鈴星の性情(空劫・傷使・天馬を付す)
〈鈴星性情(附空劫、傷使、天馬)〉
『紫微斗数全書』巻二・安星起例と十二宮・原文と現代語訳
はじめに
この篇は『紫微斗数全書』巻二「諸星の性情」のうち鈴星の部分で、後ろにさらに地劫・天空・天傷・天使・天馬の五つの星が付いています。巻二の諸星の性情の中で、いちばん雑多な篇です。
- 鈴星(第1〜7段):南斗の浮星で、性格に毒があり、顔に傷があり、肝が太く人に抜きん出ます。入廟して貪狼星・武曲星に遇えば威が辺境を鎮め(後の鈴貪格)、落陥すれば若死にし、顔に傷を負います。
- 火鈴の合論(第8〜16段):火星・鈴星が男命・女命・運限に入るときの歌訣です。
- 地劫・天空(第17〜33段):地劫は「劫殺之神」、天空は「空亡之神」で、名づけて「斷橋」と言います。歌訣は、孔子が陳で食糧を絶たれた話、項羽が国を失った話、緑珠が楼から身を投げた話を例に挙げます。ここの「天空」は時刻で置く地空星のことで(全書の安星訣「亥上起子順安劫,逆向便是天空鄉」)、星格の盤では地空星と呼びます。盤にはこれとは別に年支で置く「天空」がありますが、それとは別の星です。
- 天傷・天使(第34〜39段):天傷は奴僕宮に、天使は疾厄宮にあり、運限が巡ってきたときに論じます。
- 天馬(第40〜44段):禄存星と会うのを最も喜び、截路空亡を最も忌みます。
「女命只可為偏房妓婢而已」「限到其人尋死路」といった原文の断定は、訳文でも原意どおりに訳しています。
1鈴星火,南斗浮星。性毒形神破相,膽大出眾,宜寅午戌人權貴,亦利東南生人限行福厚,西北生人限行成敗,雖富貴亦不耐久,
書き下し鈴星は火、南斗の浮星。性毒にして形神破相、胆大にして衆に出づ、寅午戌の人に宜しく権貴、亦東南の生人に利あり限行けば福厚し、西北の生人は限行けば成敗あり、富貴といえども亦久しきに耐えず。
現代語訳鈴星は五行で火に属し、南斗の浮星です。性格には毒があり、姿や顔つきに傷があり、肝が太く、人に抜きん出ています。寅・午・戌の年に生まれた人にはよく、権と貴さがあります。また東南の方角に生まれた人に利があり、運限が巡れば福が厚くなります。西北の方角に生まれた人は、運限が巡れば成功も失敗もあり、富貴であっても長くは続きません。
- 浮星
- 全書が煞星や助星を呼ぶ言い方で、主星に対する語。
- 不耐久
- 長く続かないこと。
鈴星と火星は一対です。どちらも火に属し、どちらも南斗の浮星で、どちらも年支と時刻で置かれ、輝度の表も同じです(寅・午・戌が廟、申・子・辰が陥)。違いは性質にあります。火星は表に見える火で、激しく来ます。鈴星は内にこもる火で、くすぶり続けます。全書は鈴星を「性毒」と言い、火星の「剛強出眾」とは違います。〈鈴星の主るところは〉も鈴星を「性格亦沉吟」と言っています(鈴星の主るところは)。方角の条件は火星と同じく東南に利があり西北に利がないというもので、星格の盤からは読み取れません。「寅午戌人權貴」も火星の篇と同じく、宮の廟地が年支のように書かれたのかもしれません。
2入廟遇貪狼武曲,威鎮邊夷,更會紫府左右不貴即富,
書き下し入廟して貪狼武曲に遇えば、威辺夷を鎮む、更に紫府左右に会えば貴ならずんばすなわち富む。
現代語訳鈴星が入廟して貪狼星・武曲星に遇えば、その威名が辺境と異民族を鎮めます。さらに紫微星・天府星・左輔星・右弼星と会えば、貴くならなければ富みます。
- 邊夷
- 辺境と異民族。
3如居陷地夭折破相延壽,或離祖重拜父母。
書き下しもし陥地に居れば夭折す、破相すれば寿を延ぶ、或いは祖を離れ重ねて父母を拝す。
現代語訳鈴星がもし陥地にあれば、若くして死にます。顔や体に傷を負えば、寿命が延びます。あるいは祖業を離れ、あらためて別の人を父母として拝みます。
- 破相延壽
- 顔や体に傷を負うことで、かえって寿命が延びること。
鈴星が陥地(申・子・辰)にあれば、若死にするか、顔に傷を負って寿命を延ばすか、祖業を離れて別の父母を拝むか、と言います。三つの結果は、どれか一つという口ぶりです。若死にするか、顔の傷という代償を払って命を保つか、生まれた家を離れるか、です。これは火星の篇の、養子に出すか母方の実家に預けるという話と同じ考え方で、煞の重い命を、昔の人は「移す」ことでやわらげました。今の暮らしに置き換えると、幼いころの健康や家庭環境が不安定になりやすく、他人に育てられたり、体に傷跡があったりする、ということです。
4女命性剛背六親,傷夫剋子,遇吉始能豐足。
書き下し女命は性剛にして六親に背き、夫を傷つけ子を剋す、吉に遇いて始めて能く豊足す。
現代語訳女命の鈴星は、性格が剛く、六親に背き、夫を傷つけ、子を剋します。吉星に遇ってはじめて豊かになれます。
鈴星入限吉凶訣:
6限至鈴星事若何,貪狼相遇福還多,更加入廟逢諸吉,富貴聲揚處處歌。
書き下し限鈴星に至れば事いかん、貪狼相遇えば福還って多し、更に入廟を加えて諸吉に逢えば、富貴声揚がりて処処に歌う。
現代語訳運限が鈴星に至ればどうなるか。貪狼星に遇えば、福がかえって多くなります。さらに入廟し、多くの吉星に逢えば、富貴の名声が上がり、どこでも歌われます。
運限が鈴星に巡り、貪狼星に遇えば福がかえって多く、入廟して吉に逢えば富貴の名が上がる、という首です。第2段の本命の鈴貪格と同じ理屈を、運限に移したものです。鈴星は時刻で置かれ、本命の位置は決まっているので、大限が鈴星のある宮かその三方に巡ったときに、貪狼星が同宮するか会照するかを見ます。いまの言葉で言えば、この時期は思いがけない収入や突然の昇進がありやすいのですが、鈴星の福にはくすぶるような重圧もついてくるので、成功の前にしばらく耐える時間がよくあります。
7鈴星一宿不可當,守臨二限必癲狂,若無吉曜來相照,未免招災惹禍殃。
書き下し鈴星の一宿当たるべからず、二限に守臨すれば必ず癲狂す、もし吉曜の来たりて相照らす無くんば、未だ災を招き禍殃を惹くを免れず。
現代語訳鈴星という一つの星には太刀打ちできません。大限・小限に守り臨めば、必ず気が狂ったようになります。もし吉星が来て照らさなければ、災いを招き禍を引き起こすことを免れません。
- 二限
- 大限と小限。
鈴星が二限を守れば「必癲狂」で、吉曜がなければ災いを招き禍を引き起こします。癲狂は感情の抑えがきかなくなり、ふるまいが常軌を外れることです。鈴星は内にこもる火で、長くくすぶると爆発するので、昔の人はこれを心の状態と結びつけたのです。今の暮らしで言えば、この時期は重圧が大きく感情がたまりやすいので、運動や休暇、人に話すといった出口を自分に用意しておくことです。全書の入限の詩で心の状態を直接言うものは少なく、心身の健康への注意として読めます。
火鈴二星入男命吉凶訣:
9火鈴二曜居廟地,貪狼紫府宜相會,為人性急有威權,鎮壓鄉邦終有貴。
書き下し火鈴の二曜廟地に居り、貪狼紫府に宜しく相会すべし、人と為り性急にして威権有り、郷邦を鎮圧して終に貴有り。
現代語訳火星・鈴星の二つの星が廟地にあり、貪狼星・紫微星・天府星と会うのがよいです。人柄はせっかちで、威と権があり、郷里や国を鎮め、ついには貴くなります。
火鈴が入廟し、貪狼星や紫府と会うのがよく、性急で威権があり、郷里を鎮める、という首です。この首は火鈴をまとめて書いていて、条件は廟地(寅・午・戌)に貪狼星か紫府が加わることです。火貪・鈴貪は爆発力の格で、紫府は帝と庫で火鈴を従わせることができます。〈天府星の主るところは〉は天府星が「能化火鈴為福」と言います(天府星の主るところは)。「鎮壓鄉邦」は昔なら地方の有力者や武官のことで、今なら、ある分野や地域で影響力を持つことと読めます。
10火鈴在命落閑宮,西北生人作事庸,破盡家財終不久,須教帶疾免災凶。
書き下し火鈴命に在りて閑宮に落ち、西北の生人は事を作すこと庸、家財を破り尽くして終に久しからず、須く疾を帯びて災凶を免れしむべし。
現代語訳火星・鈴星が命宮にあって閑宮に落ち、西北の方角に生まれた人なら、事の行いは平凡です。家の財産を使い尽くし、結局長くは続かず、病を抱えてはじめて災いと凶を免れます。
- 閑宮
- 全書が決まった位置の表で定める、星が腕を振るえない宮。輝度の段階とは別のものです。
星格のやり方「西北生人」は生まれた土地の方角で見る必要があり、盤からは判断できないので、この句には命盤条件を付けていません。
火鈴が命宮で閑宮に落ち、西北の生まれなら、事の行いは平凡で、財を失い、病を抱えて災いを免れる、という首です。閑宮は〈命主・身主と起例雑説〉に位置の表があり(命主・身主と起例雑説)、落陥と同じものではありません。しかもその表に挙がるのは主星だけで、火星・鈴星はないので、この句の閑宮を申・子・辰の陥地とそのまま同じと見ることはできず、火鈴が力を振るえない位置というほどの意味に読むのが穏当です。「帶疾免災」がまた出てきます。右弼星や天梁星の篇と同じ言い方で、小さな病が大きな災いを防ぐ、というものです。「星格のやり方」に書いたとおり、西北の生まれかどうかは盤からはわかりません。〈諸星同垣〉は「火鈴夾命為敗局」と言っていて(諸星同垣:火星・鈴星)、これは火鈴が命宮の両隣にある形で、やはり不利です。現代風に読むと、物事を途中で投げ出しやすく、お金が安定せず、体に小さな不調を抱えやすい、ということです。
火鈴二星入女命吉凶訣:
12火鈴之星入命來,貪狼相會得和諧,三方無殺諸般美,坐守香閨得遂懷。
書き下し火鈴の星命に入り来たり、貪狼相会すれば和諧を得、三方に殺無ければ諸般美し、香閨に坐守して懐を遂ぐるを得。
現代語訳火星・鈴星が命宮に入ってきても、貪狼星と会えば調和します。三方に煞星がなければ何もかもよく、奥の間に落ち着いて座り、思いを遂げることができます。
- 香閨
- 女性の部屋、奥の間。
女命の火鈴が貪狼星と会い、三方に煞がなければ、調和して満ち足り、「坐守香閨得遂懷」です。全書の女命の火鈴としてはめずらしく前向きな句で、条件は貪狼星と会うことと三方に煞がないことです。「坐守香閨」は昔の理想の女性の暮らしで、今なら暮らしが落ち着き、望みがかなうことと読めます。星格の盤では、命宮に火星か鈴星があり、三方四正に貪狼星があって、羊陀空劫がなければ、この首の条件に当たります。
13火鈴二曜最難當,女命逢之必刑傷,若遇三方加殺湊,須防目下入泉鄉。
書き下し火鈴の二曜最も当たり難し、女命これに逢えば必ず刑傷す、もし三方に殺の湊まるを加うるに遇えば、須く目下泉郷に入るを防ぐべし。
現代語訳火星・鈴星の二つの星には最も太刀打ちしにくく、女命がこれに逢えば必ず刑傷があります。もし三方にさらに煞星が集まれば、たちまち黄泉に行くことに用心しなければなりません。
女命の火鈴は「最難當」「必刑傷」で、三方に煞が加われば「目下入泉鄉」です。この首は前の首と組になっていて、前の首は貪狼星があって煞がなければよく、この首は煞があれば凶だと言います。「目下」は目の前、すぐにという意味です。こうした死の断定は原意どおりに残していて、条件は火鈴が命宮に座り、三方にさらに煞が加わることで、重い組み合わせです。今の暮らしで言えば、こうした命盤の人は身の安全と健康にとくに気を配る、ということです。
火鈴二星入限吉凶訣:
15火鈴二星事若何,貪狼相會福還多,更加吉曜多權柄,富貴聲揚處處歌。
書き下し火鈴の二星事いかん、貪狼相会すれば福還って多し、更に吉曜を加うれば権柄多く、富貴声揚がりて処処に歌う。
現代語訳火星・鈴星の二つの星が運限にあればどうなるか。貪狼星と会えば、福がかえって多くなります。さらに吉星が加われば、権力を多く握り、富貴の名声が上がり、どこでも歌われます。
この首は第6段とほとんど同じ文で、鈴星を火鈴の二星に替え、「入廟逢諸吉」を「更加吉曜多權柄」に変えただけです。全書の入限の歌にはこうした重複がよくあり、出どころの違う口訣をつなぎ合わせたものです。運限で火鈴が貪狼星に遇うのはよいことで、吉星が加われば権力も多く握ります。
16火鈴限陷血濃侵,失脫尋常不可尋,口舌官災應不免,須防無妄禍來臨。
書き下し火鈴限に陥なれば血濃侵す、失脱すること尋常にして尋ぬべからず、口舌官災応に免れざるべし、須く無妄の禍の来臨するを防ぐべし。
現代語訳火星・鈴星が運限で落陥すれば、膿や血の災いに侵されます。物をなくすのは日常のことで、探しても見つかりません。口論や役所沙汰の災いは免れないはずで、思いがけない禍がやってくることに用心しなければなりません。
- 無妄
- 思いがけないこと。
校勘 「血濃侵」の「濃」は「膿」とすべきです。
火鈴が運限で落陥すれば、膿血、紛失、口論や役所沙汰の災い、思いがけない禍があります。「血濃侵」の「濃」は、校勘に書いたとおり「膿」と読みます。火は血に属し、陥地の火は炎症や膿血になるのです。「無妄」は思いがけない、いわれのない災いのことで、『易経』の無妄の卦から出た言葉です。いまに当てはめると、この時期は炎症・けが・やけどに気をつけ、物をなくしやすく、口を開けばもめごとを招きやすい、ということです。
17地劫火,乃劫殺之神,性惡作事疏狂,動靜增惡,不行正道,為邪僻之事,有吉禍輕,三方四正加殺多者夭壽論。
書き下し地劫は火、すなわち劫殺の神、性悪しくして事を作すこと疏狂、動静悪を増し、正道を行わず、邪僻の事を為す、吉有れば禍軽し、三方四正に殺を加うること多き者は夭寿をもって論ず。
現代語訳地劫星は五行で火に属し、劫殺の神です。性格は悪く、事の行い方はしまりがなく勝手気ままで、動いても静かにしていても悪を増し、正道を行かず、よこしまなことをします。吉星があれば禍は軽くなります。三方四正に加わる煞星が多ければ、短命として論じます。
- 疏狂
- 勝手気ままで、しまりがないこと。
- 邪僻
- よこしまで正しくないこと。
この段から、原文は地劫と天空の話に移ります。地劫星は時刻で置き、亥の宮を子の刻として順に数えます。天空(星格では地空星)は亥の宮を子の刻として逆に数え、二つは巳・亥で同宮します。地劫星は「劫殺之神」で、性格が悪く、しまりがなく、正道を行きません。〈地空星・地劫星の主るところは〉は二つの星を「遇吉則吉,遇凶則凶」と言います(地空星・地劫星の主るところは)。「有吉禍輕」で、三方四正に煞が多ければ短命として論じます。今日の感覚では、考え方が常識にとらわれず、物事の進め方が飛び飛びで、骨折り損になったり、お金が思いがけず出ていったりしやすい、ということです。
18女命只可為偏房妓婢而已。
書き下し女命は只偏房妓婢と為るべきのみ。
現代語訳女命の地劫星は、妾や妓女、婢女になれるだけです。
- 偏房
- 妾。
女命の地劫星は、妾や妓女・婢女にしかなれないとします。この句には条件がなく、全書が女命の空劫に一貫して下す厳しい評価です。〈地空星・地劫星の主るところは〉では「女子婢妾,刑剋孤獨」となっていて、条件は四殺が沖照することです(地空星・地劫星の主るところは)。合わせて読むなら、条件付きのほうを採るのがよいでしょう。今の暮らしに置き換えると、結婚や立場の面で、不安定な、あるいは正式に認められない位置に置かれやすい、ということです。
地劫入命吉凶訣:
20地劫從來生發疾,命中相遇多啾唧,若遇羊火在其中,辛苦持家防內室。
書き下し地劫は従来疾を生発す、命中に相遇えば啾唧多し、もし羊火の其の中に在るに遇えば、辛苦して家を持ち内室を防ぐ。
現代語訳地劫星はもともと病を生じさせるもので、命宮でこれに遇えば、細々としたわずらいが多くなります。もし擎羊星・火星がその中にあれば、苦労して家を切り盛りし、妻のことに用心しなければなりません。
- 啾唧
- 細かな音。そこから、細々としたわずらいや小さなもめごとが絶えないこと。
- 內室
- 妻、家の女性たち。
地劫星が命宮に座れば病が多く、細々としたわずらいも多く、羊火に遇えば苦労して家を切り盛りし、妻のことに用心する、という首です。「防內室」は、家の女性たちの健康や安全に気をつけよ、という注意です。地劫星の「劫」は「奪われる」ことなので、その凶はしばしば消耗の形をとります。健康が削られ、お金が削られ、家族が削られるのです。いまの言葉で言えば、こうした組み合わせの人は健康管理に気を配り、家のお金と安全には備えを用意しておく、ということです。
地劫入限吉凶訣:
22劫星二限若相逢,未免當年有禍危,太歲殺臨多疾厄,官符星遇有官符。
書き下し劫星に二限もし相逢えば、未だ当年に禍危有るを免れず、太歳の殺臨めば疾厄多し、官符星に遇えば官符有り。
現代語訳大限・小限がもし地劫星に逢えば、その年に禍や危険があることを免れません。太歳の煞星が臨めば病や災いが多く、官符星に遇えば訴訟があります。
- 官符
- 流年の神煞の名で、訴訟をつかさどります。
校勘 「官符星遇有官符」は句の押韻と用字が重なっていて、誤りがあると思われます。
地劫星が二限に入ればその年に禍や危険があり、太歳の煞が臨めば病や災いが多く、官符に遇えば訴訟がある、という首です。官符は歳前十二神の一つで、毎年太歳とともに動くので、流年を重ねて見ればその位置を確かめられます。校勘に書いたとおり、最後の句は字が重なっていて、誤りがあると思われます。今の暮らしで言えば、地劫星が運限に入る年は、健康と法的な書類が二つの要点になります。
23天空乃空亡之神,性惡作事虛空,不行正道,成敗多端不聚財,退祖榮昌,空多不吉,名曰斷橋,
書き下し天空はすなわち空亡の神、性悪しくして事を作すこと虚空、正道を行わず、成敗多端にして財を聚めず、祖を退きて栄昌す、空多ければ吉ならず、名づけて断橋と曰う。
現代語訳天空(地空星)は空亡の神です。性格は悪く、事の行いは空虚で、正道を行かず、成功と失敗が入り乱れ、財を集められません。祖業を離れると、かえって栄えます。空の星が多ければ吉ではなく、これを断橋と言います。
- 天空
- 全書の天空は時刻で置く地空星のことです(安星訣「亥上起子順安劫,逆向便是天空鄉」)。星格の盤では地空星と呼びます。盤にはこれとは別に年支で置く「天空」がありますが、それとは別の星です。
- 斷橋
- 橋が落ちて渡れないこと。物事が途中で空振りに終わることのたとえ。
注に書いたとおり、全書の天空は星格の地空星です。天空は空亡の神で、事の行いが空虚で、財を集められず、成功と失敗が入り乱れます。「退祖榮昌」は、祖業を離れるとかえって栄える、ということです。「空多不吉,名曰斷橋」は、盤の上で空の星(地空星・旬空・截空など)が多いと、橋が落ちたように、物事が途中で先へ進めなくなる、という意味です。現代に引き寄せて読むと、発想が豊かで理想も高いのに空振りに終わりやすいので、考えを形にしてくれる人や仕組みの助けが要る、ということです。
24有吉禍輕,四殺加少者平常論,多者下賤。
書き下し吉有れば禍軽し、四殺の加わること少なき者は平常をもって論じ、多き者は下賤。
現代語訳吉星があれば禍は軽くなります。四煞の加わり方が少なければ平凡として論じ、多ければ身分が低く卑しいです。
- 四殺
- 擎羊星・陀羅星・火星・鈴星。
天空は吉があれば禍が軽く、四殺の加わりが少なければ平凡、多ければ卑しい、とします。この句は地劫星の第17段と対になる書き方で、吉星は空劫をやわらげ、煞星は重くします。空劫に対する全書の態度は一貫していて、空劫そのものは大凶とまではいかないが、煞星の働きを大きくする、というものです。星格の盤では、地空星のある宮とその三方で、吉星と羊陀火鈴を数えれば、軽重の見当がつきます。
25太歲二限遇逢,有正曜星加吉者平安,經云:項羽英雄,限到天空而喪國。
書き下し太歳二限に遇逢し、正曜星有りて吉を加うる者は平安、経に云う、項羽英雄なれども、限天空に到りて国を喪う。
現代語訳太歳・大限・小限が天空(地空星)に遇っても、正星があって吉星が加われば平安です。経書は言います。項羽は英雄でしたが、運限が天空に至って国を失った、と。
- 項羽
- 秦の末の楚の覇王。劉邦と天下を争い、敗れて烏江で自ら命を絶ちました。
太歳や二限が天空に遇っても、正星があって吉が加われば平安です。「經云:項羽英雄,限到天空而喪國」は全書が好んで使う故事で、第33段にもまた出てきます。「有正曜星加吉」という条件が大事で、天空のある宮に主星があって吉星もあれば平安で、空宮にさらに天空が来るのが最も凶です。今の暮らしに置き換えると、運限が地空星に巡っても、実力と助け手があれば無事で、理想とかけ声だけに頼れば空振りに終わりやすい、ということです。
26女命單守只可為偏房妓婢。
書き下し女命単り守れば只偏房妓婢と為るべし。
現代語訳女命で天空(地空星)が単独で命宮を守れば、妾や妓女、婢女になれるだけです。
- 單守
- 宮に主星がなく、その星だけがあること。
星格のやり方「單守」は命宮に主星がなく、天空(すなわち地空星)だけが座ることを指します。命盤条件では「同宮に主星がない」ことを書けないので、この句には命盤条件を付けていません。
女命で天空が単独で守る(命宮に主星がなく地空星だけがある)なら、妾や妓女・婢女にしかなれないとします。「星格のやり方」に書いたとおり、命盤との照合では「主星がない」という条件を表せません。第18段の地劫星の女命と同じ書き方です。星格の盤で確かめるのは簡単で、命宮に十四主星がなく、地空星だけがあればこの形です。空宮の読み方は空宮と借星を参照してください。
天空入命吉凶訣:
28命坐天空定出家,文昌天相實堪誇,若逢四殺同身命,受蔭承恩福可佳。
書き下し命天空に坐すれば定めて出家す、文昌天相あれば実に誇るに堪えたり、もし四殺の身命を同じくするに逢えば、蔭を受け恩を承けて福佳なるべし。
現代語訳命宮に天空(地空星)が座れば、必ず出家します。文昌星・天相星があれば、実に誇るに足ります。もし四煞が身宮・命宮に一緒にあれば、かえって庇護を受け、恩を承けて、福がよいのです。
命宮に天空が座れば必ず出家し、文昌星・天相星があればほめるに値し、四殺が身命に一緒にあればかえって庇護と恩を受ける、という首です。この首の理屈はふつうとは逆で、空が煞に遇うとかえってよいと言います。考えられる説明は「毒をもって毒を制す」で、空と煞が打ち消し合うか、出家した人は煞に遇ってかえって守られる、ということでしょう。全書にはこうした「空門ならかえって吉」という言い方が多くあります。現代風に読むと、地空星が命宮に座る人は、精神・宗教・芸術・研究といった、富で量らない道に向いている、ということです。
天空入限吉凶訣:
30天空入限破田莊,妻子須防有損傷,財帛不惟多敗失,更憂壽命入泉鄉。
書き下し天空限に入れば田荘を破る、妻子須く損傷有るを防ぐべし、財帛惟に多く敗失するのみならず、更に寿命の泉郷に入るを憂う。
現代語訳天空(地空星)が運限に入れば、田畑や屋敷を失います。妻子が傷つくことに用心しなければなりません。財は多く失われるだけでなく、さらに寿命が尽きて黄泉に行くことが心配されます。
天空が運限に入れば、田荘を失い、妻子が傷つき、財が失われ、寿命も危ぶまれる、という首です。天空が運限に入るときの凶を、家の財産・家族・お金・命と、もれなく書いています。第25段の「有正曜星加吉者平安」と並べて読めば、この首は正星も吉星もない場合のことです。今の暮らしで言えば、この時期は大きな投資や不動産の売買には向かず、家族の健康にいつもより気を配る、ということです。
地劫天空同入限吉凶訣:
32極居卯酉劫空臨,為僧為道福興隆,樂享山林有師號,福壽雙全到古齡。
書き下し極卯酉に居りて劫空臨めば、僧と為り道と為りて福興隆す、山林を楽享して師号有り、福寿双全にして古齢に到る。
現代語訳紫微星が卯・酉にあり、地劫星・地空星が臨めば、僧侶や道士になって福が盛んになります。山林で安らかに楽しみ、師の号を持ち、福も寿命もそろって、高齢に至ります。
- 極
- 北極、つまり紫微星。紫微星は卯・酉で貪狼星と同宮し、これを「極居卯酉」と言います。
- 師號
- 朝廷や教団が僧侶・道士に与える尊号。
33劫空二限最乖張,夫子在陳也絕糧,項羽英雄曾喪國,綠珠逢此墜樓亡。
書き下し劫空の二限最も乖張、夫子陳に在りてまた糧を絶つ、項羽英雄にして曽て国を喪い、緑珠此れに逢いて楼より墜ちて亡ぶ。
現代語訳地劫星・地空星が大限・小限にあるのは最もひねくれた形です。孔子は陳の国で食糧を絶たれ、項羽は英雄でしたがかつて国を失い、緑珠はこれに逢って楼から落ちて死にました。
- 夫子在陳
- 孔子が諸国を巡っていたとき、陳と蔡の間で囲まれ、七日間食糧を絶たれた故事。
- 綠珠
- 西晋の石崇が寵愛した女性。石崇が罪に問われたとき、楼から身を投げて死にました。
この首は三つの故事を使っています。孔子が陳で食糧を絶たれたこと、項羽が国を失ったこと、緑珠が楼から身を投げたことです。三人はそれぞれ聖人・英雄・美人を表していて、その彼らでさえ劫空の運限から逃れられなかった、それほど劫空は凶い、というのです。孔子の故事は第35段と第39段では天傷に帰されていて、同じ話を全書が別々の星に結びつけているのは、故事がいろいろな流派に借用された跡です。現代風に読むと、劫空の二限は資源が急に途切れる時期で、誰にでも起こりうるので、前もって逃げ道を用意しておくことが要になる、ということです。
34天傷水,乃虛耗之神,守臨二限遇太歲,不問得地,只要眾星吉方可獲善,
書き下し天傷は水、すなわち虚耗の神、二限に守臨して太歳に遇えば、得地を問わず、只衆星の吉なるを要して方に善を獲べし。
現代語訳天傷は五行で水に属し、虚しく消耗させる神です。大限・小限に守り臨み、太歳に遇えば、得地かどうかを問わず、ただ多くの星が吉であってはじめてよい結果を得られます。
- 天傷
- 命宮の前の六番目、つまり奴僕宮に置かれ、位置は決まっています。
天傷は「虛耗之神」で、位置は奴僕宮に決まっています(注を参照)。ですから大限や小限が奴僕宮に巡れば、必ず「限到天傷」になります。この段の要は「不問得地,只要眾星吉方可獲善」で、天傷そのものには輝度がなく、よしあしは同宮する星しだいなのです。〈天傷・天使の主るところは〉は「只要吉多為福其禍稍輕」と言います(天傷・天使の主るところは)。星格で大限を見るとき、大限の命宮が本命の奴僕宮に落ちる十年が、天傷の運限です。
35若無正星又值羊火巨機,必主官災喪服破財,橫事相侵,夫子絕糧限到天傷。
書き下しもし正星無く又羊火巨機に値えば、必ず官災喪服破財を主る、横事相侵す、夫子糧を絶つは限天傷に到ればなり。
現代語訳もし正星がなく、さらに擎羊星・火星・巨門星・天機星に遇えば、必ず役所沙汰の災い、喪、財の損失があり、思いがけない禍が次々に襲います。孔子が食糧を絶たれたのは、運限が天傷に至ったからです。
- 喪服
- 家に葬儀があること。
- 橫事
- 思いがけない禍。
天傷の運限に正星がなく、さらに羊火巨機に遇えば、必ず役所沙汰の災い・喪・財の損失があります。「夫子絕糧限到天傷」は、第33段が同じ故事を劫空に帰しているのと食い違います。ここで巨門星と天機星が羊火と並んで出てくるのは、全書によく見る「機巨」を凶とする論です。今の暮らしに置き換えると、この時期は人間関係で問題が起こりやすく、友人・部下・協力相手がリスクの源になります。天傷はもともと奴僕宮にあるからです。
36天使水,乃傳使之星,務審人間禍福之由,若二限太歲俱臨,有吉星眾者禍輕,
書き下し天使は水、すなわち伝使の星、務めて人間禍福の由を審らかにす、もし二限太歳倶に臨めば、吉星有りて衆き者は禍軽し。
現代語訳天使は五行で水に属し、使いを伝える星で、人の世の禍福のいわれを調べることを務めとします。もし大限・小限・太歳がともに臨めば、吉星が多いものは禍が軽くなります。
- 天使
- 命宮の後ろの六番目、つまり疾厄宮に置かれ、位置は決まっています。
天使は「傳使之星」で、位置は疾厄宮に決まっています。ですから大限が本命の疾厄宮に巡る十年が、天使の運限です。「務審人間禍福之由」は、天使が天の使者のように、人の世の善悪を見に来る、ということです。二限と太歳がそろって臨んでも、吉星が多ければ禍は軽くなります。星格で大限を見るとき、大限の命宮が本命の疾厄宮に落ちていれば、この段を読むことになります。
37若無正星又值巨機羊火,則官災喪亡,橫事破家。
書き下しもし正星無く又巨機羊火に値えば、官災喪亡、横事家を破る。
現代語訳もし正星がなく、さらに巨門星・天機星・擎羊星・火星に遇えば、役所沙汰の災いや死があり、思いがけない禍が家を破ります。
天使の運限に正星がなく、さらに巨機羊火に遇えば、役所沙汰の災いと死、思いがけない禍が家を破る、と言います。この段は第35段の天傷とほとんど同じ書き方で、結果に「喪亡」が加わっているだけです。天傷は奴僕宮、天使は疾厄宮にあり、ちょうど命宮と遷移宮を結ぶ線をはさんで左右対称になるので、全書はよく二つを並べて論じます。いまに当てはめると、疾厄宮の大限では健康に、奴僕宮の大限では人間関係に気を配る、ということです。
天傷天使入限吉凶訣:
39天耗守限號天傷,夫子在陳也絕糧,天使限臨人共忌,石崇豪富破家亡。
書き下し天耗限を守るを天傷と号す、夫子陳に在りてまた糧を絶つ、天使限に臨めば人共に忌む、石崇豪富なれども家を破りて亡ぶ。
現代語訳天耗が運限を守るのを天傷と呼びます。孔子は陳の国で食糧を絶たれました。天使が運限に臨むのは誰もが忌み嫌うことで、石崇ほどの大富豪でも家を破られて死にました。
- 石崇
- 西晋の大富豪。のちに陥れられて処刑され、家財を没収されました。
この首は天傷と天使の故事をまとめて書いています。孔子が食糧を絶たれたのは天傷、石崇が家を破られたのは天使です。「天耗守限號天傷」とあるように、天傷は天耗とも呼ばれます。〈天傷・天使の主るところは〉の歌では「限至大耗號天傷」となっていて(天傷・天使の主るところは)、字が少し違います。石崇が西晋一の富豪だったことは注のとおりです。ひらたく言えば、どれほどお金や学識があっても、この二つの運限に巡れば行き詰まることがありうるので、この時期に大きな冒険をしないことが要になる、ということです。
40天馬火,最喜會祿存,極忌截路空亡。
書き下し天馬は火、最も禄存に会うを喜び、極めて截路空亡を忌む。
現代語訳天馬星は五行で火に属し、禄存星と会うのを最も喜び、截路空亡をきわめて忌みます。
- 截路空亡
- 截空。生まれ年の十干で置く空亡。
天馬星は年支で置きます。寅・午・戌の年は申、申・子・辰の年は寅、巳・酉・丑の年は亥、亥・卯・未の年は巳なので、寅・申・巳・亥にしか現れません。禄存星と会うのを最も喜ぶのが禄馬交馳で、截路空亡を最も忌むのが、後の時代の馬逢截空です。截空が年干で置かれることは注のとおりです。〈天馬星の主るところは〉は天馬星をいくつもの種類に分け、「逢空亡謂之死馬」と言います(天馬星の主るところは)。今の暮らしで言えば、よく動き、よく出張する人は、資源があれば動く中で財を生み、空に遇えば無駄足に終わる、ということです。
41如命在辰戌丑未,遇寅申巳亥有天馬在夫妻宮,加吉會者富貴,加殺不美,加權祿照臨,必主男為官,女封贈。
書き下しもし命辰戌丑未に在り、寅申巳亥に遇いて天馬の夫妻宮に在る有り、吉を加えて会する者は富貴、殺を加うれば美ならず、権禄の照臨を加うれば、必ず男は官と為り、女は封贈せらるるを主る。
現代語訳たとえば命宮が辰・戌・丑・未にあり、寅・申・巳・亥の夫妻宮に天馬星があって、吉星が加わり会えば富貴です。煞星が加わればよくありません。化権・化禄が加わって照らせば、必ず男は官となり、女は封号を贈られます。
- 封贈
- 朝廷が官員の妻や父母に封号を与えること。
この段には盤の上で必ずそうなることが一つあります。夫妻宮は命宮から二つ戻った宮に決まっているので、命宮が辰・戌・丑・未にあれば、夫妻宮は必ず寅・申・巳・亥に落ちます。天馬星はこの四宮にしか来ないので、「命在辰戌丑未」と「天馬在夫妻宮」は一つに結びついた二つの条件なのです。吉が加われば富貴で、権禄が加われば男は官となり、女は封号を贈られます。昔の人は夫妻宮の天馬星で配偶者を見て、天馬星は動きをつかさどるので、配偶者は外に出て道を開く人だとしました。今の暮らしに置き換えると、パートナーの仕事で移動や転勤が多いか、二人が旅先や離れた土地で知り合った、ということです。
天馬入限吉凶訣:
43天馬臨限最為良,紫府祿存遇非常,官宦逢之應顯達,士人遇此赴科場。
書き下し天馬限に臨むは最も良と為す、紫府禄存に遇えば非常、官宦これに逢えば応に顕達すべし、士人此れに遇えば科場に赴く。
現代語訳天馬星が運限に臨むのは最もよいことです。紫微星・天府星・禄存星に遇えば並外れています。官に仕える人がこれに逢えば高く上るはずで、読書人がこれに遇えば試験場に赴きます。
天馬星が運限に臨むのは最もよく、紫府や禄存星に遇えば並外れ、官は高く上り、読書人は試験に赴く、という首です。〈天馬星の主るところは〉の「如大小二限臨之,更遇祿存紫府,流昌必利」も(天馬星の主るところは)、この首と一致します。天馬星が運限に入る形は、今なら引っ越し・転職・海外行き・転勤と読め、変化の中に好機があります。星格で大限を見るとき、天馬星のある宮が大限の命宮か三方に入っていれば、この首の場合に当たります。
44天馬守限不得住,又怕劫空來相遇,更兼太歲坐宮中,限到其人尋死路。
書き下し天馬限を守れば住まるを得ず、又劫空の来たりて相遇うを怕る、更に太歳の宮中に坐するを兼ぬれば、限到りて其の人死路を尋ぬ。
現代語訳天馬星が運限を守れば、とどまることができません。また地劫星・地空星が来て遇うことを恐れます。さらに太歳がその宮の中に座れば、運限が至って、その人は死への道をたどります。
天馬星が運限を守れば「不得住」、とどまれません。劫空を恐れ、さらに太歳がその宮に座れば「尋死路」です。天馬星の動きは、空に遇うと目的のない奔走に変わり、そこに太歳が加わると、昔の人は死への道をたどると判じました。これは第40段の「極忌截路空亡」と同じ理屈です。いまの言葉で言えば、この時期の変化にははっきりした目的を持たせることです。走り回ることは前に進むことと同じではなく、疲れと交通の安全にはとくに気を配ることになります。
底本原文(ウィキソース、一部簡体字)
よくある質問
『紫微斗数全書』では、鈴星は何をつかさどりますか?
全書は、鈴星は五行で火に属する南斗の浮星で、性格に毒があり、顔に傷があり、肝が太く人に抜きん出るとします。寅・午・戌の年に生まれた人には権と貴さがあります。入廟して貪狼星・武曲星に遇えば威が辺境を鎮め、さらに紫府・左右と会えば、貴くならなければ富むとします。落陥すれば若死にするか顔に傷を負うか、祖業を離れてあらためて別の人を父母として拝むとします。
地劫星・地空星は、全書ではどんな星ですか?
全書は、地劫は火に属し「劫殺之神」で、性格が悪く、事の行い方がしまりなく、正道を行かないとします。天空(すなわち地空星)は「空亡之神」で、事の行いが空虚で、成功と失敗が入り乱れ、財を集められず、名づけて「斷橋」とします。女命が単独で守れば、原文は妾や妓女・婢女にしかなれないと言います。二つの星が一緒に運限に入る場合は、孔子が陳で食糧を絶たれたこと、項羽が国を失ったこと、緑珠が楼から身を投げたことを例に挙げます。
「項羽英雄,限到天空而喪國」とはどういう意味ですか?
全書が天空(地空星)の段で引く経文で、項羽ほどの英雄でも、運限が天空に至れば国を失った、という意味です。あとの歌訣もさらに「劫空二限最乖張,夫子在陳也絕糧,項羽英雄曾喪國,綠珠逢此墜樓亡」と言い、劫空が運限に入るときの凶を述べています。
天傷・天使とは何ですか?
全書の安星訣は、命宮の前の六番目が天傷、後ろの六番目が天使だとし、天傷は奴僕宮に、天使は疾厄宮に必ず置かれます。巻二は、天傷は「虛耗之神」、天使は「傳使之星」だとし、大限・小限・太歳が巡ってきたとき、吉星が多ければ禍は軽く、正星がなくて羊火巨機に遇えば、役所沙汰の災い、喪、家の破産をつかさどるとします。
天馬星は何を最も喜び、何を最も忌みますか?
全書は、天馬星は五行で火に属し、禄存星と会うのを最も喜び、截路空亡をきわめて忌むとします。命宮が辰・戌・丑・未にあり、天馬星が寅・申・巳・亥の夫妻宮にあれば、吉星が加われば富貴、煞星が加わればよくなく、化権・化禄が照らせば、男は官となり、女は封号を贈られるとします。
この篇に出てくる主星