紫微斗数の格局・吉格
火貪格とは?
成立の条件
貪狼星がある宮に、火星も同宮していること。
星格で命盤を出すと、あなたの命盤にある格局が自動で表示されます。
貪狼星(どんろうせい)は欲とチャンスの星、火星(かせい。惑星ではなく紫微斗数の星です)は爆発の星で、せっかちで速く、突然です。2つが同じ宮にそろうと、昔の人は火星を厄介者とは見ず、むしろ貴格に入れました。火星の激しい勢いが、ちょうど貪狼星の欲しいものに火をつけるからです。火貪格(かどんかく)はよく「急に開ける」と表現されます。チャンスが少しずつ積み上がるのではなく、一気に飛び出してくるのです。自分にあるかどうかは、まず命盤を作って確かめてください。
火貪格の成立条件
星格の判定はシンプルです。
- 貪狼星がその宮の主星であること(単独でも、紫微星・廉貞星・武曲星と同宮していても数えます)。
- 火星も同じ宮にあること。
火貪格は宮の中での組合せで、十二宮のどの宮にも出る可能性があり、出た宮のことがらが勢いよく開けます。どこかの宮に火貪格が出るのはだいたい命盤12枚に1枚、命宮に出るのはずっと少なく、だいたい140枚に1枚です。
『紫微斗数全書』巻一の「定貴局」は、もっと狭くとっています。
貪火相い逢う、二星、命を守り同じく廟旺に居るを謂うなり。
古書の正格には条件が2つあります。命宮にあること、そして貪狼星と火星がどちらも廟旺(びょうおう)であることです。星格が使う輝度の表では、2つが同時に廟旺になる位置は午の宮と戌の宮だけなので、古書の認める火貪格はかなり珍しく、だいたい命盤1,200枚に1枚です。ほかの宮にある火貪や、輝度がそれほど良くない火貪にも爆発力はありますが、昔の人はそれを貴格には数えませんでした。
古書の言葉と、今の読み方
火貪は『全書』に何度も出てきて、どれも力のこもった書き方です。巻一の「斗数骨髄賦」にはこうあります。
貪狼・火星、廟旺に居れば、名、諸邦を鎮む。
巻二は火星を紹介するところで、まず多くの宮ではあまり良くないと述べたあと、話を切り替えます。
惟だ貪狼と廟旺に同度すれば、日を指して辺功を立て、財官の格と為す。
巻二は貪狼星の大限を論じるところでも、貪狼星が辰・戌・丑・未の4つの「四墓」の宮に入ると「若し火星を見れば多く横発す」と述べています。「横発」とは思いがけない財や突然の成功のことで、一段ずつ上っていく種類のものではありません。
今の暮らしに置き換えると、火貪格はこう読むのが近いでしょう。
- チャンスが突然やってくる。 あるプロジェクトが急にヒットする、副業が急に当たる、転職で一気に何段も上がる。こうした飛び石のような転機が、火貪のある宮では比較的よく起こります。
- 反応の速さが求められる。 火星のチャンスは窓が短く、少し迷っているうちに過ぎてしまいます。火貪のある人は、実際に反応が速く、思いきって手を出せることが多いです。
- テンポの速い舞台に向いている。 営業、起業、マーケティング、取引の仕事、エンターテインメント、スポーツのように、タイミングと瞬発力がものをいう分野で力を発揮します。
火貪格がつまずきやすいところ
古書は「横発」と言ったあと、守ることをよく注意しています。火貪格によくある2つの盲点です。
1つ目は、来るのも速いが去るのも速いこと。 勢いよく開けたあとに手元に収めておかないと、得たものがあっという間に散ってしまいます。火貪格の課題は、どう開けるかではなく、開けたあとにどう残すかです。
2つ目は、爆発を当たり前だと思うこと。 一度突然の成功を味わうと、次の一回をずっと待ちがちです。爆発のない普通の日々が、かえってもどかしく感じられます。
火貪格の人へのひとつの提案です。思いがけない収穫があったら、まず一部を取り分けておき、全部をまた次に賭けないようにしましょう。
力が弱まるとき
- 貪狼星か火星が陥の位置にある。 たとえば火星は辰・申・子の3つの宮で落陥します。爆発力は残りますが、せっかちさのほうが目立ち、方向がずれやすくなります。
- 同宮か三方に化忌(かき)・地空星(ちくうせい)・地劫星(ちごうせい)がある。 開けたものが空振りになりやすく、開けてもまた崩れやすくなります。
- さらに擎羊星・陀羅星が加わる。 煞星が多すぎると、勢いが正面衝突に変わるので、より多くの忍耐が必要です。
破格(はかく)は格局が消えるという意味ではありません。それらの星も一緒に読みに入れる、ということです。
火貪と鈴貪の違い
火星と鈴星(れいせい)は一対で、どちらも六煞星(ろくさつせい)に属します。貪狼星が鈴星に会うと鈴貪格です。どちらも勢いよく開けますが、リズムが違います。火星は目に見える炎で、激しく、はっきりやって来ます。鈴星はくすぶる火で、立ち上がるのは遅いものの、あとから長く効きます。『全書』も2つを並べていて、「斗数骨髄賦」には「貪鈴並び守れば、将相の名あり」とあります。火星・鈴星そのものについては六煞星の回を見てください。
自分に火貪格があるかどうかの見方
命宮にある貪狼星の全体的な性格は貪狼星が命宮にある場合で読めます。貪狼星は殺破狼(さっぱろう)の一員でもあり、変化型の人生のリズムは殺破狼のページで扱っています。
よくある質問
火貪格とはどういう意味ですか?
火貪格は、貪狼星と火星が同じ宮に入る組合せです。貪狼星は欲とチャンスを、火星は爆発とスピードを表し、2つがそろうと、昔の人はチャンスが突然来て急に開けやすいと読みました。『紫微斗数全書』はこれを「定貴局」に入れていて、よく知られた貴格です。
火貪格は命宮でないといけませんか?
『紫微斗数全書』の定義では、命宮にあり、しかも貪狼星と火星がどちらも廟旺であることが必要で、星格の輝度の表ではこれに当てはまるのは午の宮と戌の宮だけです。星格の判定はもっと広く、十二宮のどこでも数え、出た宮のことがらが勢いよく開けると読みます。
火貪格があれば一夜で大金持ちになれますか?
そうとは限りません。火貪格が表すのは、チャンスが突然来て反応の速さが求められることで、お金持ちになる保証ではありません。古書も、横発のあとは守りきることが大事で、そうでなければ来るのも速いが去るのも速いと、くり返し注意しています。三方に化忌や地空星・地劫星があるときは、開けたものが空振りになりやすくもなります。
火貪格と鈴貪格はどちらが良いですか?
どちらも古書が認める組合せで、違いはリズムです。火貪は激しくはっきり来るので、短いチャンスの窓をつかむのに向いています。鈴貪は開けるのが遅いぶんあとから長く効くので、積み上げが必要なことに向いています。良し悪しは、さらに輝度、どの宮にあるか、三方に化忌や煞星があるかで変わります。
ほかの格局
格局はプラスアルファで、結論ではありません。同じ格局でも、あなた自身の命盤では、星の明るさ、三方四正、いまどの大限にいるかで変わってきます。
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