エネルギーに満ちた卦で、自分から動く、始める、引き受けることに向きます。ただ乾の六爻はすべて時機の話です。今どの位置にいるかを見て、潜むときは潜み、飛ぶときは飛び、頂点に来たら引くことを覚えておきましょう。
よいこと
- 自分から取りにいく
- 長い目で打ち込む
- 人と組んで分け合う
- 頂点で引き際を知る
避けたいこと
- とことん張り合う
- 一人で何でも決める
- 時機の前に動く
- 体力を使い果たす
仕事とお金
- 就職・転職
- 上を目指して動く時期です。応募書類を出す、担当したい案件に手を挙げる。ただ自分がどの爻にいるかは見きわめて、業界に入ったばかりなら、いきなり管理職を求めず実績を積むのが先です。
- 起業・商売
- 乾は創業の力を持つ卦で、自分が方向を決める立場に向きます。ただ六爻すべてが陽で、和らげる存在がいません。ブレーキを踏める相棒を一人そばに置いておくと安心です。
- お金
- 計画に沿ってこつこつ積み上げる、あるいは自分の力を伸ばすことにお金を使うのに向いています。調子がよいときほど、勢いで額を増やさないことが大切です。
恋愛と人間関係
- シングル
- 魅力も、自分から声をかける勇気もある時期です。遠回しなサインより、はっきり誘うほうが伝わりやすいでしょう。ただ恋愛を勝ち負けの勝負にしないように。
- パートナーがいる
- 二人とも強いと、それぞれが自分のやり方で家を回そうとしがちです。用九の「群龍无首」は、誰も先頭に立たないことを吉とします。大きなことは相談して決め、どちらか一方が決定権を握らないようにしましょう。
- 復縁
- 自分から連絡してもかまいませんが、実際に変わったことを示せるかが鍵です。勢いだけでは人は戻りにくいもの。返事がなければそこで止めること。上九の「亢龍有悔」のとおり、追うほど距離が開きやすくなります。
- 人間関係・協力
- 有能な人がそろうチームでは、ただ一人のリーダーである必要はありません。用九のように先頭を争わず、交代でまとめ役を担い、手柄を周りに分けるほど、いい人が離れずに残りやすくなります。
暮らし
- 試験・学業
- 天の運行のように休まない強さは、資格試験など長期戦の勉強に向き、目標を高めに置いても持ちこたえられます。ただ直前の徹夜は禁物で、終盤ほど体力を残しておきたいところです。
- 引っ越し・旅行
- 出発も引っ越しも順調に運びやすく、より高く開けた場所へ向かうのに向きます。予定を詰め込んでもこなせますが、急ぎすぎて着いたらへとへと、とならないように。
- 心身の状態
- エネルギーは十分ですが使いすぎやすく、夜に頭が切り替わりにくい時期です。昼は動き、夜は静める。何もしない時間を意識して確保しましょう。体の不調を感じたら、早めに医師に相談を。
昔ながらの占的
- 待っていること
- 来ますが、自分から動いて引き寄せる形になりそうです。大象の「天行健」のとおり、じっと待つより自分が動き続けるほうが、ずっと早く結果が出やすいでしょう。
- 争い・訴訟
- 主張には筋が通っているので、根拠を示して堂々と争えます。ただ相手が譲り始めたら、そこで収めましょう。とことん追い詰めると、かえって後悔の種になりやすくなります。
- 失せ物・尋ね人
- 見つかる見込みはありますが、自分で探す必要があります。高い場所、丸いものや金属の近く、目上の人や上司に関わる場所を当たってみてください。乾は天・円・金属を表します。
決断するとき
進めてよく、むしろ自分から動きたい時です。条件は正攻法でいくことで、近道や賭けに頼らないことです。
たとえばこんな人なら
次のステップを狙えるか知りたい。乾は可能だと示しつつ、今どの爻にいるかを問います。今は「見龍在田」の段階。まずチームを安定させ、仕事ぶりを見てもらってから次の話をするのが順序です。
乾がくれるのは動く力で、成否は準備しだいです。手元の資金でどれだけ持つか、うまくいかない場合の退路を先に考えてから全力で。軌道に乗ったら、重荷を分け合える人を迎えましょう。
これは変爻がないときの読み方です。変爻があれば朱熹の考変占法で読むべき爻を見ます。卦を立てると結果ページで直接わかります。
元亨。利貞。
元いに亨る。貞しきに利ろし。
大いに通じる。正しさを守るのがよい。
乾為天(けんいてん)は、上卦も下卦も乾(天)で、六本の爻がすべて陽です。天は一日に一周し、止まることがありません。そこでこの卦の象は「健」、疲れを知らない強さとされます。
初九
潛龍勿用。
潜竜用うることなかれ。
竜はまだ水の底に潜んでいます。動いてはいけません。
時機はまだで、力も蓄えている途中です。今あわてて目立とうとしても空回りしやすいので、まず腕を磨き、土台を固める時期です。
小象:潛龍勿用,陽在下也。
九二
見龍在田,利見大人。
見竜田に在り。大人を見るに利ろし。
竜が田野に現れます。徳と地位のある人に会うのがよい。
周りが気づき始めています。一人で黙々と抱えるより、引き上げてくれる人に自分から会いに行き、舞台をつかみにいくほうが生きます。
小象:見龍在田,德施普也。
九三
君子終日乾乾,夕惕若;厲,无咎。
君子終日乾乾し、夕べに惕若たり。厲うけれども咎なし。
君子は一日中つとめ励み、夜になってもなお慎み警戒します。危ういが、咎はありません。
プレッシャーが大きく責任も重い、少し板挟みの立場です。爻辞は危ういとしますが、昼は誠実に働き、夜にふり返る習慣が失敗を遠ざけます。気を抜く爻ではなく、踏ん張る爻です。
小象:終日乾乾,反復道也。
九四
或躍在淵,无咎。
或いは躍りて淵に在り。咎なし。
竜は躍り上がるか、あるいは淵に退きます。咎はありません。
跳ぶかどうかの境目に立っています。上を目指して試し、届かなければ引き返す。進んでも退いても余地があるので、一度ですべてを決めなくてかまいません。
小象:或躍在淵,進无咎也。
九五
飛龍在天,利見大人。
飛竜天に在り。大人を見るに利ろし。
竜が天を飛んでいます。徳と地位のある人に会うのがよい。
卦全体でいちばんよい位置で、力と時機と立場がそろっています。思い切って取り組みつつ、組む相手を見きわめることも忘れずに。
小象:飛龍在天,大人造也。
上九
亢龍,有悔。
亢竜、悔い有り。
竜が高く昇りつめすぎています。悔いがあります。
すでに頂点に来ていて、さらに上を狙うと後悔につながりやすい時です。手を引く、席を譲る、次へ引き継ぐことを考える段階で、上乗せは控えたいところです。
小象:亢龍有悔,盈不可久也。
用九
見羣龍无首,吉。
群竜首なきを見る。吉。
群れをなす竜が現れ、どれも先頭に立とうとしません。吉。
乾の六爻がすべて変わる場合です。全員が強いときほど、誰もトップの座を奪い合わないほうがうまくいきます。強さに譲る心が加わると、物事が回りやすくなります。
小象:用九,天德不可為首也。
大哉乾元,萬物資始,乃統天。雲行雨施,品物流形,大明終始,六位時成。時乘六龍以御天,乾道變化,各正性命,保合大和,乃利貞。首出庶物,萬國咸寧。
乾の始まりは、なんと大きいことでしょう。万物はこれによって始まり、乾は天を統べています。雲が行き雨が降って、万物はそれぞれの形をとります。物事の始めから終わりまでをはっきり見通せば、六つの位はそれぞれ時に応じて成り立ち、時に六匹の竜に乗って天を駆けるようです。天の道が変化して、万物はそれぞれ本性と天命を正しく得て、最も大きな調和を保ちます。これが、正しさを守るのがよいということです。乾は万物の上に抜きん出て、天下の国々はみな安らかになります。
大象天行健,君子以自強不息。
天行は健なり。君子以て自強して息まず。
天の運行は力強く、止まることがありません。君子はこれを見て、自分を強くし続け、怠ることがありません。
序卦伝:なぜこの順番なのか有天地,然後萬物生焉。
天と地があって、はじめて万物が生まれます。乾と坤はすべての始まりなので、六十四卦の最初に置かれています。
雑卦伝乾剛坤柔,比樂師憂。
乾は剛、坤は柔。乾の性格は剛健そのもので、坤のやわらかく受け入れる性質とちょうど対になっています。
関連する卦よくある質問
乾卦が出たら、恋愛はどう読む?
魅力も、自分から声をかける勇気もある時期です。遠回しなサインより、はっきり誘うほうが伝わりやすいでしょう。ただ恋愛を勝ち負けの勝負にしないように。 二人とも強いと、それぞれが自分のやり方で家を回そうとしがちです。用九の「群龍无首」は、誰も先頭に立たないことを吉とします。大きなことは相談して決め、どちらか一方が決定権を握らないようにしましょう。
乾卦が出たら、仕事はどう読む?
上を目指して動く時期です。応募書類を出す、担当したい案件に手を挙げる。ただ自分がどの爻にいるかは見きわめて、業界に入ったばかりなら、いきなり管理職を求めず実績を積むのが先です。 主導権を取りにいく、新しい企画を立ち上げる、より大きな責任を引き受けるのに向く時期です。一度の全力疾走より、長く続けて力を注ぐほうが実を結びやすいでしょう。
乾卦が出たら、待っていることは来る?
来ますが、自分から動いて引き寄せる形になりそうです。大象の「天行健」のとおり、じっと待つより自分が動き続けるほうが、ずっと早く結果が出やすいでしょう。
乾卦が出たら、失せ物は見つかる?
見つかる見込みはありますが、自分で探す必要があります。高い場所、丸いものや金属の近く、目上の人や上司に関わる場所を当たってみてください。乾は天・円・金属を表します。
一卦は一つの問いに答え、命盤はあなた自身とこの一年の全体を映します。
経文は『周易』の通行本によります。現代語訳と読み方は星格が書いた参考で、定説ではありません。