいので、自分が何を望むのかを先に考えましょう。

小象:咸其股,亦不處也。志在隨人,所執下也。

九四

貞吉悔亡,憧憧往來,朋從爾思。

貞しければ吉にして悔亡ぶ。憧憧として往来すれば、朋爾の思いに従う。

正しさを守れば吉で、悔いは消えます。落ち着かずに行ったり来たりしていると、仲間だけがあなたの思いに従います。

気持ちが揺れて相手の考えばかり探っている、あるいは計算ずくで近づいていると、動かせるのは身近な似た者だけです。心をまっすぐにして率直に向き合えば、悔いは消えやすくなります。

小象:貞吉悔亡,未感害也。憧憧往來,未光大也。

九五

咸其脢,无悔。

其の脢に咸ず。悔なし。

背中の肉に感じます。悔いはありません。

この件やこの人に、それほど心が動かない状態です。深い付き合いにはなりにくいものの、情に流されて後悔することもありません。距離を保ってかまいません。

小象:咸其脢,志末也。

上六

咸其輔頰舌。

其の輔頬舌に咸ず。

あご、ほお、舌に感じます。

口先だけでよいことを言い、約束を重ねても行動が伴わない形です。朱熹は、これでは咎めを招くのは見えていると読みます。言うことを減らしてやることを増やし、言ったことは守りましょう。

小象:咸其輔頰舌,滕口說也。

彖伝

咸,感也。柔上而剛下,二氣感應以相與,止而說,男下女,是以亨利貞,取女吉也。天地感而萬物化生,聖人感人心而天下和平;觀其所感,而天地萬物之情可見矣!

咸とは感じることです。柔が上に、剛が下にあり、陰陽の二つの気が感じ応じて親しみ合います。下は静かに止まり、上は喜び、男が女にへりくだります。だから通じ、正しさを守るのがよく、女を娶るのは吉なのです。天地が感じ合って万物が生まれ育ち、聖人が人の心を感じ動かして天下は和やかに治まります。何に感じているかを見れば、天地万物の本当の姿が見えてきます。

大象

山上有澤,咸;君子以虛受人。

山上に沢有るは咸なり。君子以て虚しくして人を受く。

山の上に沢があるのが咸です。君子はこれを見て、心を空にして人を受け入れます。

序卦伝:なぜこの順番なのか

有天地然後有萬物,有萬物然後有男女,有男女然後有夫婦,有夫婦然後有父子,有父子然後有君臣,有君臣然後有上下,有上下然後禮儀有所錯。

天地があって万物があり、男女があって夫婦があり、夫婦があって親子、君臣、上下が生まれ、礼儀の置き場が定まります。上経が乾坤の天地から始まるのに対し、下経は夫婦の道を語る咸から始まります。

雑卦伝

咸速也,恒久也。

咸は速く、恒は久しい、と対にされます。韓康伯は、物が感じ合うのに咸より速いものはないと言います。咸は触れたとたんに心が動くこと、恒は関係を長く保つこと。速さと長さの対比です。

関連する卦

よくある質問

咸卦が出たら、恋愛はどう読む?

互いに惹かれる相手に出会いやすく、気持ちが通うのも早めです。初六の「咸其拇」はまだ心が動き始めた段階。自分から誘い、聞き役に回り、2、3回会ってから気持ちを伝えるほうが自然です。 卦辞は「取女吉」、安定した関係なら同居や家族への紹介、結婚の時期の相談に向きます。九三の「執其隨」には注意を。何でも相手に合わせず、自分の望む暮らしも言葉にしましょう。

咸卦が出たら、仕事はどう読む?

面接や昇給の交渉は、相手が何を求めているかを読めるかが鍵です。彖伝の「男下女」のように低い姿勢で聞くほうが、売り込むより届きやすく、口先だけで実績がないとすぐ見抜かれます。 協力の話し合い、顧客との関係づくり、チームをまとめることに向いています。鍵は相手が何を求めているかを先に理解すること。自分の案を押し通すより、低い姿勢で対話するほうが届きやすくなります。

咸卦が出たら、待っていることは来る?

早めです。相手の心が動けば返事は来やすいでしょう。条件は、こちらの言葉が本当に届いていること。返事が形式的で温度がないなら、まだ感じ合えていないサインなので、待ち続けなくてかまいません。

咸卦が出たら、失せ物は見つかる?

見つかる見込みはあります。艮は山や門、兌は沢や口を表すので、玄関や門の近く、壁際の石のそば、流し台、口の開いた袋の中を探しましょう。一緒に出かけた人が持っていることもあります。

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