困難の卦です。前に険しさがあり、無理に進めば行き詰まりやすい時です。いったん止まって平らな方向を選び、力のある人に助けを求めつつ、大象のとおり自分を振り返りましょう。
よいこと
- 険しさを見たら止まる
- 先輩に助けを求める
- 身近な仲間と手を結ぶ
- 自分を振り返る
避けたいこと
- 険しい道に突っ込む
- 一人で抱え込む
- 不慣れな所へ無理に出る
- 人のせいにする
仕事とお金
- 就職・転職
- 就職も転職も道が詰まりやすく、山の上の水のように足元が滑る時です。競争の激しい席に突っ込まず、卦辞の「利見大人」のとおり業界の先輩に紹介や助言を頼むほうが、実りやすくなります。
- 起業・商売
- 拡大、新店舗、新たな借入には向きません。彖伝は東北の道を「其道窮」とします。平坦で慣れた市場を守り、力のある相手と組んでから動くほうが、無理がかかりにくくなります。
- お金
- 危ない投資や拡大には向きません。今あるものを守り、手堅い道を選びましょう。必要なら専門家の意見を聞くと安心です。
恋愛と人間関係
- シングル
- 時間や距離、環境が合わず、出会いの道がしばらく通りにくい時です。焦らず自分の暮らしを整えましょう。初六の「往蹇來譽」のとおり、少し止まると、かえって見てくれる人が現れやすくなります。
- パートナーがいる
- 家族の反対や遠距離、互いの古い課題など、関係に障害がある時です。大象の「反身修德」のとおり、相手に求め続けるより自分の直せる所を見るほうが、こじれにくくなります。
- 復縁
- 見込みは低めです。今追いかけても険しさにぶつかり、深みにはまりやすいでしょう。まず慣れた暮らしに戻って足場を固め、調子が戻ってから自然なつながりを見るほうが、判断しやすくなります。
- 人間関係・協力
- 一人では越えにくい関門です。六四の「往蹇來連」のとおり、まず身近な頼れる人と手を結び、力をつないでから出直すほうが、道は開けやすくなります。
暮らし
- 試験・学業
- 試験や資格の勉強がある一か所で止まり、濡れた山道を登るような時です。つまずいている章を特定し、理解している人に一度説明してもらうと、問題集をただ解き続けるより進みやすくなります。
- 引っ越し・旅行
- 遅延や天候、交通の乱れにあいやすい時です。卦辞は西南をよしとし、東北を不利とします。急がないなら延期を。動くなら平坦で慣れた方面のほうが、足止めされにくくなります。
- 心身の状態
- どこへ行っても詰まり、動けない感じが重なって、負担の大きい時期です。歩幅を小さくし、一度に一つずつ片づけ、睡眠を守りましょう。体が限界のサインを出したら、早めに医師に診てもらってください。
昔ながらの占的
- 待っていること
- 前を山と水がふさいでいて、知らせは遅めです。こちらの足場が固まり、誰かが手を貸すと動きやすい形です。九五は「大蹇朋來」と言い、声を上げておくと助けは届きやすくなります。
- 争い・訴訟
- こちらに不利な局面で、強気に争うほど深みにはまりやすいでしょう。彖伝の「見險而能止」のとおり、まず手を止めて証拠を整え、弁護士に間に入ってもらうほうが、話は進みやすくなります。
- 失せ物・尋ね人
- 見つかる見込みは低めです。艮は山や石、門の脇の隅、坎は水や隠れた所です。石の近く、壁の角、敷居の脇、排水溝や湿って暗い場所、それに北東の隅も見てみましょう。
決断するとき
今はやめておきましょう。条件が明らかに不利です。困難が過ぎるか、助けてくれる人が現れてから動くほうが無難です。
たとえばこんな人なら
蹇は前に険しさがある卦で、同じ書類を出し直すほど行き詰まりやすい時です。差し戻しの理由を書き出し、商工会の相談員など経験のある人に見てもらいましょう。上六の「往蹇來碩」のとおり、人の力を借りると大きな成果につながりやすくなります。
道が通じない時に、同じ条件で探し続けても空回りしやすいものです。九三の「往蹇來反」のように、いったん慣れた地域や実家の近くまで範囲を戻し、地元に詳しい人に相談すると、候補は見つかりやすくなります。
これは変爻がないときの読み方です。変爻があれば朱熹の考変占法で読むべき爻を見ます。卦を立てると結果ページで直接わかります。
利西南,不利東北;利見大人,貞吉。
西南に利ろしく、東北に利ろしからず。大人を見るに利ろし。貞しければ吉。
西南に行くのはよく、東北に行くのはよくありません(西南は平地、東北は山の険しい方角です)。徳と地位のある大人に会うのがよく、正しさを守れば吉です。
水山蹇(すいざんけん)は、上卦が坎(水・険しさ)、下卦が艮(山・止まる)です。山の上に水があり、道は急で滑りやすく、前に険しさがあるので足を止めるしかありません。そこから、歩くのが難しいという意味の「蹇」と呼ばれます。
初六
往蹇,來譽。
往けば蹇み、来れば誉れあり。
進めば困難にあい、戻れば誉められます。
今は前へ押すほど壁にぶつかりやすい時です。一歩引いて時機を待つほうが、かえって判断のよさを認められやすくなります。
小象:往蹇來譽,宜待也。
六二
王臣蹇蹇,匪躬之故。
王臣蹇蹇たり。躬の故に匪ず。
王の臣下が困難の中で奔走し、難に難が重なります。自分自身のためではありません。
会社や家族、チームのために難局を背負っている形で、その苦労は自分のためではありません。結果が見栄えしなくても、力を尽くしたことは後ろめたさを残しにくいものです。
小象:王臣蹇蹇,終无尤也。
九三
往蹇來反。
往けば蹇み、来れば反る。
進めば困難にあうので、引き返します。
前が明らかに通じないなら、慣れていて支えてくれる人のいる場所へ戻る時です。周りもこちらが残って内側を守ることを望んでいて、そのほうが落ち着きやすくなります。
小象:往蹇來反,內喜之也。
六四
往蹇來連。
往けば蹇み、来れば連なる。
進めば困難にあうので、戻って人と手を結びます。
一人では越えられない関門です。いったん戻って仲間を集め、力をつないでから出直すほうが、道は開けやすくなります。
小象:往蹇來連,當位實也。
九五
大蹇朋來。
大いに蹇むも朋来る。
大きな困難の中で、友が助けに来ます。
いちばん難しい位置にいますが、筋を守り節度をもって動く形です。意地を張らずに声を上げ、手を貸したい人を受け入れると、状況は動きやすくなります。
小象:大蹇朋來,以中節也。
上六
往蹇來碩,吉;利見大人。
往けば蹇み、来れば碩いなり。吉。大人を見るに利ろし。
進めば困難にあい、戻れば大きな功を成して吉です。大人に会うのがよいです。
行き着くところまで来て、外へ突き進む道はもうありません。引き返して力のある人と一緒に取り組むほうが、大きなことを成し遂げやすくなります。
小象:往蹇來碩,志在內也。利見大人,以從貴也。
蹇,難也,險在前也。見險而能止,知矣哉!蹇利西南,往得中也;不利東北,其道窮也。利見大人,往有功也。當位貞吉,以正邦也。蹇之時用大矣哉!
蹇とは難しいこと、危険が前にあることです。危険を見て止まることができるのは、なんと賢いことでしょう。西南に行くのがよいのは、行けば中ほどの道を得られるからです。東北がよくないのは、その道が行き詰まるからです。大人に会うのがよいのは、行けば功績があるからです。正しい位にあって正しさを守れば吉なのは、それで国を正せるからです。蹇の時の働きは、なんと大きいことでしょう。
大象山上有水,蹇;君子以反身修德。
山上に水有るは蹇なり。君子以て身に反りて徳を修む。
山の上に水があるのが蹇です。君子はこれを見て、わが身を振り返り、徳を修めます。
序卦伝:なぜこの順番なのか乖必有難,故受之以蹇;蹇者難也。
背き合えば、必ず困難が生まれます。そこで睽の後に蹇が続きます。蹇とは難しいことです。
雑卦伝解緩也,蹇難也。
雑卦伝は、解はゆるむこと、蹇は難しいことと対にします。蹇は前に険しさがあって動けない時、解は困難がほどけて情勢がゆるむ時です。詰まると緩むの対比で、二つの卦は形が上下逆さまです。
関連する卦よくある質問
蹇卦が出たら、恋愛はどう読む?
時間や距離、環境が合わず、出会いの道がしばらく通りにくい時です。焦らず自分の暮らしを整えましょう。初六の「往蹇來譽」のとおり、少し止まると、かえって見てくれる人が現れやすくなります。 家族の反対や遠距離、互いの古い課題など、関係に障害がある時です。大象の「反身修德」のとおり、相手に求め続けるより自分の直せる所を見るほうが、こじれにくくなります。
蹇卦が出たら、仕事はどう読む?
就職も転職も道が詰まりやすく、山の上の水のように足元が滑る時です。競争の激しい席に突っ込まず、卦辞の「利見大人」のとおり業界の先輩に紹介や助言を頼むほうが、実りやすくなります。 プロジェクトや仕事の道筋が詰まっている時は、正面からぶつからないことです。手をつけられる所から片づけ、上司や経験のある人に相談するほうが、一人で戦うより進みやすくなります。
蹇卦が出たら、待っていることは来る?
前を山と水がふさいでいて、知らせは遅めです。こちらの足場が固まり、誰かが手を貸すと動きやすい形です。九五は「大蹇朋來」と言い、声を上げておくと助けは届きやすくなります。
蹇卦が出たら、失せ物は見つかる?
見つかる見込みは低めです。艮は山や石、門の脇の隅、坎は水や隠れた所です。石の近く、壁の角、敷居の脇、排水溝や湿って暗い場所、それに北東の隅も見てみましょう。
一卦は一つの問いに答え、命盤はあなた自身とこの一年の全体を映します。
経文は『周易』の通行本によります。現代語訳と読み方は星格が書いた参考で、定説ではありません。