紫微斗数の格局・中立の格局

馬頭帯箭とは?

成立の条件

命宮が午の宮にあり、擎羊星が命宮に入り、同宮の主星に天同星か貪狼星があること。

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十二支の午は馬にあたり、擎羊星(けいようせい)は昔「羊刃」とも呼ばれた、1本の刃のような星です。擎羊星が午の宮にあるのは、馬の頭に矢が刺さっているようなもの。そこで馬頭帯箭(ばとうたいせん)と呼ばれます(古書では「馬頭帯剣」とも書かれます)。名前は物騒に聞こえますが、昔の人の評価は、辺境を守り抜く武将の格でした。自分が当てはまるかどうかは、まず命盤を作って確かめてください。

馬頭帯箭の成立条件

星格の判定は、『紫微斗数全書』巻三にしたがっています。

  • 命宮が午の宮にあり、擎羊星が命宮に入っていること。
  • 命宮の主星に[天同星](/star/tiantong)(てんどうせい)か[貪狼星](/star/tanlang)(どんろうせい)があること。擎羊星が午にあるだけでは数えません。

擎羊星はいつも禄存星(ろくぞんせい)の1つ先のマスにあるので、午の宮に来るには禄存星が巳にある必要があります。つまり丙年か戊年に生まれた人です。天同星が午にあるときは必ず太陰星(たいいんせい)と同宮し、貪狼星が午にあるときは単独で命宮に入ります。ですから実際には2通りの命盤しかありません。丙年・戊年生まれで天同星・太陰星が午の宮の命宮にある場合と、丙年・戊年生まれで貪狼星が午の宮の命宮にある場合です。とても珍しい格局で、だいたい命盤500枚に1枚です。

『全書』の2か所で言い方が違う

この格局には変わった点があります。『紫微斗数全書』そのものに、2通りの定義があるのです。

巻三の版で、星格が採用しているのはこちらです。

天同・貪・羊陀、午位に居り、丙戊なれば辺疆を鎮御す。

注釈には「馬頭帯箭と為し、富且つ貴」とあります。擎羊星の位置からすると、擎羊星が午に来るのは丙年・戊年生まれの人だけなので、句の中の年はこの2つの年に対応します。

ところが巻一の「定貴局」にはこうあります。

馬頭帯剣とは、馬に刃有るを謂うなり、午に居る格には非ず。

ここでの「馬」は天馬星(てんませい)のことです。天馬星と擎羊星が同宮して初めて馬頭帯剣と呼び、しかも午の宮のあの格ではない、とわざわざ断っています。

2つの説はどちらも『全書』に載っていて、星格は巻三の「擎羊星が午にある」という読み方で判定しています。自分の命盤で天馬星と擎羊星がそろって命宮にあるなら、巻一の定義では馬頭帯剣と数えることもできます。

古書の言葉と、今の読み方

巻一の「太微賦」にはこうあります。

馬頭帯剣、辺疆を鎮衛す。

昔の人が言いたかったのは、こういう人は危険な土地、辺境で手柄を立てるのに向いている、ということです。擎羊星は刑の星で、衝動的で、正面からぶつかります。力を出せる戦場が必要で、平穏な環境に置かれると、かえって身内を傷つけてしまいがちです。

今の暮らしに置き換えると、馬頭帯箭によく見られるのはこんな姿です。

  • 逆境でこそ力が出る。 平穏な環境ではいらいらしやすく、プレッシャーがかかると、かえって力が引き出されます。
  • よその土地、なじみのない場所でこそ頭角を現しやすい。 古書の「辺疆を鎮衛す」を今の言葉にすると、慣れた場所を離れ、新しい市場や新しい分野で勝負することです。
  • 勢いとプレッシャーが一緒にやってくる。 物事を進める迫力がある一方で、自分を追いこみすぎることもよくあります。

主星によって、味わいが少し違います。

  • 貪狼星が午:貪狼星は午で旺になり、欲も行動力も強く、そこに擎羊星が加わるので、とても勝負度胸のある組み合わせです。
  • 天同星・太陰星が午:2つとも午では弱めで(天同星は陥、太陰星は不得地)、もともとは穏やかで安らぎを好む星です。擎羊星に背中を押されて進むので、環境に追われて成長するタイプになりやすいのです。

馬頭帯箭がつまずきやすいところ

1つ目は、硬すぎること。 擎羊星の本性は正面衝突で、抵抗に出会ったときの最初の反応が強行突破になりやすく、人間関係が張りつめがちです。

2つ目は、落ち着けないこと。 プレッシャーがないと何かが違う気がして、自分から衝突や挑戦を作り出しがちです。

3つ目は、プレッシャーを体にためこむこと。 勢いのある人ほど休むことを忘れやすく、ある点まで積もってから一度にあふれ出します。

力が増すとき、割り引いて見るとき

  • 力が増すとき: 三方に左輔星・右弼星・天魁星・天鉞星や化禄・化権があれば、勢いに方向があり、支えてくれる人もいます。丙年は天同星が化禄になるので天同星・太陰星が午にある人の助けになり、戊年は貪狼星が化禄になるので貪狼星が午にある人の助けになります。
  • 割り引いて見るとき: 三方にさらに火星・鈴星・陀羅星・化忌があると、プレッシャーにプレッシャーが重なります。その場ですり減るのではなく、勢いを生かせる持ち場を見つけることが、いっそう大事になります。

自分が馬頭帯箭かどうかの見方

  1. 生まれ年の十干が丙か戊かを確かめます(旧暦の年で数えます)。
  2. 命盤を作って、命宮が午の宮にあるか、擎羊星があるかを見ます。
  3. 同宮の主星が貪狼星か、天同星・太陰星なら、馬頭帯箭です。

擎羊星についてもっと知りたいときは、六煞星の回と貪狼星が命宮にある場合を読んでください。

よくある質問

馬頭帯箭とはどういう意味ですか?

十二支の午は馬にあたり、擎羊星は羊刃とも呼ばれるので、擎羊星が午の宮にあるのは馬の頭に矢を帯びているようなもの、ということで馬頭帯箭と呼ばれます。『紫微斗数全書』には「馬頭帯剣、辺疆を鎮衛す」とあり、昔の人は危険な土地で手柄を立てる武将の格と読みました。今は、逆境の中でかえって頭角を現すと読むことが多いです。

馬頭帯箭は午の宮だけですか?

巻三の説では、擎羊星が天同星か貪狼星と一緒に午の宮の命宮に入る場合です。ただし『紫微斗数全書』巻一の「定貴局」には別の説があり、「馬頭帯剣とは、馬に刃有るを謂うなり、午に居る格には非ず」として、天馬星と擎羊星の同宮を指しています。2つの説はどちらも『全書』に載っていて、星格は巻三の午の宮の版を採用しています。

馬頭帯箭があるのはどんな人ですか?

擎羊星が午の宮に入るのは丙年・戊年生まれの人だけなので、丙年・戊年生まれで、命宮が午の宮にあり、主星が貪狼星か天同星・太陰星である人だけにあります。だいたい命盤500枚に1枚です。

馬頭帯箭にはどんな伸び方が向いていますか?

挑戦や競争のある環境です。たとえば新しい市場の開拓、海外赴任、起業、競技、危機対応など。古書の「辺疆を鎮衛す」のとおり、居心地のいい場所を離れ、新しい土地で勝負することが、この格局がいちばん力を出せるやり方であることが多いです。

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