下へはがれ落ちていく局面です。よいものが失われ、よくない力が大きくなっています。卦辞ははっきり、進むのはよくないと言います。今は根本を守り、損失を減らし、流れが戻るのを待つ時です。
よいこと
- 核になる元手を守る
- 損切りして現金を残す
- 住まいを落ち着かせる
- 足を引っぱる人から離れる
避けたいこと
- 新しい戦線を開く
- 無理をして勝負に出る
- 相手に答えを迫る
- 小人に同調する
仕事とお金
- 就職・転職
- 就職活動も転職も不利な時で、卦辞ははっきり「不利有攸往」と言います。会社が下り坂なら、まず今の席と専門性を守り、職務経歴書はひそかに整える程度に。底が見えてから動くほうが選びやすくなります。
- 起業・商売
- 起業や新しい取引は見込みが低めです。剥は寝台の足から崩れる卦で、問題は資金繰りや人手、仕入れなど足元に出やすいものです。まず出血を止め、赤字の事業を畳み、「碩果不食」の元手を残しましょう。
- お金
- 資産が少しずつ削られる心配があります。赤字が続く、じわじわ持ち出されるといった形です。まず損切りをして現金を残し、買い増しや借金での拡大は控えましょう。
恋愛と人間関係
- シングル
- 相手を見つけにくく、自信も少しずつ削られがちな時期です。まず暮らしと自分を大切にし、流れに従っていったん止まりましょう。焦って基準を下げると、かえって疲れやすくなります。
- パートナーがいる
- 関係が少しずつすり減り、ひびは日々の小さなことから一段ずつ上がってきます。今は答えを迫らず、家の基本的な手入れを大事に。大象の「安宅」のとおり、言い合いに勝つより効きやすい時です。
- 復縁
- 見込みは低めです。流れはまだ下り坂で、追いかけるほど深くはがれやすくなります。いったん手を止めて暮らしを立て直しましょう。剥の次は復の卦で、戻るとしてもその先になりやすいものです。
- 人間関係・協力
- 協力相手の中に足を引っぱる人がいて、小人の勢いが伸びています。六三は陰爻の中でただ一つ上九に応じるので咎なしです。その集団とは距離を置き、正しい側に立つほうが巻き込まれにくくなります。
暮らし
- 試験・学業
- 成績や調子が、山が風化するように少しずつ下がりやすい時期です。勉強法を変えたり科目を増やしたりせず、いちばん土台の考え方を固め直して、取れる点を守るほうが崩れにくくなります。
- 引っ越し・旅行
- 遠出や知らない土地への引っ越しには不向きです。どうしても移るなら、地盤がしっかりして建物の状態がよい物件を。山が地に寄りかかる象で、住まいはまず安定が大事になりやすいものです。
- 心身の状態
- 中身を削られるような消耗を感じやすく、気力が少しずつ抜けていく時期です。まず睡眠を確保し、自分をすり減らす人や用事を減らしましょう。体の異変は我慢せず、一度医師に診てもらうと安心です。
昔ながらの占的
- 待っていること
- 遅めです。目の前はまだ悪くなる途中で、はがれきって流れが反転してから知らせが来やすい形です。それまで何度も催促すると、悪い知らせが先に届きやすくなります。
- 争い・訴訟
- こちらに不利で、相手の勢いが伸びています。強気に争うほど負けが重なりやすいでしょう。和解できるなら和解して損失を抑えること。六四のように肌まで傷つく段階まで長引かせないことです。
- 失せ物・尋ね人
- 見つかる見込みは低めです。すでにばらされたか、持ち去られた可能性があります。探すなら低い場所、床の上、布類の山の中(坤)、石や壁の角、扉の脇の隅(艮)を見てみましょう。
決断するとき
今は動かないほうがよい時です。大きな決断は先に延ばし、その力を足元の穴をふさぐことに回しましょう。
たとえばこんな人なら
剥は下から一枚ずつはがれていく卦で、次に自分がどうなるかは読みにくい時です。目の前の仕事をこなし、専門性と人脈を守りつつ、職務経歴書はひそかに更新を。今は新しい案件を取りに行ったり、辞めて賭けに出たりしないほうが傷は浅くすみやすくなります。
剥は下から一段ずつ傷んでいく卦で、家も同じです。土台や配管の問題は放っておくほど上へ広がりやすくなります。まず構造と雨漏りの修理にお金を使い、内装や家具の買い替えは後回しに。大象の「安宅」のとおり、見た目より住まいの安定を先にすると、傷みは広がりにくくなります。
これは変爻がないときの読み方です。変爻があれば朱熹の考変占法で読むべき爻を見ます。卦を立てると結果ページで直接わかります。
不利有攸往。
往く攸有るに利ろしからず。
進んで事を行うのはよくありません。
山地剥(さんちはく)は、上卦が艮(山)、下卦が坤(地)です。陰が五つ下にあり陽が一つ上にあって、陰が下から陽をはぎ取っていきます。高い山が風化して地面へ崩れかけている姿で、「剥」、はがれ落ちるという意味です。
初六
剝牀以足,蔑貞凶。
床を剥するに足を以てす。貞を蔑ぼす。凶。
寝台を足からはぎ取ります。正しい道が侵され滅ぼされ、凶です。
問題がいちばん下から出てきています。現場の人が辞めていく、小さな決まりが何度も破られる、といった形です。軽く見えても爻辞は厳しく戒めています。今のうちに手を打てば、上へ広がるのを防ぎやすくなります。
小象:剝牀以足,以滅下也。
六二
剝牀以辨,蔑貞凶。
床を剥するに弁を以てす。貞を蔑ぼす。凶。
寝台を、脚と台の継ぎ目まではぎ取ります。正しい道が侵され滅ぼされ、凶です。
侵食が骨組みまで上がってきたのに、そばに助けてくれる人がいない形です。危ういのは一人で無理をすること。核になる部分を守り、自分から支援を求めれば、広がりを抑えやすくなります。
小象:剝牀以辨,未有與也。
六三
剝之,无咎。
之を剥するも、咎なし。
はがれ落ちる情勢の中にいますが、咎はありません。
周りが下り坂で皆が奪い合っている中、正しい側に立ち、騒ぎに加わらない形です。それまでの仲間とは距離ができますが、その選び方は間違いになりにくいものです。
小象:剝之无咎,失上下也。
六四
剝牀以膚,凶。
床を剥するに膚を以てす。凶。
寝台を床面まではぎ取り、寝ている人の肌まで傷つきます。凶です。
問題が自分の身にまで届き、収入や立場、評判に直接響いている状態で、爻辞はいちばん重く見ています。様子見をやめてすぐ損失を減らし、安全な位置まで下がるほうが、傷は浅くすみやすくなります。
小象:剝牀以膚,切近災也。
六五
貫魚,以宮人寵,无不利。
魚を貫くがごとく、宮人を以て寵せらる。利ろしからざるなし。
串に通した魚のように、宮中の人々を率いて順に寵愛を受けさせます。よくないことはありません。
一つの集まりをまとめる立場です。不利な流れの中でも、皆を率いて秩序よく上の人に合わせ、寵を争わず勝手をしなければ、何事も進みやすくなります。
小象:以宮人寵,終无尤也。
上九
碩果不食,君子得輿,小人剝廬。
碩果食われず。君子は輿を得、小人は廬を剥す。
大きな果実が食べられずに残っています。君子は車を得、小人は自分の住む家まではぎ取ります。
悪い流れははがれきって底に来ており、自分は残った種のような存在です。守り抜いた人は皆に推されて再出発しやすく、中身を削るだけの人は、最後に自分の居場所までなくしやすくなります。
小象:君子得輿,民所載也。小人剝廬,終不可用也。
剝,剝也,柔變剛也。不利有攸往,小人長也。順而止之,觀象也。君子尚消息盈虛,天行也。
剥とは、はがれ落ちることで、柔が剛を変えていくことです。進んで事を行うのがよくないのは、小人の勢いが伸びているからです。時の流れに従って止まるのは、卦の象を見て得たことです。君子が衰えと伸び、満ちると欠けるの移り変わりを重んじるのは、それが天の運行だからです。
大象山附於地,剝;上以厚下,安宅。
山の地に附くは剥なり。上以て下を厚くし、宅を安んず。
山が地に寄りかかっているのが剥です。上に立つ者はこれを見て、下の土台を厚くし、住まいを安らかにします。
序卦伝:なぜこの順番なのか致飾然後亨,則盡矣,故受之以剝;剝者剝也。
前の卦の賁は飾ることです。飾りを極めれば、通じる力も使い果たされます。そこで賁の後に剥が続きます。剥とは、はがれ落ち、すり減ることです。
雑卦伝剝爛也,復反也。
雑卦伝は、剥はただれること、復は戻ることと対にします。剥は熟しきった果実が崩れ落ちるように衰えきること、復は再び戻ってくることです。一方は尽きる時、もう一方は戻り始める時という対比です。
関連する卦よくある質問
剥卦が出たら、恋愛はどう読む?
相手を見つけにくく、自信も少しずつ削られがちな時期です。まず暮らしと自分を大切にし、流れに従っていったん止まりましょう。焦って基準を下げると、かえって疲れやすくなります。 関係が少しずつすり減り、ひびは日々の小さなことから一段ずつ上がってきます。今は答えを迫らず、家の基本的な手入れを大事に。大象の「安宅」のとおり、言い合いに勝つより効きやすい時です。
剥卦が出たら、仕事はどう読む?
就職活動も転職も不利な時で、卦辞ははっきり「不利有攸往」と言います。会社が下り坂なら、まず今の席と専門性を守り、職務経歴書はひそかに整える程度に。底が見えてから動くほうが選びやすくなります。 チームや会社が下り坂にあり、人の心が離れ、仕組みもゆるみがちです。まず自分の核になる力と大事なつながりを守りましょう。今は新しい戦線を開く時ではありません。
剥卦が出たら、待っていることは来る?
遅めです。目の前はまだ悪くなる途中で、はがれきって流れが反転してから知らせが来やすい形です。それまで何度も催促すると、悪い知らせが先に届きやすくなります。
剥卦が出たら、失せ物は見つかる?
見つかる見込みは低めです。すでにばらされたか、持ち去られた可能性があります。探すなら低い場所、床の上、布類の山の中(坤)、石や壁の角、扉の脇の隅(艮)を見てみましょう。
一卦は一つの問いに答え、命盤はあなた自身とこの一年の全体を映します。
経文は『周易』の通行本によります。現代語訳と読み方は星格が書いた参考で、定説ではありません。