ふさわしい相手を見つけ、心から寄っていく卦です。まず自分の気持ちが正しく、長く続けられるかを確かめてから近づきましょう。動くのは早めに。最後まで迷うことを、卦辞は戒めています。
よいこと
- ふさわしい人に心から近づく
- 見きわめたら早めに伝える
- 自分の本心を確かめ直す
- 人とのつながりを作る
避けたいこと
- 最後まで迷って遅れる
- 合わない輪に入る
- あれこれ目移りする
- 駆け引きだけで近づく
仕事とお金
- 就職・転職
- チームに加わる、期待できる上司や会社に移るのに向いています。見きわめたら早めに応募を。卦辞は「後夫凶」、枠が埋まってから履歴書を出しても間に合いません。
- 起業・商売
- 共同経営、フランチャイズ加盟、後ろ盾探しに向きます。五本の陰爻がみな九五へ寄るように、核となる相手選びが肝心です。ただ卦辞の「原筮」のとおり、相手の素性と自分の本心をもう一度確かめて。
- お金
- 信頼できる人と組む、堅実な組織に加わるのに向いています。相手は慎重に選び、素性のわからない人とお金で結びつかないことです。
恋愛と人間関係
- シングル
- 相手との距離を縮めやすい時期です。好きな人には自分から近づき、駆け引きより本心で。好意があるなら早めに伝えましょう。様子を見ているうちに、ほかの人に先を越されるかもしれません。
- パートナーがいる
- 地の上の水のようにすき間なく寄り添える時で、結婚の話や将来の計画など、もう一歩近づくのに向いています。ただ親しむ相手を選ぶことも大事で、六三の「比之匪人」には気をつけたいところです。
- 復縁
- 見込みはありますが、早めに動くこと。そして本当に長く続けたいのか、先に自分に問いましょう。長引いて相手のそばに誰かが現れれば、卦辞の「後夫凶」になります。
- 人間関係・協力
- 人に恵まれ、人が集まりやすい時です。付き合う価値のある人には自分からつながりを。人柄に問題がある相手には無理に近づかないこと。合わない輪に入るのは、一人でいるより厄介です。
暮らし
- 試験・学業
- 先輩や先生、勉強仲間を見つけ、経験のある人についていくのに向きます。申し込みも席の確保も早めに。遅れると、使える機会がほかの人に回ってしまいます。
- 引っ越し・旅行
- 親族や知人を頼る、知り合いの近くに引っ越す、ツアーで出かけるのに向いています。決めたら早めに予約を。ぎりぎりになると選択肢が減り、値段も上がりがちです。
- 心身の状態
- 誰かがそばにいると安心できる時期で、一人で抱え込まないことです。友人を食事に誘って話しましょう。人に寄りかかりすぎたり、人の目を気にしすぎたりしないよう、疲れたら早めに休んで。
昔ながらの占的
- 待っていること
- 来ます。多くは人のほうから近づいてくる形で、速さも遅くありません。条件は、こちらが早めに意思を示しておくこと。最後まで待っていると、順番が回ってこないかもしれません。
- 争い・訴訟
- 和やかさを大切にする卦で、法廷で争うより交渉のほうが有利です。早めに歩み寄りの姿勢を見せ、間に立つ人に橋渡しを頼みましょう。先に来た人ほど話がまとまりやすく、遅れた人は不利になります。
- 失せ物・尋ね人
- 見つかる見込みは低くありません。地の上に水がある象で、床の上、水回りの近く、人がよく集まる場所にありそうです。家族や同僚など身近な人に聞くと、行方を知っていることがよくあります。
決断するとき
本心からか、長く続けられるかをまず自分に問いましょう。確かめられたら早めに動くこと。先延ばしが、この卦でいちばん大きなリスクです。
たとえばこんな人なら
比は「原筮」、もう一度確かめよと言います。どちらの上司に長くついていきたいか、自分はどの道を歩みたいか。考えがまとまったら早めに返事を。両方を待たせ続けると、両方を失いかねません。
比は地に水が寄り添う、親しみの卦で、時機は悪くありません。本当に一緒にいたいなら早めに伝えましょう。卦辞は遅れて来る者を戒めています。待ち続けるうちに、相手が同じ場所にいるとは限りません。
これは変爻がないときの読み方です。変爻があれば朱熹の考変占法で読むべき爻を見ます。卦を立てると結果ページで直接わかります。
吉。原筮元永貞,无咎。不寧方來,後夫凶。
吉。原ねて筮し、元永貞なれば咎なし。寧からざるもの方に来る。後るる夫は凶。
吉。もう一度占って自分を見つめ直し、大いなる善さと長く続く正しさがあると確かめられれば、咎はありません。落ち着かない者たちが次々と寄ってきます。遅れて来る者は凶です。
水地比(すいちひ)は、上卦が坎(水)、下卦が坤(地)です。地の上に水があり、すき間なくぴったり寄り添っているので「比」、親しむという意味になります。陽爻は尊い位にある九五の一本だけで、五本の陰爻がみなそこへ集まります。
初六
有孚,比之,无咎。有孚盈缶,終來有它,吉。
孚有りて之に比す。咎なし。孚有りて缶に盈つ。終に来りて它有り。吉。
誠実な心で親しみ寄り添えば、咎はありません。誠実さが甕いっぱいに満ちていれば、最後には思いがけない吉が来ます。
人や集まりとの付き合いが始まったばかりの時期です。計算せず、初めから本心で接しましょう。誠意が十分なら、思わぬところからよいことが来やすくなります。
小象:比之初六,有它吉也。
六二
比之自內,貞吉。
之に比すること内よりす。貞にして吉。
内から心をこめて親しみます。正しさを守って吉です。
相手に近づくのは本当に共感しているからで、機嫌を取るためではない、という形です。自分の筋を保ってこそ、関係は安定しやすくなります。
小象:比之自內,不自失也。
六三
比之匪人。
之に比するに人に匪ず。
親しむ相手が、ふさわしい人ではありません。
今近づいている人や集まりは、合っていないかもしれません。いったん立ち止まって相手の人柄を見きわめ、早めに距離を取れば、巻き込まれにくくなります。
小象:比之匪人,不亦傷乎!
六四
外比之,貞吉。
外之に比す。貞にして吉。
外の賢い人に親しみます。正しさを守って吉です。
自分より力があり、まっすぐな人と組む、学びにいくのに向いています。隠さず堂々と近づいてかまいません。
小象:外比於賢,以從上也。
九五
顯比。王用三驅,失前禽,邑人不誡,吉。
比を顕かにす。王用て三駆して前禽を失う。邑人誡めず。吉。
公明正大に親しみます。王の狩りは三方からだけ追い込み、前へ逃げる獣は逃がします。町の人々も警戒する必要がなく、吉です。
みんなが近づきたいと思う側にいます。来る人は迎え、去る人は無理に引き止めない。派閥を作らなくても、人は自然と納得してついてきやすくなります。
小象:顯比之吉,位正中也。舍逆取順,失前禽也。邑人不誡,上使中也。
上六
比之无首,凶。
之に比するに首なし。凶。
親しもうとしても、よい始まりがありません。凶です。
加わるべき時、意思を示すべき時を先延ばしにして、今になって近づこうとしても、席はもう埋まっています。次は早めに決めること。今は無理に割り込まないほうが無難です。
小象:比之无首,无所終也。
比,吉也。比,輔也,下順從也。原筮,元永貞,无咎,以剛中也。不寧方來,上下應也。後夫凶,其道窮也。
比は吉です。比とは助け合うことで、下の者が従います。もう一度占い、大いなる善さと長く続く正しさを確かめれば咎がないのは、剛爻の九五が中の位にあるからです。落ち着かない者が次々と寄ってくるのは、上と下が応じ合っているからです。遅れて来る者が凶なのは、その道がもう行き詰まっているからです。
大象地上有水,比;先王以建萬國,親諸侯。
地上に水有るは比なり。先王以て万国を建て、諸侯を親しむ。
地の上に水があるのが比です。昔の王はこれを見て、多くの国を建て、諸侯と親しみました。
序卦伝:なぜこの順番なのか眾必有所比,故受之以比;比者比也。
人が大勢集まれば、必ずどこかに寄り添う中心が要ります。そこで師の後に比が続きます。比とは親しみ、寄り添うことです。
雑卦伝乾剛坤柔,比樂師憂。
比と師が対にされます。比はみんなが一つの中心に親しみ寄るので楽しく、師は大勢を動かして戦いに出るので憂いがあります。
関連する卦よくある質問
比卦が出たら、恋愛はどう読む?
相手との距離を縮めやすい時期です。好きな人には自分から近づき、駆け引きより本心で。好意があるなら早めに伝えましょう。様子を見ているうちに、ほかの人に先を越されるかもしれません。 地の上の水のようにすき間なく寄り添える時で、結婚の話や将来の計画など、もう一歩近づくのに向いています。ただ親しむ相手を選ぶことも大事で、六三の「比之匪人」には気をつけたいところです。
比卦が出たら、仕事はどう読む?
チームに加わる、期待できる上司や会社に移るのに向いています。見きわめたら早めに応募を。卦辞は「後夫凶」、枠が埋まってから履歴書を出しても間に合いません。 チームに加わる、協力相手を探す、ついていく上司を選ぶのに向く時期です。見きわめたら早めに意思を示しましょう。みんなが位置についてから来るのでは遅くなります。
比卦が出たら、待っていることは来る?
来ます。多くは人のほうから近づいてくる形で、速さも遅くありません。条件は、こちらが早めに意思を示しておくこと。最後まで待っていると、順番が回ってこないかもしれません。
比卦が出たら、失せ物は見つかる?
見つかる見込みは低くありません。地の上に水がある象で、床の上、水回りの近く、人がよく集まる場所にありそうです。家族や同僚など身近な人に聞くと、行方を知っていることがよくあります。
一卦は一つの問いに答え、命盤はあなた自身とこの一年の全体を映します。
経文は『周易』の通行本によります。現代語訳と読み方は星格が書いた参考で、定説ではありません。